第10話

〇 登 録 者  タチバナ ダイスケ

〇 L    V  37

〇 ラ ン ク    E+

〇 最高達成LV   S

〇 達成回数    22

〇 未達成数    0

〇 保有金額    54,200ガル


「こんなに!?……やべぇ…500万超えやがった…」

「立花様は駆除したものや狩りをしたものが比較的高額で引き取りされているためです」

「そ、そうなんですね」

「順調にクエストをクリアなさっております」

「ありがとうございます」

「ですので本日はお休みにいたしましょう」

「え?いいんですか?」

「はい、たまにはごゆっくり疲れをお取りいただき明日からまた頑張ってください」

「はい!」


アリスさんに感謝しながら俺は自室にもどり着替えたあとたまにファミレスに行こうと思ったがスーツを2着も買ってしまったのでまだギリギリ開いている近くのスーパーに総菜を買いに向かった。


「お?すごい!割引になってる!」

「あ…立花さん」

「え?鈴木さん?」


割引のシールが貼られた総菜をみて地味にテンションがあがっている姿をみられ非常に恥ずかしいが意を決して話しかけた。


「ここにはよくくるんですか?」

「え?は、はい、近くだとここが一番しまる時間が遅いので」

「そうなんですね、今まであったことがなかったですが生活圏が近いんですね」

「そ、そうですね、立花さんの家はこの近くなんですか?」

「ええ、ここから歩いて10分くらいですね」

「私も10分ほどです、ここは駅と家の通り道にあるんですよ」

「おぉ、それはいいですね。俺はわざわざ来なきゃならない方角なんで羨ましいですねって!総菜を選ばなきゃ!」

「ふふふ、色々あって迷いますよね」

「そうなんですよね、この時間から揚げ物は明日の朝、胸やけになるので避けたいですが美味しそうですしね」

「そうですね」


とりあえず今日の晩御飯と明日の朝ごはんの総菜を選ばなきゃならないなぁ。


「うーん…あ、このポテトサラダは美味しそうだ、明日の分と2つ買おう」

「あの、立花さん」

「はい?ポテトサラダまだありますよ!」

「え?い、いえそうじゃなくてですね…」

「はい?」

「今日会社の前で会っていた女性は…彼女さんですか?」

「え?あ、ああ!アリスさんですか!残念ながら違うんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ、なんて言えばいいのかな、えっと俺が運動するのをサポートしてくださってる人って感じですね」

「ああ!トレーナーさんですか!」

「んー、またちょっと違うんですがとりあえず色々サポートしてくれる方ですね」

「そうなんですね、私またってっきり彼女さんなのかと」

「いやいや、あんな美人さんが俺なんて相手してくれるわけないじゃないですか」

「そうなんですね!」

「そうなんです」

「ふふふ、ここのお惣菜のおすすめはエビチリとか中華系なんですよ」

「おぉ!いいですね!麻婆豆腐とエビチリは好きなんですよ!ありがとうございます!」

「いえいえ」


おぉ!あとはチンしたら食べれるご飯をかえば豪華な晩御飯になるな!鈴木さんには感謝だ!


