第8話 冒険者ギルド1
翌朝、フカフカのベッドの上で目が覚めた。久しぶりにぐっすり寝た気がする。昨日は転移?してから領都に移動してアルベルトさんたちとお話ししてと……いろいろあって疲れていたみたいね、でも仕事をしている時より時間がゆっくり流れていた気がする。簡単に身だしなみを整えてからステータスの確認をしてみた。
名前:アスカ
種族:ヒューマン(女)
所属:---
状態:普通
レベル:3
STR:95
VIT:80
INT:270 (+10)
DEX:110
AGI:80
LUK:100
賞罰:なし
スキル:
【共通言語】
【生活魔法】
【料理:Lv3】
【交渉術:Lv3】
【算術:Lv2】
【速読:Lv2】
【体術:Lv1】
【短剣:Lv1】
固有スキル:
【リセット】
【イリス(ナビゲーション)】
あ、INT が上がってる。【生活魔法】を使ったからかな?でも使うだけで上がるものなのかしら?ステータス関連も検証が必要だわね。
朝食を頂いた後さっそく冒険者ギルドに行ってみることにする。
「アルベルトさん、お世話になりました。」
「何かの縁だから気にしないで、アスカさんも冒険者になるなら気を付けてね、なにかあれば訪ねてくると良いよ」
「アスカさん、遊びに来てね!」
アルベルトさんとモニカさんに見送られてモーリス商会をあとにした。確か大通りを街の中心に向かって行けばギルドや行政府があるって聞いたけど……しばらく大通りを歩いているとだんだん周りの建物が大きくなってきた。商業ギルド、錬金術ギルド、魔法ギルドなどギルドが集まってるみたいだ。いろんなギルドが有るのね、錬金術ギルドとか少し興味があるわね……とりあえず冒険者ギルドに行って話を聞いてからにしてみよう。
剣と盾のマークがある冒険者ギルドが見えてきた。近くにはいかにも冒険者って感じの革鎧と剣を装備した人たちが増えてきている。ローブを着て杖をもっている魔法使いらしい人もいる。借りて読んだ本では
猫の獣人とかいるのかな?モフモフしてみたいわぁ~くだらない事を考えるのやめて、冒険者ギルドのドアを開け恐る恐る中に入ってみた。ギルドの中は本で読んだみたいに、カウンターと依頼板、酒場が配置されている。依頼板の前ではたくさんの冒険者が依頼表らしき紙をながめていたり、相談しているのが見える。酒場ではパンをかじりながら依頼表を見てる冒険者もいる。新人が絡まれるテンプレはおきなさそうね、それに誰もこちらを気にしている様子はないが、急に後ろから声をかけられた。
「入口で立ってると邪魔だぞ!さっさと中に入れ!」
「あ、すみません」
「冒険者……ではなさそうだな、用があるならさっさとカウンターへ行きな!」
入ってきた男は顎をしゃっくて指示すると酒場の方へ向かって歩いて行った。絡まれたかと思ってちょっとびっくりしたけど冒険者だしこんなもかしらね?とりあえず話は聞きたいのでカウンターの方へ向かってみた。カウンターは4か所ありすべてのカウンターに美人の受付嬢が座って…なかった……一番右端に髭面で山賊の親分ぽい人が座ってこっちを見ている。しかも手招きまでしてるよ……他の3か所の美人さんを見ると目を逸らされた。え?あそこに行かなきゃダメなの?美人の受付嬢に説明してもらいたいんだけど……
「嬢ちゃん、さっさとこっちに来な!依頼か登録だろ?」
首を縦に振って恐る恐る近づくと、ますます見た目が山賊の親分である。
「ほれ、そこに座りな依頼か登録か?」
「登録しようかと思ってるので説明を聞きに来たのですが……山賊の親分ですか?」
あ、声に出てしまった。
「「「ブフッ」」」
受付嬢が一斉に吹き出した。
「あのなぁ、山賊が冒険者ギルドにいるわけないだろ?しかも受付に、これでもれっきとした冒険者ギルドの職員だよ!(面と向かって言うやつは初めてだな…)」
「あ、ごめんなさい。アスカです。よろしくお願いします。」
「まぁいい、俺はフレッドだ。冒険者の説明だろ?してやるからちゃんと聞けよ」
山賊の親分(フレッドさん)は冒険者ギルドの説明を始めた。
「冒険者ギルドは国をまたがった組織であり、所属している冒険者が依頼を熟して報酬をもらう。各街に支部があり周辺の村の依頼を取りまとめている。またダンジョンの管理なども冒険者ギルドの管轄で、ダンジョン内の魔物間引きなども冒険者の仕事だ。依頼は主に「雑用」「採取」「討伐」「護衛」で冒険者が自身のランクにあった依頼を依頼板から選び依頼を熟す。ギルド側から依頼を促す場合もある。「アイアン」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「ミスリル」「オリハルコン」のランクに分かれており、依頼の内容によりランク分けされている。ここまでで何か質問はあるか?」
「大丈夫です」
首を振ると山賊の親分(フレッドさん)は続きを話し出した。
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