第3話 君といた部屋Ⅲ

「君といた部屋Ⅲ」


お互い自分の家がある

それでも一緒に過ごしたい

一緒に帰る場所がある

ただそれだけでときめいた


小さな狭いワンルーム

奥に小さな窓一つ

ベッドは一つ備え付け

バスユニットもミニサイズ


一緒に暮らすわけじゃない

毎日過ごすわけじゃない

それでも二人週末は

どんなときでも帰る部屋


小さなテレビは備え付け

レンジにエアコン冷蔵庫

モニター照明冷蔵庫

布団を買えばすぐ住める


初めて過ごした土曜日は

なぜか嬉しい秘密基地

ナイターつけてビール飲む

二人はまるで夫婦仲


夕食どうする食べに出る?

今日はこの部屋で初夕げ

ピザの宅配頼むけど

とっさに言えないこの住所


小さなテーブル ピザ並べ

コーラとサラダで夕食だ

少し休んで散歩して

初めてお風呂の入ったね


肩を寄せ合いテレビ見て

パジャマ姿の君と僕

そろそろ片付け寝る用意

一組の布団に寄り添って

話つきない夜過ごす



初めて一緒に泊まったには四月の中旬の土曜日だった

なぜか懐かしい景色のアパートの部屋だった

同じ部屋にいて一緒に過ごす、ただそれだけのことが嬉しかった

一緒に食事をしてテレビを見て、寄り添って眠る、そんなことは

すっかり慣れていたけれど、二人の部屋は新鮮だった

これから先どうなるのだろう、そんなことがふと頭をよぎった

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