「立花さんはおうちでお酒を飲まれるんですか?」

「ああ、俺はお酒をまったく飲まないんですよ」

「そうなんですね」

「ええ、基本水があればいいです」

「ふふふふ、そうなんですね」

「ええ、鈴木さんは飲まれるんですか?」

「たまにのりこに付き合うんですがほぼ飲めません」

「田中さんは強そうですね」

「ふふふふ」


一緒に並んで先に鈴木さんにレジをゆずり会計をすませ袋につめて一緒にスーパーをでた。


「案外近いところにすんでてびっくりしました、気を付けて帰ってくださいね」

「はい、立花さんも」

「ありがとうございます、では」

「はい、また明日!」


俺は鈴木さんと挨拶をし家路についた。


「ふぅ~…さてと」

「おかえりなさいませ」

「ふぁっ!ア、アリスさん!?きてたんですか!」

「はい」

「すみません、夕食と明日の朝食を買いにいってたんですよ」

「いいえ」

「って、あれ?なんか部屋がすごくきれいになってる」

「待っている間、暇でしたので」

「掃除してくれたんですか?」

「はい」

「あ、ありがとうございます…」

「いえ、私から2つほどお話が少々ございましたので」

「話ですか?なんでしょう」

「まずは手洗いとうがいを」

「あ、はい!」


部屋に戻っていきなりアリスさんがいるのは驚くけど見られて困るものもないし、なにより殺風景な我が家にあんな超絶美人がいるってのが凄すぎて現実味はない!


「お食事をしながらお聞きください」

「はい、アリスさんはもう食べたんですか?」

「はい、おかまいなく」

「ありがとうございます」

「いえ、ですがせめてミネラルウォーター以外のものもご用意なさったほうがよろしいかとおもいます」

「た、たとえばどんな」

「コーヒーは使わなければ1か月もせず酸化し味が劣化してしまいますので、緑茶や紅茶などの茶葉をご用意したほうが無難かとおもいます」

「わ、わかりました」

「はぁ~…カードを使ってもよろしいのであれば私がご用意いたしますが?」

「え?」

「お貯めになることに夢中でお使いになられることがないようなので」

「あ…」

「もしお貯めになられる目的があるのであれば無理にとはもうしあげませんが」

「い、いえ!Dランクなった時にアリスさんと食事をする事以外は特に…」

「はぁ~…どのような高級な食事をなさるおつもりなんですか…」

「すみません…そういうのまったく無縁だったので…余裕があるほうがいいかなって…」

「ここまで私生活がな方は珍しいですね」

「うぐっ!」

「先ほど掃除をさせていただきましたが、私服や下着なども酷い有様でした」

「え?痛んでましたか?」

「いいえ、痛みなどはまだ大丈夫なのですが私服はいつ買ったかわからないトレーナー2着、Tシャツが5枚、肌着のシャツが5枚、パンツが5枚、靴下5足、それとスエット上下1組とデニムのズボンが1本しかございませんでした」

「痛んでなかったらよかったです」

「はぁ~…そのような話ではありません」

「え?、ありがとうございます」


深いため息をついたアリスさんがエビチリソースがついた口を拭いてくれながら佇まいをただし俺の前に向き合って座ったのでついつられて俺も姿勢をただした。


「まず、部屋ですがベッドと冷蔵庫そして電子レンジしかなく調理器具もありません、食器もプラスチックのものばかり、入院食でもおたべになられたいのですか?それともキャンプがお好きなんですか?」

「わ、割れないし壊れてもリサイクルでゴミにだせるので…」

「私服も下着なども圧倒的に少なすぎます」

「そ、そうですかね?」

「すくなくないとでも?」

「す、すみません…」

「そもそも、物を持たないお方なのになぜこのようなお部屋にお住まいになられているのですか?」

「え?どういうことですか?」

「言い方をかえます、なぜお一人で3LDKにお住まいになられていらっしゃるのですか?2部屋が全くの空き室になられておいでですが?」

「ああ!これはですね母方の祖父母から譲り受けたからなんですよ」

「?ではお家賃などは発生しておられないのですか?」

「そうです!じゃなきゃ俺が住めるわけないじゃないですか」

「不躾ですが祖父母様はなにかご事業でも?」

「母方の祖父母は地主さんらしいですよ?それで母が亡くなった時に俺を身受けしてくれたんですが、さすがに高校生でしたし母の兄、俺の叔父一家が祖父母と住んでましたから一人で暮らすといったらここをくれたんですよ」

