第4話 戦略情報
航空の分野にステルスという概念があるが、それのもっと高度なものを
当然ながら熱光学迷彩をまとい、電子的にも影すら出ないような形の偵察機を使うのだ。
当然音も出ない、ソレだけ気を使うのだ戦略偵察というヤツは。
落ちても無人であるため、被害はなくむしろ証拠隠滅の熱焼却が入る勢いで燃えるのだ。
当然一機ではない、複数機同時に使って情報に漏れや抜けが無いようにしなければならないのだ。
魔導式の音紋消却技術も、使用してある。
そして一般以上の術者ですら感知できないような高度から、戦略偵察を行うのだ。
当然自動式であるし、必要と思えば連携して行動するようにもしてあるのだ。
……
戦略偵察は解析のほうにも技術を要する、情報精査と魔導式測定である。
今回も落ちた機体は出なかった、まずまずの結果も出ている。
情報の処理も完璧である、その旨をまとめてからロック様に渡した。
地形データの精細なものを見て、ロック様は頷いた。
ギルドの諜報部門から出てきた、情報と掛け合わせてより精度を増せたようだ。
先制攻撃の準備も着々と進んでいる、そのことをロック様にも話しておいた。
正確には相手を混乱させるためカイラスリーG・CとC・Tに連撃を仕掛け、機材をマヒさせるのだ。
その隙に進入してもらうそういう筋書きになっている。
当然壊すのは機材のみで、人員に被害が出ないように計算され尽くしている。
その意味でも、必要な戦略偵察であったのだ。
カイラスリー近郊の都市群は、そこそこ離れているためにG・CとC・Tの機材に被害が出たら
首都近郊に都市を置かなかった、カイラズ国が悪いとしかいいようがない。
一番近いカイゼル市でも、八千メートル級の山間部を越えた向こう側にしか無いのだから。
ゼムハ市はそういう意味で当てにできない、ひたすら距離が遠いのだ。
近い意味でのキワダ市は、すでに制圧されていて充てにならない。
ペテラネグロ鉱脈にはそういう設備は設置してないし、カイゼル市やゼムハ市よりも遠い。
ペテラネグロ鉱脈は露天掘りの巨大鉱脈ではあるが、現在戦の真っ最中であるため精鋭二百機ですら生ぬるいはずなのだ。
だがペテラネグロ鉱脈に多分送れるだけの増援は出せないはずである、近間にいる私たちの最終確認機位にギルドの部隊が展開しているという噂が流れているハズなのだ。
私たちはペテラネグロ鉱脈に出撃していく敵の側面を突いて崩壊させ、ペテラネグロ鉱脈に行かせないとともにそこで派手に暴れて首都からM・Mの部隊を引っ張り出さねばならない。
その場に陣を敷く、くらいの威力を見せつけねばならないのだ。
そういう意味で陣が張れる場所も、検討対象に入れての戦略偵察であったのだ。
陣が張れる場所は、開けているが台地と化している場所で正面には岩の崖があり適度に左右に岩が分かれて点在する場所だった。
そうこうしているうちに時間は経ち、夕刻に迫った。
作戦は明日の昼頃に出撃するといわれるM・Mの部隊を側面から攻撃し、中破レベルまで追い込むところからがスタートである。
今回はゲン担ぎができないが、致し方ないと思われた。
朝にはギルドの
エクレールの部隊は私の部隊の後方に展開し、抜けようとする機体をシバキ上げてくれるようである。
頼もしい、といえた。
ゲン担ぎはできないと思われたが、ゲンを担ぐことは諦めず粘った結果夕食はカツ丼になった。
そして就寝し、朝を迎えるのではある。
朝イチでギルドのNS-FPTが到着していた、私より早いということは午前四時半前に到着したということなのであろう。
荷の積み込みが始まっていて、近間に神像殿が立ってそれを従者級と一緒に眺めておられたのは印象的だった。
いわゆるお引越しということに他ならないが、ギルディアスという新天地でも宜しくやっていってほしいものである。
朝食も縁起物である鯛が出てきた、お残しはせずに綺麗に食べ切った。
昼食もカツサンドだった。
カイラスリーを昼頃に出るということは、会敵は三時頃になると思われた。
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