第16話 震える土、蠢く岩達16  

 


 お姉ちゃん達まで、数メートルの距離に来た時。




 突然、私の十メートルぐらい横を岩人形が物凄いスピードで、




 水切りの様に飛び跳ねて行く。




 さっきの足音みたいな音はこれかーー!!




 しばらく間、跳ねると徐々に勢いが無くなる。




 やがて、完全に岩人形は動かなくなった。




 さすがの岩人形も、すぐには動けそうも無い。




「おー姉ーちゃーん!!」




 お姉ちゃん達に大声で叫ぶ。




「なんで来るのよ!!」




「作戦通りに動け!!」




 二人から、罵声が返って来る。




 でも、どんな時も冷静なラーフィが罵声するなんて珍しい。




「いい加減にしてよ!!もー。」




 二人が言うと、本当にシャレにならない。




 さっきから、二人は私に遠回しで死ねって言ってんのかな?




 二人に恨まれる様な事をした覚えが、無いんだけどなあ。




 もしかして、貧血で倒れた私を二日間、背負っていたこと?




 もしそうなら、大人気ないなあ。




 そんなことを考えてる間に、徐々に空が暗くなって来た。




 まるで、どんよりした雲が空から落ちてくるみたい。




 そういえば、空が暗くなるとロクな目に遭わないなあ。




 塔みたいな腕が生えたり、岩人形が降って来たり。




 そうそう、こんな感じで岩人形が降って来て…………。




 私は空を見て、指を指す手が急に止まる。






 さっき、言った通りに岩人形が降って来た。




 まあ色々疑問があるけど、ここでは当たり前だから良しとしよう。




 今、それが空を覆うくらいだから、少なくとも数百体は居るでしょ?




 なんで、空に数百体の岩人形に居んの?!




 岩人形達は何考えてんの?!そもそも山人形ってのは、反則じゃない!!




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