第4話 これって始末書もの…ですか?
テレビ画面に立てこもり現場そばの廊下で待機して作戦を練るマリー達が映っていた。
「で、今回のお相手と人数は?」
「二人ですが一人はナイフ持ち、もう一人は銃を所持しています。地獄行きを不服にしているようで、事務員を人質に取られてます」
「相変わらずどこから武器を調達してくるんだか。それに審判結果に駄々こねられてもねえ。と、なると作戦はこうだね。ナイフ持ちは姿勢低くして急速接近して、片手でナイフを持ってる手を上部へずらす。その上腹パンで確保。その間に銃を所持している方を左右から囲んで確保で」
「ではナイフは」
「私が適任でしょ。皆、般若面を被って作戦開始!」
皆、お面を被って手には金棒を構える。
「レディ、ゴー!」
合図と共に部屋へ押し入る。
マリーは作戦通り姿勢を低くしてナイフ持ちへ突進していく。片手でナイフを持つ手を上へ押し上げ、隙をついて相手の腹に拳を繰り出す。
あまりの痛みに前方へ屈んだ相手の両手を背中に回し、どこからか取り出した縄で縛った。
「こちらも確保しました!事務員も無事です!」
「よし!任務完了!さっさと地獄へ送るよ!」
「了解!」
見事な手際の良さに思わず拍手をしそうになった。
しかし、一緒に観ていた隊長達が複雑そうな表情をしている。
「…あれ、肋骨折れたんじゃないか?」
「…相変わらず手加減が苦手だな、あの子」
…捕まえれば良しという訳ではないようだ。
数分後マリーが隊長室に戻ってきた。
「事案は無事に解決しました!」
「…地獄廰から何か言われなかったか?」
「…何もないです!」
「本当か?」
「…実はナイフ所持者にパンチを当てた際に相手に肋骨にヒビを入れちゃったらしくて少し怒られました」
「…明日まで始末書10枚提出。締め切り厳守!」
「…はぁい」
少ししょんぼりしながらマリーは俺を連れて隊長室を後にした。
廊下に出てこちらを向いてマリーが一言。
「…やっちまったな!」
「アンタがだろうが!」
…全く反省していないな、コイツ。
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