第14話 震える土、蠢く岩達14
「山に腕が生えているーーー!!!ってことは………。」
地面の揺れが激しくなっていく。
生体兵器の感染が山全体に広がりつつあるのだ。
おそらく、大量の岩人形に触れられたせいだと思う。
「さっさと降りるぞ。」
ラーフィは石人形が居ない方の山の急な斜面を飛び降りる。
「シェノール、ぼやぼやしないで速く行くわよ。」
そういうと、お姉ちゃんは襟を掴んだ。
そして、私を引きずりながら、
ラーフィと同じ方の山の急な斜面をそりで滑走するように降りる。
「わかったから、わかったから。早く放してよー!」
「うるさいわねぇ。」
すると、お姉ちゃんは手を放した。
そしたら、私は宙に浮いたまま、凄い勢いで地面に落下して行く。
先に行っていたラーフィを追い抜いた。
わわわわっ!!!!たーーすーーけーーてーー!!!!
マージーでーじーめーんーにーぶーつーかーる!!!!
もう駄目だと思った瞬間、
私のお腹にかなりの衝撃が加わる。
すると、私は落下してない。
どうやら、岩の間から生えていた木にひっかかったみたい。
「助かった。」
私は安心して一息つくと、上の様子を見る。
ラーフィは私の事を気にしないで、岩から岩へジグザグと飛び降りる。
まるで、山を下る鹿のようだった。
メキメキメキメキッ!!
気のせいか、木が割れるような音がした。
恐る恐る木の付け根を見ると、幾つかのヒビが入っている。
まさか…………。
メキメキッ、バキッ!!!
木が折れた。
「イヤッーーーー!!!!」
私は叫ぶと同時に、再び地面に向かって落下し始めた。
どうしよう、どうしよう。
このままじゃ、死ぬ!!絶対死ぬ!!
その間にも、どんどん地面に近づいている。
数分も経たない内に地面にぶつかる。
何か良い方法が無いのか、能力で……。
能力?!そうだ、能力でなんとかなる。
自分の能力があることを忘れてたー!!!!
私は能力に必要なエネルギーを溜める。
良し、充分なエネルギーが溜まった。
地面まで、一分もない。
すぐに能力を発動させ、落下スピードが最小にする。
落下スピードが徐々に落ちていくが、それでもかなりスピードがある。
間に合うのか、どうかは微妙。
間に合えーー!!!!
なんとか、地上一~二メートルくらいで、歩く程度のスピードまで落ちた。
今度こそ、助かった。
バン!!
痛い。
地面に顔をぶつけた。
どうやら、安心したせいで能力が解けてしまったみたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます