第19話およー?
俺はまた、妄想しているのか? と思ったがそうではない。
これはリアルだ。
何故なら、俺がツッコんだら普通、消えるからだ。
こぶとりで、小綺麗な商人と奴隷がいる。
奴隷のその首もとには、ナイフが向けられている。
勘弁してくれっ。
空気読んでくださーい。終わった流れだったじゃん。
何で真打ちの、また真打ちが出るのよ?
あたりが出たらもぅ一本。
はいっあたりっー。やったぁー。
っじねぇーよ。全世界の誰もいらないから。
やれやれだぜ。
…………最近こればっか思ってる気が……。
「わ、私は今までの奴らような甘い性格ではない。さぁ、わたしを逃がせ」
ゼフィーは、動こうとはしていない。
先程助けた人はまだ座っている。
いや、あんた何も言わなかったら、逃げれたんじゃ………。
「ゼフィー、今度こそ、何もするなよ」
「わかっておるのじゃっ」
ホントにー??
「逃げたきゃ逃げな。ただ、その人質は解放しろ」
「ば、バカを言うな。こいつらは私の商品だ。それに、背後から打たれたらかなわん」
商人魂、今見せてんじゃねぇよっ。
「なら、お前一人でどうする? その人を盾にして戦うか? ナイフをこっちに向けた瞬間、お前の首から綺麗なトマトジュースをご馳走してやるよ」
俺は人を装備した事があるからね。
実践済みだから……動きも読みやすいよーん。
何にせよ。スキが欲しい。
…………。
お互いに動けない。
その時だった。
「
刃のような鋭い風。
魔法だ。座っていた人が放った物だ。
見事なコントロール。
魔法は商人のナイフを持った手に当たり、ナイフが中に舞う。
捕まっていた人はその場から走り出す。
ちょっと手が痺れたくらいのダメージか?
だが、人質がいなければそれで十分。
俺は即座に駆け出し、腰元のナイフに手をやった。
ザッザッザッザッ。
悪徳商人さん、血のシャンパンといこうぜっ。
「避けるのじゃ」
ドヒュッン。
「わっ、ちょっちょ」
何とか黒炎をよけ……。
「ジャグァぁーーー」
ブォォーーー。
…………親玉の消滅を確認しました。
あっぶねぇーって。お、俺の出番は? どこん?
ちょっと格好いい台詞、いっちゃったじゃん。
恥ずかしいやつじゃん。
ねんのため。かくにーん始めっ。
前後、よーしっ。
左右、確認よーしっ。
敵勢、見当たりません。
うむっ。ごくろうであった。
これより警戒体制を解く。
……やはり、あやつで最後だったか。
お、俺達のー勝利だッー。
俺だけ、何もしてないけど…………。
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