第1村人と遭遇
指を3回鳴らして右手だけで閉店ガラガラするとステータスが現れる。
口に出すと音を出してはいけない場所では開けないというクレームがついたためだ。
指は鳴らさなくてもチップを催促するように3回こすり合わせるだけでいいらしい。
開いたステータス画面を見ると流石にレベル1は弱いなと思った。
HPなんて12しかないし、MPは20しかないが大魔法使いスキルのおかげできっとMPは多めなんだろう。
レベル1ではスキルポイント1があるだけなので、
なにかスキルを取りたいと思う。
ステータスウィンドウのページをめくるとスキルツリーが表示された。
今取得できるスキルしか表示されないらしい。
今取れるものは『ファイアアロー』『コールドアロー』『ウィンドアロー』『ストーンアロー』『MP回復速度UP』だった。
最初に『MP回復速度UP』取ってもしょうがないからな、無難に『ファイアアロー』でいいだろう。
そう思ってスキルウィンドウの『ファイアアロー』にタッチした。
試し打ちをしようと思って「ファイアアロー!」と叫んでみたが特になにも起きなかった。
はて、と思い指を3回鳴らして左から引き戸を開けてヘルプを表示させる。
トラブルシューティング:魔法が発動しない
Q:魔法の名前を唱えてもスキルが発動しません
A:魔法にもレベルがあります。
発動にはレベルも同時に指定する必要があります。
なるほど。
「ファイアアローレベル1!」やっぱり何も起きなかった。
Q:魔法の名前を唱えてもスキルが発動しません
A:対象が必要な魔法の場合はターゲットはありますか?
設置型の魔法以外はターゲットが近くにいる必要があります。
ターゲットとなるのは人間、動物、魔物その他魔法生物になります。
木や岩などのオブジェクトはターゲットとして指定することができません。
試し打ちにも相手が必要とは恐れ入った。
街に行こうにも土地勘がないのでヘルプになにかないか見てみると、
地図の表示は左手で指を1回ならして左手で閉店ガラガラ。
北の方に大きめの王都があるようだ。
ステータスを表示したまま歩いているとSTという数値がみるみる減っていった。
最初は15だったのだが、
5を切る頃には息が上がり足が鉛のように重く感じてきた。
なるほど、これがスタミナらしい。
しょうがないので座って回復することにした。
しばらくぼーっとしていると、
「あら、あなた新人さんね」と声をかけられたが姿が見えない。
キョロキョロしていると「上よ、上」と言われたので上を向くと女の人が空を飛んでいた。
女の人はすーっと降りてくると
「ミヤタショウね、ショウって呼んでいい?」と聞いてきた。
美しいというより可愛い外見を全力で作ってきた気合が感じられた。
自己紹介もしていないのに、と思いヘルプを開いて『名前』で検索をする。
Q:他のプレイヤーの名前を表示にするには
A:オプションで『プレイヤー名を表示する』にチェックを入れます。
(シミュレーター認識のないプレイヤーはデフォルトでONになっています。)
-オプションの開き方は左手で○を作ってから右手で指を2回鳴らします。
『プレイヤー名を表示する』にチェックを入れた。
女の子の上にアンナ・フォン・エンゲルハルトと表示された。
フォン! 貴族だ! と心のなかで笑った。
「あら、あなたエンジョイ勢ね。良かった!」と嬉しそうに笑った。
「エンジョイ勢?」と聞くと
そうよね、わからないよねと言って説明をしてくれた。
「シミュレーター認識のないプレイヤーはガチ勢って呼んでて、
メタな話が通じないし、そんなに強くならないし、なぜかガチ勢同士で集まって攻略メインで過ごしてるわね、
シミュレーター認識のあるプレイヤーがエンジョイ勢って呼んでて、あたしらに近い感覚で話せるしゲームだってわかってるからちゃんと攻略してくれて戦力になる
あとは、ダイバー、現実世界でアンドロイドにして端子を脳に接続してダイブインするプレイヤーね、あたしがそうなんだけど、ここで生きてるわけじゃないからエンジョイ勢には敵わない、いや、たまに住んでるような人もいるんだけどさ。
あとはハンドパワー、ま、蔑称ね。
未だにマウスとキーボードで遊んでる人よ、人数は一番多いんだけどね。」
そう言ってアンナは街はあっちよ、と言って歩き出したので、街に行くつもりだったおれもついていく。
「なんだかんだあるんだけど、結局は攻略より縄張り争いばっかりになっちゃって
勢力を広げるためにこうして勧誘してるってわけよ」
「せっかくの統一世界を作っても人は縄張りを作って争ってしまうのか」というと、
「人は過ちを繰り返すってね」とアンナが微笑んだ。
「そういえばさっきの飛んでたのは?」スキルツリーになかった魔法っぽかったので聞いてみた。
「あれはクエストをクリアするともらえる魔法で魔法職じゃなくても使える
それも後で案内するわ」と楽しそうに言っていた。
「アンナは、初心者捕まえてガイドするのが好きな人なんだね」というと
一瞬驚いた顔をしたあとにっこりと微笑んで
「そうよ!」と答えた。
くるくると回りながら「無限の可能性の第1歩にあたしが影響するのよ!」と言っていたが
動きがなんだか古い、昔の映画みたいな?
「そう、おそらく加入すると思うから末永くよろしく頼むよ」というと嬉しそうにがんばろうね!と言った。
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