第52話 もやもや勉強会(ギャルSide)

 お姉ちゃんに勉強教えて~と気軽に相談したのが、運の尽きだった。

 問題を聞くごとに、クールなお姉ちゃんの顔が百面相のように変わり、だんだんと学校での成績がばれ、普通に怒られた。

 勉強しなさい、と将来のために。

 そこからは地獄だった。

 片付けもそこそこに、早速勉強。

 隣では、私の勉強のために、自分の配信の予定をキャンセルして、同じテーブル隣で、大学のレポートかなんかの課題をして、一緒に机にむかってくれている。


 ちょっとでもスマホとか触ろうとすると、『どしたのー?』と冷たい微笑をうかべてくる。

 怖い、怖い、怖いよお姉ちゃん。


 やっと地獄から解放されたのは12時を過ぎてから。

 今日だけでめっちゃ賢くなった気がする!

 中学生の頭悪くなかった時期の私に舞い戻ってきた!

 これで、明日成瀬君との勉強会でも呆れられずに済む。


 お風呂に入って、肌のケアとか顔のパックをして布団に入る。

 時間は1時を回っている。

 普段なら、寝て……いや動画とか見てる時間か。

 でも今日は結構、いや嘘かなり疲れたから見る気力もでないや。


 ……だから、絶対!お姉ちゃんに見つかったら怖いとかではない。

 ないったらない!


 そう言えば明日は勉強会か。

 成瀬君の彼女ってどんな人なんだろう。

 でも、前休日に成瀬君にあった時に髪型とかめちゃくちゃく変わってたから、セットとかも出来る人なんだろうなぁ。

 というか、なんで成瀬君カップルと私たち姉妹で勉強会する流れになったんだろう……お姉ちゃんが決めてたけど。

 あ~、明日緊張するなぁ。今でさえドキドキするんだもん。

 明日来るまでにどんどん緊張感増していくよぅ。



 今日寝れないかも……。



 そんな不安を抱きながら、私は秒で寝てた。

 起こされたら朝だった。


 勉強会当日、昨日私の心配は嘘のように杞憂だった。

 だって……


「お姉ちゃんほんとにこの量やるの?」


 テーブルに置かれた教科書、問題集の数々。

 簡単に言って昨日の夜の量の三倍はある。


「もちろん、これくらいやっておけば、かすみんたちとの勉強会では実のあるものに出来て、テストもなんとかなるでしょ」


 屈託ない笑顔のお姉ちゃん、

 それがどう~にも胡散臭い。

 

「……」

「じゃあ、モチベ上げるために一つ。もし基礎編覚えてたら、巧君を見返せるかもよ?バカキャラなエミがめっちゃ勉強してましたって驚かせられるよ、意外性No1のギャルになれるよ?」


「意外性No1……驚かせられる……見直せる……勉強できるギャップあるギャルになれる……!いいそれ! 目指せギャップ萌え!!」


 やる気に満ち溢れてきた。

 よーし成瀬君を驚かせてやろう。

 それならこれくらいちょちょいっと、ね?


 テーブルに向かい再度テスト勉強を。


「……この子こんなあほで大丈夫かな?」


 なんかお姉ちゃんが失礼なことをぼそりと言ってるけど、聞こえてるけどね。


「うるさい、勉強しているんだから静かにして!」

「ほんと、調子いんだから……分からないところあったら言ってね~、まぁ基礎覚えるだけだからそんなないと思うけど……って聞いてないね。いつでもそうやって集中すればできるのになぁまったく」


 あと今、朝の7時だからか頭も回ってなかったからかもしれない。

 私は、勉強しなきゃいけない量とか、成瀬君の彼女の話とかぜーんぶ忘れてた。

 化粧とかだけは身だしなみは整えたけどさ。


「……あ~、これは無自覚で、ほのかに……、ってかんじかぁ」


 そんなお姉ちゃんの言葉は勉強に集中していた私には聞こえなかった。



 勉強すること6時間近く。

 休憩をはさみながらも、ほとんど勉強してた。

 内容は朝だからかかなり覚えられた気がする。


 お昼を食べて、午前中の復習をして、だから気付かなかった。


「お邪魔します」


 誰かの声がした。

 知らない女性の声。


 え、あ、時間。

 時間を見ればもう午後になってる、ということは勉強会の時間。


 前を見ればとてもきれいな、大人の女性。

 肌はつやつやで、胸は大きくて、でもスタイルは良くて、そして顔はびっくりするぐらい綺麗。


「あっ」


 思わず声を失った。

 そんな私に、きれいな女性は目を合わせて、


「初めまして、お姉さんの友達の佐倉かすみです。妹がもしかしたらお世話になってるかも」


 佐倉……妹?

 ……佐倉真希さんのことかな?の人。


「え?……佐倉さんのお姉さん?……ですか?」


 普通に驚いた。

 でも、確かにどこか面影もあるような気がする。


「そ、真希の姉でもあるの」


 言葉を崩し親しみやすさを感じる。

 そんなかすみさんにうちのお姉ちゃんは親し気に話しかける。


「あと、かすみんはわたしの親友兼仕事仲間!」

「でもあるわね……一応」


 お姉ちゃんのウザからみにちょっと迷惑そう。

 あ、やっぱこんなきれいな人でも人間らしい表情するんだなぁ。


 一気に親近感が湧いた。


「でも今は一番はやっぱ……あれかな?」


 ん?紹介の続き?


「……いつもお世話になってるたくみの彼女、でもあるかな?」


 にこりと大人の笑みを浮かべ、でも恥ずかしそうに微笑むかすみさん。


 え?……彼女?

 こんなきれいな人が……成瀬くんの?

 え?え?……あ。

 でも彼女いるってそういえば……

 心の整理がつかない。

 あれ?ただ友達の彼女を紹介されただけのはずなのに……あれ?

 ……あ、でも何か言わなきゃ。


「え、えーと!成瀬君と同じクラスで隣の席の相沢えみです!……あとそこの片付けできない姉の妹です!」


 とりあえずは自己紹介しといた!


「成瀬巧、です、かすみにはいつもお世話になっています」


 そして成瀬君が私とかクラスには見えないような顔をして、照れている。

 微笑ましい光景のはずなのに……


「おっ、なんできみも自己紹介してるんだい?しかもなんか照れてるし。 でもまぁなら私もしておくかなぁ、私は相沢エル、彼氏なし、配信者兼動画クリエイターで片づけは出来ません!」


 なんだろうこの気持ち。

 勉強以上に……本当にわけがわからないよ。


 何なのこの気持ち……お姉ちゃん。


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 二日ぶりです。

 やはり奇跡は起こせなかったごめん!


 ギャル神SIDEいかがでしょうか。

 前話のギャル神VERでした。


 いつも応援ありがとうございます!

 とうとうこの作品も50話突破しました。

 ひとえに皆さんの応援のおかげです。

 沢山のコメントとかももらえてとてもモチベになっています!

 これからも星とか応援よろしくお願いします!

 これからも応援よろしくお願いします!!

 モチベになりまくります!!


 今度サポーター様向けにも何か書こうと思ってます。要望とかあれば教えてください!

 

 ではでは。

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