「なるほど、お父様は?」

「俺が小さいころに離婚したそうで顔も知りませんし名前もしりません」

「お会いになりたいとは思わないのですか?」

「んー、ないですね、なんかある日突然かえってこなくなったと言ってましたし」

「そうですか、いらぬ詮索をしてしまい申し訳ございません」

「いえいえ、なので高校と大学の費用はだしてもらったんですが生活費なんかはバイトをして卒業してからは今の会社で働かせてもらっているって感じですね」

「なるほど、わかりました」


淡々としながら少し申し訳なさそうにアリスさんが頭をさげてくれたが、母が死んだこと以外とくにショックなことはなかったのでそこまで気にしなくてもいいんだけどなぁと思いながら最後のエビを口に入れた。


「あの…」

「なにか?」

「話ってそれだけですか?」

「…いえ、お伝えしたいことがございます」

「あれ?さっき2つって…」

「まず1つ目ですが」

「え、えぇ…スルー…」

「なにか?」

「いえ…どうぞ」

「はい、では立花様は日ごろカードをご確認のさいどこをご覧になられていらっしゃいますか?」

「え?えっと達成回数と保有金額ですね」

「ほかには?」

「え?」

「はぁ~…LVなどはご覧になられていないのですね?」

「LVはあるのはわかっていましたがなんのLVなのかわからないので…」

「LVとは強さです」

「え?ちょっとよくわからないんですが」

「最近疲れにくくなられておりませんか?」

「たしかに言われてみればそうかもしれません」

「LVがあがると様々な身体能力が向上します」

「そうなんですね!じゃあ今は37だからスポーツ選手くらいにはなったのかなぁ」

「申し訳ございません、立花様がお馬鹿だということを考慮しておりませんでした」

「え゛…」

「どのような種目でもオリンピックで金メダルを取れる身体能力ですとレベルは7~15です」

「へ?」

「はっきり申し上げますとE+でこのLVは異常なのです」

「そ、そんなことを言われても上げようと思ってあげたわけでは…」

「E+上位でも20もあればいいところなのですが立花様は様々なをなさったおかげでLVが上がったのだと思います」

「そうなんだ…じゃあ生き物を殺したらLVがあがるということですか?」

「一番効率がいいのはそうです、他にも鍛錬であげるとができます」

「なるほど…」

「2つ目はLVに付随するお話ですがレベルが上がるたびにポイントがもらえます」

「お得ですね!何に使えるポイントなんですか?」

「スキルです」

「スキル!?」

「異世界では様々なスキルをポイントを使い習得できます」

「そうなんだ」

「どのようなスキルがあるかにつきましてはDランクに上がった際にお教えいたしますので選びましょう」

「一緒にですか?」

「はい、なにか?」

「いえ、ぶっちゃけスキルと言われてもよくわからないですし選んでくれるのはうれしいですがなんか頼りっぱなしだなぁと」

「今さらにございます」

「うぐっ!返す言葉もございません」

「…とりあえずDランクになられましたらということで構いませんね?」

「はい、お願いいたします」

「では3つ目です」

「は、はい!」

「空き部屋を1室私がもらい受けます」

「へ?」

「正確に申し上げるとこの部屋の1室と異世界の部屋を繋がせていただきます」

「あ、ああ…なるほど、まぁ使っていないので構いませんよ」

「ありがとうございます、それと私もその部屋にたまに滞在いたしますのでよろしくお願いいたします」

「はい!よろしくお願いいたします!って!えぇぇぇぇ!?」

「ご近所迷惑ですよ?なにかご不満でも?」

「い、いえ…了承してしまいましたので…問題ありません」

「それにともない食器などはこちらのカードで購入してもかまいませんね?」

「は、はい、空にしなければ…かまいません」

「かしこまりました、では明日、立花様がお仕事中に異性につないだり等いたしますのでよろしくお願いいたします」

「お、おねがいいたします」


アリスさんが深々と頭を下げるとパッときえてしまった、残された俺は現実味のない話で味はわからないままポテトサラダをたべ眠りについた。

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