第24話 かすみサキュバスと真希フレンズ

「おはよ」

「……おはよ」


 軽く頬にキスしてくるかすみ。

 心地いい。


 でもそれでも眠いめっちゃ眠い。

 なんならより眠気が強くなった。


「ん-」

「ちょっと胸に抱き着いて寝ようとしないで!、起きないと遅刻するよ~てかもう遅刻だよ~」


 もっと寝たい、学校行きたくない。

 埋もれてたい。


「…………今、何時?」

「……8時半」


 はちじはん、8時半……8時半っ!?


「えっ!?まじ?」


 やば!?完全に遅刻じゃん!!

 いや8時半はもう無理か。

 とりあえず担任に電話して……二度寝しよ。

 もう遅れたならどれだけ遅れても変わらんもん。


 俺の寝ぼけた頭で最善の結論をたたき出し、実行しようとしたところで……


「ううん、う・そ‪‪♡」

「……嘘かい!!」


 俺の一瞬のドキィッを返して!!


「でもそうでも言わないと一生胸に埋まってそうだし~」

「まぁそれは否定できないけども……」

「ほーんとおっぱい大好きだよね~このえろがきぃ」


にやけ顔のかすみ。

でもここは声を大にして言わないと!


「男はみんな大好きだから、恥ずかしくない!!」

「わー、男らしく言ったね。一緒に君のきみも男らしくなってるけど。これが朝特有のやつかな?」


 ふぅ、俺の心と体は一致してるみたい。


「ちょっとしたら落ち着くのでお待ちを」

「んーどうしようかなぁ?」


 まずい、かすみの顔が小悪魔みたいな笑顔を浮かべている。


「昨日はたくみとやってから調子いいし、朝の一発目いっちゃおうかな?」


 かな?とか言ってにじり寄ってきてるやん。

 さ、最高だけどこ、こわいぃぃ。


「ほ、ほら時間時間が……」

「まだ7時だからだいじょーぶでしょ?」


 俺の家とかすみの家は登校距離がほとんど変わらない。

 つまりどれぐらいに行けば遅刻しないかが把握されてる。

 もう俺に逃げ場はない……幸せなことだけど。


 本当にサキュバスかもしれない、かすみの体力が無尽蔵だ。


 そんなことをして健康管理をされ、ベッドを抜けると、朝ご飯が用意されてて。


 ご飯にみそ汁に目玉焼きにサラダ。

 目玉焼きにはかけるのは何か論争はよく聞くが俺は王道のめんつゆ派。


 半熟でつくられ、めんつゆも用意されていて……


「俺このままだとかすみがいないと生きていけない身体にされそう」


 本気でそう思った。

 それを聞いたかすみはと言うと、


「たくみを私がいないと生きていけない身体に調教してるんだよ?」


 と笑顔で言ってた。

 計画的だったのかこれ!


「女性は計算高い生き物だから、誰しもが少なくとも何かしら計算してるもんだよ?」

「……え、こわい」


「たくみには料理も洗濯も掃除も何でもできるお姉さんがいるので大丈夫!」


 かすみ姉さん一生ついいていきます!!

 それはそれとしても……


「掃除は出来ないでしょ」

「……見逃してくれてもいいと思うな~」


 そんな風に穏やかな朝を過ごせば……。


「時間大丈夫そ?」

「8時、そろそろ行こうかな」

「うん頑張ってね、かすみはどする、今日はうちいるでしょ?鍵預けていい?」

「……逆に預けていいの?」

「うん、2個あるし、それにその、なんていうかあー信頼?してるし?」


 なんか恥ずかしいなこういうの。


「……えへへありがと、じゃあまた後で行ってらっしゃい」

「行ってきます」


 ドアを出ようとして、クイクイと袖を引っ張られる。


「ん?」


 チュッ。

 と唇に柔らかい感触。


「……え?」

「行ってらっしゃいのキス」


 唇をぺろりと舐める仕草がもうなんていうか。


「早く帰ってきてね?」

「もちろん!」


 HR終わったら絶対にダッシュで帰ろうと決意した。


 いつもの登下校。

 違うのは、意気揚々とした俺のテンション。


(かすみの朝のあれはやばいな、新妻感が半端なかった)


