第15話 震える土、蠢く岩達15



そして、私は意識を失う。 






 んっ…………。




 数分の間、貧血のせいで気を失っていたみたい。




 多分、肉体にかけた能力の反動のせいかな?




 私は肉体に能力を使うと、体に負担が大きくなり、貧血を起こしやすくなる。




 私はゆっくりと立ち上がり、土などの埃を払う。




 私が目覚めた後の数分に、ラーフィが来る。




 さらに、ラーフィに遅れること二~三分して、お姉ちゃんも来る。




「もー、お姉ちゃん!!急に離さないでよ!!死ぬかと思ったじゃない!!」




 私はお姉ちゃんに抗議する。




「たく、さっきから騒々しいわね。少しは落ち着きなさい。」




「たかが、アレくらいの事で喚くな。」




 すると、二人は平然とした顔で私を嗜める。




 私は呆れてものが言えなかった。




 普通は崖から紐なしバンジージャンプしたら、




 誰だって落ち着いてられないよー!!!!




「お遊びはここまでよ。」




「アホ面してないで、さっさと来い。」




 二人はそう言い残すと、その場を急いで離れる。




 まさか、この展開は………。




 後ろを向くと、予想通りに崖から足が生えていた。




 足の大きさは、巨木ぐらいの大きさだった。






 ガン!! ガン!! ガン!! ガン!!






 岩と岩が叩きつける音が、上から聞こえる。




 嫌な予感がしたので、私は二人の後を追う様にその場を離れる。




 しばらく走ると、あの山の様子が気になったので、横目でその様子を伺う。 




 山の頂上付近で見た、塔みたいな腕を胸に打ちつけている。




 まるで、ゴリラが胸を叩く仕草に似ていた。 




 山そのものが岩人形化したみたい。




 山人形(岩人形化した山)は赤ん坊が初めて歩くように、ゆっくりと歩き出す。






 ドスン!!ドスン!!






 山人形が歩くたびに地面が揺れる。




 まるで地面が震えてるみたい。






 ドスン!!ドスン!!ドスン!!ドスン!!ドスン!!






 足音の数が増えてる。




 山人形の歩くスピードが上がったのかな?




 そんな事を考えているうちにお姉ちゃん達に追いついた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る