第8話 愉悦部、愉悦して!?


D: エース君は無事だろうか……



D: おーい!エース君!生きてるか―?…って、うわっ、どうした!?何があった!?過労か?寝不足か?食あたりか?それとも人生に絶望したのか?


A: ……強いて言うなら全部です


D: お、おう。まぁ、元気出せ?


A: 無理です。嫌です。絶望します。どうせ俺たちの努力の結晶は狩人の演出と同じようにデータの海に消える定めにあるんだ!


D: い、いや。諦めるにはまだ早いぞ。運よくパンドライベントが大会までに終わる可能性も…


A: ないです。あれはそんなに早く終わりません。


D: いや、その、ほら、猫の手が借りられれば…


A: 気まぐれな猫を頼りになんてできません


D: ………


A: 俺たちの数か月……


D: ほ、ほら。今回のを流用して第二回を開催しよう。そうすれば無駄にはならないだろう?


A: どうせ次も邪魔される……


D: いや、まぁ…希望を持て?


A: 俺…次からは象さんに関わるイベントには携わりたくないです


D: 象さんは活動的だからなぁ。それなら、この機会に一度、保守にでも…


A: 俺まだ死にたくないです。C先輩とかいつも死にそうな顔してるじゃないですか


D: なら、ナビゲーター関係の……


A: 俺に愉悦部でやっていく自信はないです


D: いや、お前にも愉悦の才能はあるぞ


A: …愉悦部は愉悦部のふりしたマゾヒスト集団なんで。今だって、パンドラのイベント考えて、慌てふためくプレイヤー想像して愉悦してたのに、発動のトリガーはナビさんまかせにしたせいで、調整で泣いてるじゃないですか。


D: 良く知ってるな


A: さっき、愉悦部のU君が血吐きそうな顔で謝りに来ました


D: そうか…


A: あいつら、肝心なところをAI任せにするんで、毎回、イベント発生と同時に発狂してますよ


D: 愉悦部、愉悦して!?


A: 俺はマゾヒストじゃないんで向いてないと思います


D: なら、象さん係としてあれに振り回されるしかないな


A: どこでも地獄ってことですか?奴に振り回されない方法はないんですか?


D: ない


A: 絶望した!この世のすべてに絶望した……!



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