第五章 戦場帰り

第13話 戦場帰り

 私は部隊そのものが全滅したことと、嘆願書の件によってどこの部隊にも所属できない状態であった、やむを得ずといっても体が真面に動かないので学業を修めていた。


 エクレールが見舞いに来てくれてもいる、度々こちらの状況を確認しに来るのだ。


 だから私は安心が置けたのであった。


 戦友も大怪我を負ったものはいなかった。


 上がってくる後発の情報のみだが、それでもみなの無事な顔が見れるならと思い戦場に残った。


 とはいえ三日フルに光速戦闘を継続し続けた分の体の変調は治らず、戦場への復帰を諦めかけた頃だった。


 戦場そのものが落ち着いて、一部の余剰部隊が帰還し始めたのであった。


 これを機に私も戦場から帰還すべく動いてみたが、まだ戦っている戦友がいるとのことで情報の収集やできることをまとめて行っていたのであった。


 戦友がすべて引き上げたのを確認すると、エクレールに聞いてみた「エクレールが帰投する日はいつですか? それに合わせて私も帰投しようと思うのですが?」と見舞に来てくれた際に、問いかけたのであった。


「私が帰るのはこの戦乱が終結するときです」と答えたので、「ではそれに合わせましょう、どの道いつでも卒業はできるのですから」と答えたのであった。



 そして仲良く帰還できたのであった、戦場が完全になくなって全ての敵部隊が降伏か全滅したのである。


 その後は調査部隊に任せて引き上げるという手筈であっていた。


 一つ問題は残った、私の体調が回復しなかった事である。


 さすがに三日ぶっ続けの光速戦闘に体が参ってしまって、主に下半身が動かないのである。


 マッサージや適度な治療は続けているし、回復魔法も試して見てはいる。


 だが動かないのだ。


 こればかりは医者も手を上げたのであった。


 つまり医学ではないということなのだろう、でも魔法でもないような気がするのだ、霊医学の可能性があった。


 つまり霊体的に見て大丈夫かどうか何か憑き物が付いているのかどうかといったところであったらしい。


 霊医学の権威は今は国外に出ていて今はいないが、一番弟子になったものがいてその方が、一応見るだけならできるということであったので、診てもらうことにした。


 その結果憑いているものはいないが、光速戦闘の継続によって足の霊力が減っているという結果が出たのであった。


 憑き物のせいではないと分かっただけでも上々であった。


 但し治し方は先生でないとわからないそうである。


 そこは仕方がなかった。


 礼をいって、霊医学の権威が帰り次第、城に来てもらうということで話しは落ち着いた。


 霊医学は分からなくとも、自身も医学の最高位錬金アルケミの設計者であるからして、霊医学の一番弟子のいっていることは分からなくもなかった。


 人の体は、肉体・霊体・存在の三種からできており、三種の後ろに魂魄がいるという説である。


 私の体はそれによると、霊体を著しく損傷したということに他ならない。


 治らないわけではないが、当面歩くことは不可能だろうと思われた。


 私はデータパッドでファランクスの設計図を紐解いた、この前の戦いにおける反省点を踏まえより動かしやすく、強く輝ける機体を作ろうというのである。


 まずデータをコピーし、私のデータパッドに移すところからである。


 その作業を終えると、戦い中に感じた違和感を書き出し始めた。


 ファランクスは良い機体ではあるが、特化された機体では無いので、平均をしっかり上げてある機体になっていた。


 確かに国中の技術者が頭を突き合わせただけのことはある、ただ私の使い方からすると平均ではいけないのだ、やや攻撃寄りにしなくてはいけない。


 しかももともと刀か太刀を使うように調整されているだけあって腕回りも改良が居ると思われた、私の使っているのは大剣それもグレートソード級よりも重い大剣、クレイモアとかツヴァイハンダ―に該当するようなモノを使っているのだ。

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