第16話 城攻め
もともと負ける気はないのだが、サイファードのフレーム変更改良ができているのが全体の半数であるため若干押しに弱かったのだ。
その押しに弱いところに、私は前線を引いた。
逆に改良が済んでいるところには、私自ら出る必要はないわけである。
逆に私がいることで、姫機がここにいることで弱いという払拭をすることなく逆に強いものとして腹斑家は見たようであった。
それのおかげか私とフォルテに負担はあまりかからずに済んでいるようであった。
そして腹斑家の周辺各国と示し合わせて、前進し始めたのである。
一国で討伐することになると負荷が掛かるからであり、その判断自体には問題がないものと思えた。
各箇所の砦や城を崩壊させて前進し、なるべく民衆に被害が出ないように考慮しながら戦を進めるのも難しいものであった。
そして腹斑家攻略戦最終目標である、腹斑城にあと一歩というところであった。
民衆を盾に使う、ナイツが出てきたのである。
民に爆弾を抱かせ、それを持って人の盾として使うのだ。
危惧すべきことが起きたと思ったが、私は軽やかにそのナイツを圧し折りに行った。
まさか姫機自ら単独で、供も連れずに飛び込んでくるとは思わなかったのだろう。
一瞬躊躇したのが伝わった、そこから先は光速戦闘であった。
その一瞬で十分なのだ、光速戦闘でその人の盾を斬り離しそっと横においてその旗機を斬り刻んだのである。
長大なグレートソードで斬り刻まれた腹斑家の旗機は瞬間に飛んで、ただの屑となった。
そこで私は、言葉にした。
「人の盾を使うものは、今のように屑になってもらうぞ!!」と脅したのである。
それ以降人の盾を使うものは、現れなかった。
そしてそのまま二日侵攻し、腹斑家の城を視界に捉えた。
昔のスタイルの山城で、門扉を完全に閉門し籠城戦の構えであった。
このスタイルの山城の特徴としては、基本的に籠城戦などに適しM・Mを持ってしても門扉がなかなか壊せないことから将の采配次第といわれていたりする。
私は周囲に人里がないことを考慮に入れた上で、ある手法を思いついた。
水攻めである、周囲に大河と呼べるものが数本あるのだ。
それを利用しない手はない、幸いながら周辺に被害が出るような人里もない。
と来れば水攻めである包囲している立花家、六花家、叢雲家、菱垣家、リューデヴァイス皇国の手を借り大河を各地で堰き止めた。
そして腹斑家の山城は一気に堰き止められた大河によって水攻めの様相となり始めたのであった。
水攻めにより一つ目の城壁が水没、二つ目にかかった。
胡坐をかいていたと思われるところへこの状況である、程無くして二つ目の城壁も水攻めにより水没した。
こうなるとM・Mでも迂闊に侵入できないが、古来よりの城落としの方策である。
籠城戦などを考えるから、天守と第三の少し高い城壁しか残らないのである。
ひとつ、いい忘れていた。
M・Mにおいても旗機クラスの機体になると水地や沼地でも平気で侵入できるのである。
この場において雑兵クラスの機体は存在しない、どこの国も旗機以上を出してきている。
私は姫機で突出することを考え始めた、こういう時は一番最初にしなければ意味がないのだ。
二番煎じでは、ダメなのである。
そして私はフォルテと共に姫機に乗って、いの一番にサイファードを率いて突撃を開始したのであった。
水上を滑空し滑るように走る、ファランクスFXとサイファードの集団。
これに続けとばかり、各家の旗機が追随する。
そして腹斑家の敵旗機が、反撃に出ようとした。
だが数がないのか、やはり二の城壁まで沈められたのは痛かったのか数が出てこない。
そこに私たちが、一番槍で飛び込んでいったのだ。
あっという間に天守に肉薄し、私たちと対称に動きの鈍い敵旗機が次々と斬られていった。
そして将の乗る大将機に私は打ちかかり、数撃打ち込んで大将首を跳ね飛ばした。
その瞬間に、勝ちが決まった。
天守からは白旗が上がり、私は大将首を高く掲げた。
大将は擱座している機体の中ですでにこと切れていた、私の打ち込みの二撃目でコクピットを叩き潰していたことが判明したのだ。
一撃目で大将機の太刀を破損させ、三撃目で大将首を
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