第12話 ありふれた日常を君と
「さて。 ひとまず私たちのすれ違いも解消されたし」
「ムラムラも解消されたし?」
「……そ、それもまあそうだけどゥゥ」
声が小さくなったのは照れたからか。
かわゆい。
「と、とにかく! 今回の目的を果たしましょう!」
「……目的?」
なんかあったっけ。
あぁ、分かった。
「俺らのわだかまりを解消したかったって話ね」
でもそれならさっき解消したような?
「そ私たちのわだかまりはある程度解消できたでしょ! じゃなくて!!」
うずうずと何かを待っているような感じだが、はてさっぱりわからない。
「……わかんない?なら教えてあげましょう!!」
それは、と一息ついてかすみさんは胸を張って言い切った。
「2時間ミステリーよ!!」
胸を張ったと同時にブラをしていないお胸がたゆんと揺れる。
うむ眼福。
というかそういえば、かすみの家に誘う時にいってたな。
てっきりイケメンがお持ち帰りする時の「映画見に来ない?」とか「うちにプロジェクターあるんだ?」とかそんなノリだと思ってた。
どうやら本当だったらしい。
「本当に見るんですか?」
「もちのろん!!結構とりためてるからみよ!!」
ワクワク、ウキウキ、と言った様子のかすみ。
この強引な感じ懐かしいなぁ。
俺が思わず感傷に浸っていると、かすみの顔が少し曇っている。
「……も、もしかして興味なかったり?」
不安そうな顔。
心配しないでほしい、かすみが興味あるものは俺も興味あるから。
「いえいえそんなことは、ただ今まであまりそういうものを見たことが無くて……」
「確かにこういうのって昼の奥様方が見たりするものね、まぁ私は将来のために見てるんだけど!!」
「なんの将来ですか?」
「……えー、専業主婦とか?お料理しながら2時間ドラマとか昼ドラとかよさげじゃない?」
ふむ。
ちょっと想像してみる。
コトコトと鍋で何かを煮込む音。
漂ってくる香りはあまじょっぱい家庭的な味。
お肉も人参もとてもよく煮込まれていて、食欲をそそる。
小皿で味見をしているかすみは裸エプロンで、後ろから見るその姿は正に扇情的。
後ろから回り込んで、俺はブリンっとしたお尻をサラリと撫でる。
「ィヤんッ」
聞こえる嬌声。
怒って、それでも照れたような顔でこちらを振り向く。
「もうっ、料理中は危ないでしょ!!このえろがきっ! そういうのは後にするの!!」
「てことは後でだったらとことんいいと?」
「逆に今日寝られると思わないように!」
「よろしい、ならば戦争だぁぁぁ!!」
開戦!!!!
「うん、素晴らしい。」
「なにが?」
「かすみの新妻姿」
「……っもう!!」
かすみがてれに照れる。
可愛い。
ぐへへ。
でもこんな未来もありかもしれない。
この未来を創るなら俺は……
よし。
「んじゃまぁとりあえずみてみましょうか。2時間ドラマ」
俺のその言葉に眼を一気に輝かせるかすみ。
可愛いかよ(吐血
その後、見はじめました。
法医学教室の事件○○○○。
あんまり知らない俺でも名前くらいは知っている。
主人公の法医学者と刑事の旦那が二人三脚で事件を解決していく物語。
笑いあり、涙あり、ミステリーあり。
2時間ミステリーだからそれはそうか。
うん、普通におもろい。
2時間があっという間に過ぎ去る。
「あー、いいよねこれ。 まだたくみには出来ないだろうけど、平日のみんなが勉強なり働いたりしている中で、怠惰に、いえ、優雅にテレビを見るのは至高なんだよ!!しかもサボりとかなしで!!、これが大学の効率化!!」
なんかかすみが力説してる。
「はは、分かったから2つ目いこ?」
「うん待ってて!!」
満面の笑顔を浮かべ、ソファーでリモコンをカチャカチャいじってる。
視線はテレビに向いていてその瞳は俺には向いていない。
だから俺はそーっと横から後ろに回り込み、かすみを抱きしめる。
「……わっ?!びっくりした!」
でもかすみは俺の巻きついた腕をぎゅっと抱え込むようにする。
「……包み込まれてるみたい、なんか安心する」
「いつまでもはなしたくない」
「……あはは、もう何回きゅん死させるの!!あすなろ抱きやばい!!」
「あすなろ抱き?」
「あー知らない? あすなろ抱き、あすなろ抱きはねかの有名な俳優の、、、」
かすみがあすなろ抱きが何たるかを語っているが。俺は彼女の髪の匂いに包まれ、くらくらしている。
ただただ抱きしめたい。
「……かすみ」
「あ~眼がきまってるねぇ。これはあすなろ抱きの効果、ってこれ聞いてないなぁ。……もうお姉さんだからきみを受け止められるんだぞ? ……おいで?」
かすみに妖艶な笑みで見つめられたら、俺が正気を保てるはずないよね?
気付いたら2作目が解決に向かっていた。
何が起きたか分からず犯人だけを知ってしまった。
俺らが夜の戦争をしている間にどんなドラマがあったんだ。
ー-------------------------------------
日常回いかがです?
2時間ドラマいいよね。
そんな家庭的な趣味のある女子大生いかがですか?
とうとう日間ランキングトップ10に入りました!!!
沢山のフォローと応援ありがとうございます。
また★と感想などいただけてありがたい限りです!!
これからもどしどし感想等お願いします!!
時間ある時に返信できたらします。
よろしゅう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます