第13話ロリはローリングドラゴン
目の前に巨大な魔力を持つ、知らない幼女が現れた。
まだだいぶ距離はある。
さぁ、元勇者よ。君ならどうする。
こうげき
ほっぺをぷにぷに
なでなで
ペロペロ
→ブヒヒッ。お嬢ちゃん、デヘヘッ、おうちはどこかなぁー?
おいッ。俺の選択肢よ。もぅちょっとあるだろ。
よし、深呼吸。ブヒヒッをのけて言おう。
幼女は手のひらをこちらに向ける。
「お、お嬢ちゃん、デヘヘッ、おうちはどこかなぁー?」
手のひらから、すぐさま黒炎の塊が飛んでくる。
黒炎は俺の横を通り過ぎた。
ブヒヒッのインパクトのせいで、デヘヘッをいれちったぜ。
ドボッーーーーーッ。
「わらわを覚えておらぬのか?勇者よ」
「お、俺は勇者じゃないよ」
背中が暖かい事には慣れている。
見ないほうがいぃな。うん。
それに俺は、元、元勇者でーす。テヘッ。
「俺はこんな黒炎なんて、魔竜の時に見たぐらいだぞ」
またも黒炎が飛んでくるが横っ飛びで何とか避ける。
本気で狙ってきやがった。
「覚えているではないかぁー」
「いや、何をよ?」
「わ、わらわが、魔竜じゃーー」
渾身のじゃー。がこだまする。
…………。
討伐した魔竜が幼女ってどう言う事よ?
「えーと、転生したら幼女だった的な?」
「わらわは死んでおらんは」
はい???
「魔竜は勇者が討伐したよね?」
「肉体はな。心臓となる魔石はなかったであろうに」
…………。
んな事、知らねーよっ。死ぬ時?蒸発して見えなかったよ。
「で、仕返しに来たと?」
「わらわは言ったぞっ。こう言っただろう。強きものよ、わらわは覚えておるぞ。覚えておるからなと」
…………?
「で、仕返しに来たと?」
…………。
「いやいや、おぬしがわらわを覚えてないと思って、ちよっと頭に血が上ってしまったのじゃ」
「幼女の姿でわぁー魔竜だー久しぶりだなぁって思わないぞ。で、要件はなんだ。元勇者としてい、ち、よ、う、聞いてやる」
「うむ。話がはやいな。わらわより強かったのはおぬしだけなのじゃ。だからおぬし、わらわと結婚し、子をつくるのじゃ」
ダメーーーーー。絶対。おとーちゃんは許しませんよっ。
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