本作は作者様の長編『幻想事件簿』の番外編にあたるものですが、これ単体で問題なく読めます。主人公は霊的な存在に取り憑かれてしまったせいで夢を諦めざるをえなくなってしまうわけですが、取り憑かれた事情や真実を知った時、きっと「何故こうなった……」と言いたくなるでしょう。そんな皮肉も人の業も切なる想いも詰まった怪談です。是非。