第36話 二人お揃いの傷
ぶらぶらとウインドショッピングをしながら見たい店を探していく。
ビルにはアパレルショップや、アクセサリー、ランジェリーショップ、可愛い小物を売ってる雑貨屋、化粧品、などなど様々な店がある。
「本当にいろんな店ある」
しかもそのほとんどが入ったことない感じ。
なんか恐れ多いんだよな~、ああいうところ入るの。
主に入った瞬間、店員が詰めてくるから。
もう来た瞬間、気配察知して逃げちゃうもん、それくらいには苦手。ゆっくり選ばせてほしい。
でもかすみに見合う彼氏になるためにはファッションとかも気にした方いいのかな?
「……ファッション気になる?」
「うーん、そうだね」
「……微妙に違う感じ、あ、私のため、とか?」
……えっ?!
なんでばれた?
「あー、まぁかすみの隣にいておかしくないくらいにはなりたいな、って」
「……たくみっ」
「俺あんまファッションとかわからないからさ、コーディネートしてくれない?」
「うん任して!私以外誰もたくみを見向きもしないような感じにするから!」
え、それ、俺奇抜な人になるんじゃない?
てかかすみの隣がやばい人って見合う云々の話じゃなくなる気も……
「ぶ、無難なのがいいなぁ……」
「安心して冗談だから、でも普通にしててもたくみはかっこいいからさ、じゃとりあえずいこっか」
そうして連れていかれた先。
それは……
「ユニクロン?」
「そ、ユニクロン!」
「ここでいいの?あのブランドとかは?」
「うーんそれでもいいんだけど、ファッションの流行をたくみは追いかけないタイプでしょ?だからユニクロンは無難ではやりも少なく長く着れるからいいのよ~」
「……ずぼらな俺のことをよくわかってらっしゃる」
「そりゃ彼女ですから!」
むふんとその豊満な胸をはるかすみ。
そのまま服を選びに行き始める。
彼女ですから、彼女ですから、彼女ですから。
その言葉が俺の中で反復する。
「うん好きだ」
「……ふぇ?」
白いTシャツを持ってきたかすみが固まった。
「あ。」
「……不意打ち禁止!」
もうッ?!って言ってシャツ数枚と黒のスキニーパンツなどいくつか持ってきたのを押し付けてくる。
「ほら着てきて!」
かすみの顔が赤いのは多分気のせいじゃないだろう。
「たくみのスタンスにあうのはシンプルイズベストだね」
無地のTシャツにスキニーパンツ。
それをちょうどいいサイズのものを着るだけで清潔感も出るらしい。
あとワンポイントなんかこだわりでもいれればいいんだよとはかすみ談。
だから俺は気づいた。
これかすみに選んでくれたものを着れば、かすみ好みにもなるし、変な見た目にもならない、と。
「それだと私から離れられなくなるよ?」
「んじゃ問題ないね」
「……ふふそうだね、じゃああなた専属のスタイリストになってあげる、クーリングオフなしの永年契約ね?」
そんな小悪魔みたいに笑うかすみ。
うん、愛してる。
そのままスタイリストの言うように服をいくつか買って、その流れで来たのはアクセサリーショップ。
ネックレスとかイヤリングとか色々ある店。
「そういえばかすみってピアス開けてないよね~」
「そうだね、開けてみてもいいかなって思ってたんだけど、機会がなくて、そろそろ開けようかな~って、でも痛そうだし悩むのよね。でも可愛いデザイン多いのはピアスなんだよな~」
めっちゃかすみが悩んでる。
でも確かにピアスの方がイヤリングより種類も豊富な気がする。
あ、なら
「……じゃあ一緒にあけてみる?」
「……え?……何を?」
「だからピアス」
「え?いいの?目立たない?」
「ん-そうかな?髪で隠れるし、大丈夫かなって」
校則とかも大丈夫だろきっと、女子もつけてる人いるし、相沢とか。
「かすみと同じ経験を同じタイミングで出来る、なんかじゃん?」
「……拗らせてるねぇ、でもそれを嬉しいって思っちゃう私も同じか。じゃ一緒に傷、つけよっか。 あ、どうせならペアピアスってのもあるし買ってみる?」
「……ペアピアス?」
それはいったいなんぞや。
「ペアピアスは主張しすぎないで、でもお互いの存在をささやかに主張出来て人気なんですよ、起源はヨーロッパなんですけどね~」
とうまいタイミングで店員さんがフォローを入れてくれる。
で、どうやら男性は左耳、女性は右耳につけるそう。
「なんかいいのあった?」
「そうね~、一つあったかな~」
「お、奇遇だね、俺」
そして選んだのは二人して同じピアス。
ふたつのピアスを並べると、ハートが現れるシルバーのピアス。
1個ずつだとツタが流れるようなデザインで単体でも使えるというもの。
それを二人そろって購入し、軽くぶらついてかすみの家へ。
そのまま二人一緒に冷やして消毒してピアスを開ける。
「痛いねこれ」
「うん普通に痛い」
俺は左耳にかすみは右耳に。
お互いのピアスが髪を分けると見える。
「なんかいいね、遠くでも繋がってられる気がする」
「それは俺も」
2人して見つめ合い、そのまま流れるように唇を合わせる。
「せっかく近くにいるんだから直接つながるのもありだと思うけどどう?」
「……つまりやりたいんだぁ?」
「……まぁ簡単に言うと」
「奇遇だね、私もなんだ」
今日の夜はいつも以上に、お昼我慢した分もあって激しくお互いを朝まで欲していた。
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いちゃラブ回2回目!!
お互いに傷をつけ合う……性癖です!
週末だぁぁぁぁ!!
金曜日いえい!!!
深夜3時に寝て朝6時起きって一週間だから今めっちゃハイテンションです!!
ふぉぉぉぉおぉぉx!!!
さて。
いつも応援ありがとうございます。
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星とか、フォローとかありがたい限りです。
あといつも言ってますが、感想とかも拝見してますので、嬉しいお言葉ありがとうございます!!
ではでは。
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