第10章 仲間

 ケルベロスとオルトロス、そしてオルトとロストの軍部の激突により町の一角は壊滅状態にあった。しかし、復興の兆しが見えていた。時を同じくして、楠木は病院のベットに伏していた。否、正確に言うとベットの上で土下座をアーツの前でしているのだ。

「言いたいこと分かりますよね?流星」

「はい!この度は申し訳ございませんでした。私は中が見える結界術式の方を作ったつもりだったのでしたのに」

「もう、それはもういい。それよりも、異能力の方のデメリットぐらい話しておいてくださいよ」楠木は、異能力を使うとその後の運動機能が大幅に落ちてしまうのであった。

「申し訳ございません!」

「今回は、流星の変に残してくれた炎の神殿の神殿術式によってのアシストがあったから回復術式が使えたけど、今回だけにしてくださいよ!」これは、ちゃんとトーラスと契約の必要があると心の中で考える楠木だった。楠木はトーラスとはまだ完全には、契約していないのだった。事件後、オルトとロストの姿が消えたらしいし、トーラスによると契約の証に魂に印を刻んでいたっぽいらしい。オルトロスが倒れた時に契約に乗っ取ってオルトとロストは文字通りの魂の消滅に続けて、ケルベロスの因子魔力の受け手になったようだ。ケルベロスの召喚に体を媒体とした生命力を使用したらしい。それにより体、魂もろとも消滅したのだった。それによって、表の暗部と呼ばれた軍部の腐敗が止まらず事件から僅か12時間でカペラ政府、最大の暗部組織が消滅したようだ。今後は、自衛組織である自衛部が力を大きくするらしい。未来みくるはすごく政府の定義が変わったと大はしゃぎして記事を書くために自分の家に籠っているらしい。雪花は、色々と裏のことを探っているらしい。女の子のアーツには、申し訳ないがこの病院のすぐ隣のホテルに泊まって貰っている。あと3日退院にはかかるらしいという陽気な日に、未来と雪花が慌てたようすで来た。「大変だよ、楠木くん闇創造が世界を飲み込むって言っているだけど」と慌てて言うものだから要点が分からない。楠木は、落ち着いてもう一度言うように促す。何となく要点がわかってきた楠木。

「つまりは、この惑星イグニスターがつまらなくなったので消しましょうということでしかも、相手は直接地球を消滅させた犯人。何かわかるとしたら例えば地球消滅の事件から洗い直してみるのが良さそうだな」

「だけど、猶予があと3日も無いらしい。しかも、相手は気分屋ときたものだ実際問題、いつ地球の二の舞になるかも分からない」と未来は話した。しかし、自分達でもどうにもならない、ましてや今の暗部組織など楠木の今の体でも容易く一掃できるだろう。やはり、カペラ政府の動向を見ながら一刻も早くアーツの仲間が消されるような悲惨な計画を止めなければならない。そうで無くとも自分達の住むイグニスターの消滅は、多くの人々の死亡を意味しているからだ。とりあえず、地球の消滅の事件を調べ直しを未来に政府の動向を雪花に調べさせている中で楠木とアーツは来る戦いに備えて楠木はあと半日で完治するまでにしてもらった。アーツは弾薬の補充をしていた。あとは、未来の手伝いをかってでていた。それぞれがそれぞれの今やることをはじめて、猶予まであと2日に迫った中、楠木はある所へ言っていた。楠木が訪れたのは狼流道場がりゅうどうじょうだった、この場所は前にも訪れたことがあった。もちろん、アーツも連れてきた。真剣な話をした所でアーツを道場に残して、もうひとつの場所に向かった。看板には鈴鬼と書いてあった。珠里に途中で会い、珠里のお父さんに会い先程と同じ話をした。とりあえず、楠木のやることを終わらして狼流道場に戻った。アーツは、訓練をしていたはずにのだがなぜ、クラスメイトの狼牙とやり合って他の門下生は床に伏しているのだろうと疑問に思った。この道場で今、立っているのは、今来た楠木、アーツと狼牙とその父の狼武ローブだけだった。楠木は狼武の所へ近づくとこれまで楠木のいなかった時のことを話してくれた。手っ取り早い実践練習で技術を学ぼうとしたこと、その前の簡単な手解きだけで次々と倒してしまったらしい。なんとなくだが、狼牙が戦いを楽しんでいるように思えた。実際、狼牙は異能力である剛力を使用しながら戦っている。アーツは、その異能力の乗った攻撃を簡単に受け流していた。空中を駆けるアーツを横目にとりあえず、狼武に謝っておいた。結果は、狼牙の体力切れで勝負が着いた。その頃、雪花はカペラ政府にある程度のバックアップを要求していた。そして、未来はある程度の真相に迫っていた。期限まであと2日、それまでに決着をつけなくてはならないと皆の心が一つになった。

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