 登校してもいないのに、昨日とは別の意味で帰りたくてたまらない。

 そんな風に歩いて、学校に向かう。


「おはよ!」


 なんか元気な声が聞こえる。誰かが誰かに出会ったんだろう。

 いいねぇ、一緒に登校できる友達いるって。

 あ、かすみに鍵渡したこと親父に言わないと。

 まぁ前真希に渡そうと母さんもしてたからいいだろきっと。


「おはよ!」


 お、三人目か。

 俺の周りで友達の輪が広がってく。

 まぁ俺も友達いない訳じゃないけどね。

 てかなんか聞いたことある声だ。


「むむむぅ、巧君おはよ!」


 巧君?


「……あ、おれか?」

「そう!」


 後ろを見れば隣の席のあの子。


「ああ、相沢か。ごめんごめんてっきり別の人に話しかけてるのかと思ってた」

「もう、隣の席のよしみでしょー?」

「すまんすまん、意識になくてさ、今登校?」

「うん!巧君も?」

「そそ」

「いつもより遅いね、いっつも教室に先に来て勉強してるイメージなのに!」


 そうだったな、死ぬ気で勉強してた。

 というかそれ以外やることもなくて。


「それか真希ちゃんと登校してるか、今日は違うの?」


 真希か……。


「いつも一緒に登校してたわけでもないよ~」

「そかそかぁ、んでさ今日は英語の宿題が出てたわけなんだけど進捗は?」

「普通かなぁ」

「なるほどなるほど……恥を忍んでと言いますか、」


 言いづらそうに相沢はしながら、


「宿題教えて!」


 拝み倒してきた。

 ふわりと甘い香水の匂いが漂ってくる。

 流石ギャル。


「見せてもいいけど相沢のためにならんしな~」


 そう、宿題は自分でやってこそ意味がある。

 恩を売っておいてもいいけど、本当に相沢のためにならんからな~。


「……むぅさっき無視したくせにぃ」

「むぐぐっ、それ言われると弱いっ!、分かったよー」


 まぁ別に見せても俺は損しないし。


「――と言っても巧君の言うことも分かるからたまに勉強教えて? 今回のも自分でやったけど分からなくてさ、教科書とか見ても?って感じだし」


 ちんぷんかんぷん~って首を振る相沢。

 というかなんだろう、勉強するギャル。

 イメージめっちゃ変わる!!

 と言うか偏見で見てたのかもなぁ


「うん、暇な時教えるよ~放課後とかはあんま時間ないから、お昼とかに声かけてよ」

「おっけ!よーしじゃ今日も張り切って学校いこ―!」


 いい子なんだろうけど、さすがにこのテンションはすごいな。


 登校して下駄箱を開くと中に1枚の紙。

 中身は……


『昨日のことで話をしたいの、放課後屋上で 沙里』


 ……真希の友達か。

 はぁまためんどいことになったな。


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 次回、波乱の教室編。


 どうもみなさん、タイヤ交換のためにタイヤ4つ持ったら翌日無事腰を痛めた作者です。

 腰がマジでいたい……かすみさんに癒してもらいたいかもとか思ったり思わなったり。


 いつも応援ありがとうございます。

 星とか、フォローとかありがたい限りです。

 作品のフォロー数も2500人を超え、こんなしょうもない作者にも50人もフォローもついて(´;ω;`)

 あといつも言ってますが、感想とかも拝見してますので、嬉しいお言葉ありがとうございます!!


 それではまた1週間頑張りましょう!1


 ではよい日曜日をお過ごしください。

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