第51話 かすみとギャルの初対面

 電車に乗って勉強会場所のエルさんの家へ。

 相沢さんは昨日から行っているらしい。


 勉強会の後帰り際に、「私たちの勉強戦いはこれからだ」

 と意気揚々と帰っていった。絶対休みで浮かれてる気がする。

 あとそれの使い方間違ってるよね。


 多分だけど帰ったら勉強してないと思う。


 しかも俺たちの戦いはこれからだ、ってよく言う打ち切りエンドという最悪のバッドエンドだから、多分相沢さんはそのまま行けば林間学校が勉強合宿という地獄天国になる気がする。


 電車に揺られること1時間。

 降りる駅は、かすみが住んでいる最寄りの駅とのこと。


 場所を知っているかすみは、俺の肩に頭を預け、寝息を立てている。

 髪につけたバームか、オイルの匂いが普段のシャンプーの香りと違ってまた良い。


 というか、かすみの余所行きの格好ってまだあんま見たことないなそう言えば。

 まぁそもそも俺らがインドア派で、かすみに至っては家で二時間ドラマ見るのが趣味なのもあって外に出る機会がそんなないしなぁ、ま言うて俺も結構なインドアだからそういうところもあるんだろうな、きっと(確信)


 てかそっか。

 まだ付き合って一か月も経ってないのか。

 あまりに濃い時間過ぎてあっという間だった。


 ちょっと前の俺に言っても信じられないだろうけど、今では俺の肩でかすみが寝息を立てているのが現実。


 うん最高かな。



 つんつん。



 指で頬を軽くつついてみたりする。

 よくよく考えればかすみが寝てる様をみるのもあんまないかもしれない、かすみ起きるの早いからなぁ。土日とか9時に起きてて普通にすごいと思う。

 まぁ理由は10時とかからやる午前の2時間サスペンスの為だったりするけど、でもすごいと思う。


「……かすみ起きな~、もう着くよ」


 可愛い寝顔を披露しているかすみを起こすのも忍びないが、えるさんとこにはいかなきゃいけないため、唇をかみしめながらゆっくりとおこす。

 もしこれで起きなかったらもう一周しよ、そう決めた。


 でもそんな決意とは裏腹にかすみはすぐに起きた。


「んっ、ちょっと寝ちゃった」


 寝ぼけ眼をこすりながらも電車をおり、ん-と背を伸ばす。

 胸が強調されて、大変眼福です!


「……起こしてくれてありがと、たくみは寝れた?」

「いやあんまり、スマホでテスト勉強してたかな」


 嘘です、かすみの匂いも堪能してました。


「なんか嘘っぽいけど、まぁいっかいこっか!」


 手を握り、引っ張ってくる。


「……あれ?今日は腕は組まないの?」


 あれ?胸が当たって最高に好きなんだが。


「……あれはたくみが我慢できなくなるからダメ、そのままエルの家じゃなくて私の家に行きたくなるでしょ?私も君も」

「……確かに!」


 納得した。

 あれは精神衛生上大変よろしくない。


「そうならないように昨日もいっぱい、でも自制きかなくなる可能性もあるでしょ?」


 そうだね、ない!とは言い切れない。なんならある!って断言できそう。

 それくらいかすみは魅力的だから。

 もうするたびに好きが増していく。


「ってことで早く勉強しにいこっか私もレポートあるし」


 駅から歩いて5分くらいでえるさんの家に着いた。


「めっちゃ立派……」


 えるさんの家は15階建ての高層マンション。


「すごいよね、夢があるよねぇ動画クリエイターて、さはいろっか」


 かすみは何回か来たことあるからか、気兼ねなく入っていく。

 受付にはコンシェルジュらしき人もいて、改めて稼いでいるんだなと実感する。


「おーい開けて~」


 いつの間にかインターホンに向かってしゃべりかけている。


『はいはい今開けるね~』


 えるさんの声が聞こえて数秒後、自動で扉があく。


「いこ!」


 かすみは手を引っ張って、俺を中へと導いていく。

 エレベーターは2基もあり、ロビーにはおしゃれな机といすまでおかれている。

 エレベーターはすぐ来て、乗り込む。


「ここ、近くにはジムとかコンビニもあって結構便利なんだよ?たまに私も汗かきたいときとかプール行ったりするし」

「ぷ、プール?!」


 なんて危なくエッチなところに!

