Apocalypse 一章 「覚醒」

誰しも人の心には闇がある。

どれだけ誠実な人であろうと心に裏は必ず存在する。

あなたの心の中にも多少なりと闇が存在するのです………。


僕は光合 ヒカル、ごく普通の中学2年生だ。

いや、孤児院で育てられたからごく普通ではないか………。

そんな僕は今、目の前で化学で証明できないような事象に遭遇してます。

お母さん、ごめんなさい………。

僕はここで二度と帰れない体になりそうです……。

「うああああああああぁぁぁ!!!!!」

ガキィン……

「あれ、生きてる……?」

「少年、危ないから下がってろ。」

恐る恐る目を開けると、化け物の歯を刀のようなもので抑え込む少女の姿があった……。

頭が混乱してぼーっとしていると、

「なに、ボケっとしている。早く逃げろ!!!!!」

「は、はい……!!!!!」

僕はすぐさま近くの物陰に隠れた。

「さっさと片付けるか。」

少女は化け物を蹴り飛ばすと、刀に気のようなものを溜めて化け物を切りつけた。

すると、化け物はすうっと消えた。

化け物が消えたのを確認するとすぐさまどこかへ行ってしまおうとする。

「ちょっと待って!!!!!」

僕はすかさず彼女を呼び止める。

「なんだ……?」

少女は不機嫌そうにこちらを睨みつける。

「さっきの化け物はなんだ?君は一体……。」

少女は無視して去ろうとする。

「君は光合ヤマト、僕の父親のことを知らないか!!!!?」

「なぜ君が、その名前を知っている……?」

「僕は光合ヤマトの息子の光合ヒカルだ!!!!!」

「なるほど………。そうか、なら私と来い。」

「知りたいことを教えてやる。」

「わかった。」

僕は、ガブリエルと名乗ったその少女と一緒に「Lightning」という国家組織の本部に行った。

「私も君には聞きたいことがたくさんある。まずは所長に会いに行こうか。」

「うん。」

そして、僕は所長と呼ばれる人に会うために所長室まで案内された。

「君が光合ヒカル君か。所長の佐藤ガイアだ。」

「君のお父さんには、Shiningシステムの開発でたくさん助けて貰ったよ……。究極の闇、アポカリプスを封印するために自らの身体を犠牲にして命を落としたがね……。」

「そんなことが……。」

「君には私たちと共に世界にあるバケモノと戦って欲しい。」

「そんな、急に……。」

「無理にとは言わない。ただ、君が加わってくれると君のお父さんに関してより深くわかるかもしれない。」

「分かりました。僕にできるかの保証は出来ませんが、戦います……。」

「所長!!!!!素人に戦場は無理ですよ……。」

「大丈夫だよ。ガブリエル、彼には隠された力がある。」

「隠された……力………?」

「それじゃあ、まずは日頃からパトロールに当たって欲しい。」

と言われながら僕は、所長からトランシーバーを渡される。

「もし、バケモノに遭遇した際にはこのトランシーバーを使ってガブリエルに連絡してくれ。」

「了解!」

「これからよろしくね。」

不機嫌そうに彼女は僕に言った。

「こちらこそ。」

僕は彼女にそう微笑みかけた。


数日後、僕は初めて人の心の闇からバケモノが作り出される光景を見た。

バケモノは近くの公園で遊んでいた、幼い少女に狙いを定めて少女に襲いかかる。

僕は震える足を無理やり前へ前へと動かし、バケモノに向かって突撃した。

「アポカリプス……..。」

バケモノは僕の方を見て怯えていた。

そんなバケモノを気にも止めずにずかずかと近づいていく僕。

バケモノの前に立った瞬間、僕が指パッチンをするとバケモノは苦しみ出した。

僕は苦しむバケモノを見て、僕の意識は途絶えた…….。

目を覚ますと見知らぬ天井があった。

「ここは一体……..。」

「目が覚めたか。ここは病院だ。まったく…….大したものだ。」

「バケモノに単身で突撃して少女を守るなんて、無茶にも程がある…….。」

彼女は少し悲しそうな顔をして、俯いた。

「ごめんな…..。バケモノに襲われそうな少女を見て、居ても立っても居られなくなっちゃった。」

「いくらなんでも無茶しすぎだ馬鹿…….。」

「ごめん…….。」

「まぁそういう男らしい所が好きなんだけどね…….。」

彼女はボソッと何かを言った。

これからヒカルは様々な強敵と戦い、仲間と供にどんな困難も乗り越えていくのだろう。


      

         第一章完

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