第27話 放課後メルティータイムとお義母さんからの連絡

「ただいま!!」

「おかえり~」


玄関を開けた瞬間にパタパタと迎えに来てくれる。

家に帰ればうっすらと化粧をしたかすみの姿。


あぁ、無駄にストレスのかかった高校生活が癒されるぅぅ。


「早かったね、まだ4時になったかどうかというところだよ?」

「そりゃかすみが家にいるとなれば、早く帰るよ」


これが新婚の気持ちか。


1人の時は、本屋に言ったり図書館にいったり、勉強したり。

帰宅するのが19時とかもざらだった。

それが今じゃ4時過ぎ。


自習したり、あと目立ちたくないってのもあって教室を出るのも最後の方が多かった。

てかほとんどそうかも?


もうそんな周りの目など、今日はどうでもよかった。

前は周りの眼も気にするときもあったが、もう気にしない。

この1週間で本当に考え方が90度くらい変わった。


変えた結果、今までしなかった放課後ダッシュ決めちゃったもん。


担任が教室を出る前のダッシュ。

放課後話をしたそうにしていた、真希のフレンズも啞然としていた気がする。


そりゃそうだ。

全力で教室を出ていくんだもん、しかも意気揚々と。

驚かないほうが難しい。


でもしょうがないよね、愛しの女神が待ってるんだもん。

もう登校中から帰りたかったし。


「おー嬉しい事言うね~」


かすみがぐりぐりと胸をつついてくる。


「じゃ、定番のやついきますか~」


定番の……やつ?

なんだそりゃ。


「ちょっと早いけど、ご飯にする? お風呂にする? それとも~……」


かすみはあざとく前かがみで上目遣いをして、自身の豊満な胸をその谷間でこれでもかと主張し、


「わ・た・し?」


とどめにはちゅっと投げキッス。

ふっ、だれがこんな見え見えの誘惑にひっかかるか。

というかだれだこんな事教えたのは。


「そんなのもちろん……」

「……やっぱきつい、かな?」

「かすみをいただくにきまってるだろ!!」

「効果抜群だったか~」


たはは~と笑うかすみ。

そんなかすみをぎゅっと抱きしめる。


「ん~っ」


おもいっきりかすみの匂いに鼻をうずめる。

甘く、シャンプーの匂いもほのかに感じる。

つまり、非常にいい匂い。


「安らぐ~」

「……んっ?!もうくすぐったいよ~、んじゃ」


スンスンとかすみも匂いを嗅ぎ始める。

嗅ぎ始める?!


「外に行ったし汗もかいたから、ってごめん俺汚いじゃん!」


シャワーを浴びてからすればよかった。


「ごめんかすみ」

「気にしないでいいよ、というかこれはこれでたくみの匂いがして……えへへ」


なんかかすみも大概かも。

お互いに互いの香りを満喫して数分。


もうね我慢できなくなってきた。


「かすみ?」

「うーん?」

「もう、いいよね?頂いても」

「え~、せめてシャワーを」

「ううん、このまま」

「もうっ、しょうがないな~じゃあ」


そうして二人はそのままとろけ合うように――


ぴろん。

びりりりり。


同時に別のスマホが鳴る。


「あ」

「……ん?」

「ごめーん、私もう少しで5限の授業あったんだった、忘れてた」

「むむむぅ」

「そんなむくれないのー、あとでたっぷりイチャイチャしよ?」

「……うむ」


全くしょうがないんだから、と

かすみは俺の顎をくいっと持ち上げ、キスをしてくる。


「……ん、んむっ?!」


いつもの軽いキスと思ったら、ディープな、芯がつながるようなそんなとろけるようなフレンチキス。

永遠にも思える数十秒が過ぎ、最後に優しくキスをかすみがする。


「……行ってくるね、んじゃ夜までによーく溜めておくように」


そういって、かすみはパソコンの電源を入れ始める。


またか、またなのか。

じゃあ

でもまぁしゃあなし。

俺もかすみも根本的には二人一緒でずっといたい。

でもお互いの足を引っ張るわけには行かない。


俺らがしたいのは高めあう共依存の関係。

決して甘くずるずると落ちたいわけじゃない。

……ま、まぁそれはそれでありかもしれないし興味もあるけどけども。


俺は未来に生きるって決めたから。


「……にしても!」


良いトコロで邪魔が入った。

アラームはまぁしょうがない。

でもあのぴこんて何?

誰?


スマホを見れば光ってるのは自分の。

ラインか。


通知を見れば差出人は亜衣。


『なんで今日は帰ったの?あし……』


なんだ催促かよ。

話すことは無いって言ってんのに。


というかかすみとの時間を邪魔されたのが1番むかつく。

半分八つ当たりなのは分かってるが。


なのでトーク欄から亜衣のトークを未読のまま削除。

ついでに通知もオフ。

流石にブロックはしない、今後クラスの連絡とかで使うかもしれんし。

今は、だけど。



「しょうがない、勉強しておくか」



今日の分と大学の過去問を勉強する。



「あー早く一緒にいちゃこらしたいなぁ」


そんな雑念を振り払い、集中して勉強した。


「そういえば今日真希学校に来た?」

「ううん今日は来てないよ、代わりに真希の友達が俺のとこきた」

「へ~」


ご飯を食べながらの雑談。

俺にとってはどうでもいい話題。

でもかすみにとっては少し気になるだろうから話す。


「友達はなんて言ってた?」

「ん、しらない」

「知らない?って?え?」

「だって話してないもん、今日の放課後話あるって言ってたけどダッシュで帰ったから」

「おー、豪快だぁ」

「かすみは真希に連絡する?」

「まだしないなぁ」


たった1日休んだだけだし、反省の期間も必要でしょ、と。

猛省すべきだよ。


といつになく厳しいかすみの言。


家族だからなのかもな。

そこにどこか愛を感じるのは。


じゃぁ俺は母さんにもしあったらなんていうべきなのか。


怒りか。

悲しみか。

はたまた呆れか。


今はまだわからない。


とりあえず


「風呂入ろ」

「お風呂?」

「……あー~そういう」


かすみはすぐに意図を察したらしい。


「我慢の限界だァ」


そう、ここまでずっと我慢して来たのだ。

もう開放してもいいだろう。


「じゃいこっか」


もちろんその夜は、学校に行っていた間のかすみ不足を補うようにひたすら求め合った。


そして翌日もその翌日も真希は学校に来なかった。



『巧君、久しぶり。 相談したいことがあるの』


そうして真希が休み始めてから三日目。

連絡が来たのは真希の母親だった。


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かすみ甘々回と、前回も出てきた母親の再登場でした。


いつも星とかありがとうございます!!

モチベになりまくってます!!

週刊ランキングもじわりじわりと上がっててびっくりです。

後、感想とかも目を通してます、返せてないだけなのでご容赦を

誤字脱字とか助かってます!!

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