第25話 ギャルの生態


 登校して下駄箱を開くと中には1枚の紙。

 中身は……


『昨日のことで話をしたいの、放課後屋上で 沙里』



 ……真希の友達か。

 はぁまためんどいことになったな。

しかもまた手紙とは古いな、ラインとかで連絡してくればいいものを。


「なんかあった~?」


ひょこと相沢が顔を出す。


「何でもないよ、んじゃいこうか、って…………あ。」


そう言えば……


「相沢だけ先に教室行った方がいいかもな」

「え?なんで?」

「んー、今真希と色々あってややこしい状況になっているから、相沢が巻き込まれちゃうかもしれないからさ、それは申し訳ないし」


最悪真希を弄んだみたいに言われる可能性もある。

そんな時に別のギャルと登校してきたら、いい眼では見られないだろう。

考えすぎかもしれないけど。


「なーる、男女間のいざこざってやつかーい?」

「んー、似て非なりって感じ?」

「つまり違う、ってことだよね?!」

「んまぁそう言うこと!ま、いろいろあるんす!」


そんなにこの件は突っ込まれたくないし。


「年頃の高校生だもんね~、んじゃいこ?」

「うん……て、え?……話聞いてた?」

「うん聞いてたけど」

「じゃあ」

「私そう言うの気にしないし~、それにそんなの二人の問題っしょ?私は私の話したい人と話すの、だから気にせずいこー」


こ、このギャル強い。

自分を持ってらっしゃる。


「そ、そうなん?」

「うん!私も私の友達も気にしなーい、唯我独尊!的な?」

「どこの覇王だよ」

『わが生涯に一片の悔いなしっ!!』


声を低くして某ラオウに寄せにいってる。


「こういうネタも通じるんだ」


ギャルって勝手に渋谷とかでパリピしてるイメージだった。


「全然好きだよ~、漫画とかサブカルとか」

「へー意外」

「家では意外とゲームとかもするんよー?FPSとか色々ねん」


なんか意外だ。

ギャルってだけでこわそうって思ってたけど、ギャップあるんだな。

見た目がすべてじゃない、か。


「ゲームかぁ今度俺も……ってあれ?そういうのやってるから勉強――」

「――それ以上はいけない!」


そんな風に話をすればいつもの教室。

俺一人なら教室に入るのに逡巡して、一旦トイレとか挟んでたかもしれない。

でも今回は違う。


「おっはよー!」


相沢が何も躊躇せず入っていった。

まぁ相沢にはそもそも何も躊躇する必要もないんだけど。


「おはー」

「ういーっす」

「おは、っておよ?」

「珍しい組み合わせだ~成瀬君と一緒なんて」


やばいクラスの陽気な奴らに囲まれた。


「たまたま登校中で一緒になってねん、あんま話したことないな~と思って来たの!!」

「してお眼鏡には?」

「ちょっと何その言い方~でも面白くていい人だった!」


本人の前で品評会始めないでくれ。

気まずすぎる。


「ちょっとエミ、成瀬君が気まずそうだよー」

「あーごめんごめんゆるして?」

「……もう勉強教えない」

「それはマジで勘弁して、この通り!」


拝み倒す相沢。

朝からほんと元気だ。


「冗談だよ、教える教える」

「サンキュー」


いいなぁとか、俺も俺もとか聞こえる気がするがもうしらん。


「だーめ巧君は私に教えてくれるんだからー!」

「暇な時ならだれでも教えるよ」


暇な時ならね。

放課後はかすみとの時間があるから別だけど。


「ふられてやんの~」

「うっさい!」


クラスはいつも通り。

いや俺が輪に入ってるからイレギュラーっちゃそうだけど雰囲気悪く無し。


あいつらも言いふらしたりはしてないらしい。


そんあ風に考えていれば、ちょうどよく担任が来てHRが始まる。


「あーっときょうの休みは……佐倉か、珍しいねここ最近は成瀬も休んでたし。まぁあとは全員いるっと、んじゃ始めるよ~」


陽気なクラスメイト達に囲まれて、見えなかったが真希は休みか。

十中八九昨日の件が原因だろう、真希の友達の茅野沙里と上野亜衣がこちらを何とも言えない目線で見てるし。


「……あ、巧君」

「……ん?」

「連絡先教えてよ、いままで知らなかったのが逆に衝撃だけど、宿題とか聞きたいかもだし」

「あ~いいよ、すぐには返せないかもだけど」

「いよいよー!私もまめな方じゃないし」


ラインのQRコードをみせ、相沢が登録してくれる。


「んじゃよろ!」


ブブっと着信がなると、同性のVtuberのアイコンと同時に『藍沢しか勝たん』の名前。


ちょっとこの子独特過ぎないか。


藍沢しか勝たん:( `・∀・´)ノヨロシク


スタンプで返信する。

と言うか名前変えておこ、絶対わかんなくなる。

えーっと『ゆるふわギャル相沢』と、よし。


って他にも何件かトーク来てる。


かすみん:浮気はダメだぞ?


いやこわ。してないから!!


Takumiii:『しないよそんなこと!

かすみん:『知ってる笑』


全くもう。

っとあともう一件、これは昨日か。

ん?友達じゃない奴からだ。


Sari:『いきなりごめん。真希から連絡先を聞いたの、今日のことを聞いて誤解がありそうだから話がしたいの、明日放課後屋上に来て』


これはあれか茅野沙里か。

あー俺が連絡返さないから手紙入れたのね。


あーうん、連絡来てたぁぁぁぁ!

そりゃそうだ、手紙なんて古臭いとおもったもん。


送られてきたこの時間はかすみと楽しんでた時間だな。

なるほど、そりゃ気づかん。


内容はへー誤解ね。

誤解、か。

で、こいつらはなんなの?


だから簡潔に俺は返信した。


Takumiii:『すまない気付かなかった。今日の件だが俺から話したいことは何もないから行く気もない』


全てを返信し終えると、俺は授業に集中した。

放課後なるべく勉強しなくてもいいように、すべてを叩き込むつもりで。


そして来る放課後。

俺は一目散に我が女神の待つ家へとダッシュした。


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みなさん腰の御心配ありがとうございます。

少し良くなった気がしなくもないです。


次回ー真希フレンドはどうするのか


あと相沢エミの名前が相崎になってた箇所あったので修正しました。


いつも星とかありがとうございます!!

モチベになりまくってます!!

後、感想とかも目を通してます、返せてないだけなのでご容赦を返せるときに……

誤字脱字とか助かってます!!



Ps.今週長い。








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