 それを見れる人がいるなんてうらやまけしからん!


 あとシンプルにかすみの水着姿みたいな


「あ~エッチな妄想してるでしょ?」


 にやぁと覗き込んでみてくる。

 なんでそんな感良いんだよ毎回思うけど!


「……黙秘で」

「あ、ずるーい。でも安心してそこ女性専用だし普通の水着だからさ、だからさ――」

「?」

「――今度一緒に選んでよ?私の水着」

「え、それってつまり――」

「そ、君色に染めて?」


 くっ!!!


「どしたの、そんな唇かみしめて」

「こうでもしないと自分のリビドーを抑えきれなくて!」


 危うく襲いそうになったこのサキュバスを。


「あらあらそれはまずいねっとついた」


 かすみは足早に降りて、手をひらひらとしてこちらを促してくる。

 この小悪魔サキュバスめ!

 家に帰ったら退治してやる!!今度こそ負けない!!


 ピンポーン。


 インターホンを鳴らす音が聞こえ、慌ててかすみの後ろに。

 というかここ15階って最上階じゃん、こわぁ。


 ガチャリと音がして、出てきたのは、エルさん。

 デニムに薄手のシャツを羽織って眼鏡をかけている。


「いらっしゃい、エミはもう勉強中だからはいってぇ」

「お邪魔しまーす」


 エルさんの家の中に入ると、アロマのような甘い匂いがし、女性らしい部屋だった。

 そこまでは。


 リビングに入ると、きれいにされた部屋と、並べられる酒瓶とエナドリの空き瓶。

 まるで、オブジェクトのように陳列している。


 大きめのテーブルには相沢さんが勉強していた。


「お邪魔します」


 その声でこちらをふりむく相沢さん。

 化粧はなぜかいつもより濃い眼で、でもうっすらと眼に隈もある気がする。


「あっ」

「初めまして、お姉さんの友達の佐倉かすみです、妹がもしかしたらお世話になってるかも」

「え?佐倉さんのお姉さん?……ですか?」


 あ、相沢さんが敬語を使っているっ?!でもよく考えればおかしくはないのか、中学ではまじめだったらしいし。

 まぁ今では勉強しなくなってたけど。


「そ、真希の姉でもあるの」

「あと、かすみんはわたしの親友兼仕事仲間!」

「でもあるわね」

「でも今は一番はやっぱ……あれかな?」

「いつもお世話になってるたくみの彼女、でもあるかな?」


 にこりと大人の笑みを浮かべ相沢さんに向け、微笑むかすみ。

 一瞬あっと呆け、すぐに相沢さんは気を取り直し。


「成瀬君と同じクラスで隣の席の相沢えみです!……あとそこの片付けできない姉の妹です!」

「成瀬巧、です、かすみにはいつもお世話になっています」

「おっ、なんできみも自己紹介してるんだい?しかもなんか照れてるし。 でもまぁなら私もしておくかなぁ、私は相沢エル、彼氏なし、配信者兼動画クリエイターで片づけは出来ません!」


 勉強会は謎の自己紹介から始まった。


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 やっと週の半分だぁ(´;ω;`)

 今週は多分金曜日はどうがんばっても更新できないとおもいます!

 もし更新してたら奇跡が起きたと思ってください!



 いつも応援ありがとうございます!

 とうとうこの作品(略称なんかいいのあったら教えて)も50話突破しました。

 ひとえに皆さんの応援のおかげです。

 沢山のコメントとかももらえてとてもモチベになっています!

 これからも星とか応援よろしくお願いします!

 これからも応援よろしくお願いします!!


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