第14話本勇者ようぎしゃ

 

 こちら、現場の女記者です。

 今拘束された、元勇者がギルドに搬送されたようです。


 元勇者である、アルス容疑者は幼女に対し、

「お、お嬢ちゃん、デヘヘッおうちはどこかなぁー?はぁはぁ」

 と言う発言を繰り返ししており、その後、幼女に対し

ピーーーーーー。


 おいッ。ピーじゃねーよっ。何もしてねぇ。

 記者の言い方よ、悪意しか感じねぇよ。

 それに俺は繰り返し言ってないやーい。



「何をほうけておるのじゃ?」


 はっ…………。

 俺はまた、よからぬ妄想を……。


「あのー魔竜さん。悪いけど、結婚は出来ない」

「なぜじゃ?わらわの何が不満じゃ?」


 まじまじと上から下まで見てみるも……。


「魔竜さん。幼女だもん」

「幼女?わらわはもう五百年はゆうに生きておるぞ?」

「うん。まずね。そう見えないよね」

「なるほど。この姿が問題と言う訳じゃな」


 んっ?えっ?

 変えれるの?

 ならアリか?

 今の姿が大人になるんでしょ?アリよりのアリか?

 でも見た目人っぽいけど、人じゃないからなぁー。


「悪いが、今すぐ姿を変えるのは無理じゃ」

「さ、さようですか」

「だが、神力しんりょくが戻ればそれも容易たやすかろう」


 はい???

 神力って、魔竜さんあなた国で一番の討伐対象でしたよ。

 神と魔って真逆だよね。


「勇者よ。わらわがいた山を覚えているか?」

「はい。ヌレヌレール山です」


「あそこの魔素まそや魔力をわらわはずっと人の為に食べておったのじゃ。それがいつしか厄災の山の原因と言われて、最後はおぬしに討伐されたと言う訳じゃ」


 えぇーっ。

 な、なんかすみませんっ。

 おいおぃ、俺神殺しじゃん。

 いや、いちよう生きてるから神殺し未遂?


「昔はわらわを神として崇めておった人らも、もうおらぬがな」

…………。


 俺は幼女に手を差し出しだ。


「なら、また崇めて貰おう。どうやっていいかわからないけど、これから俺は、魔竜を崇めるよ」


 勇者が神を殺しかけたなんて笑えないよっ。

 死んだ時大丈夫かぁ?俺のパーティーは。

 マリアンも何で気付かないんだよ。

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