第2話

 アニメの仕事に付いて調べていくと大きく5つの職種に分かれるらしいことが分かった。キャラクターを描く職、背景を描く職、色を塗る職、出来上がった素材を撮影する職、そして制作進行と呼ばれるアニメ全体の進行管理を行う職だ。テレビ業界でいうところのADに位置するらしい。

 

 これらは現場と呼ばれる直接映像を作る職種で現場以外では製作委員会と呼ばれる、企画を作り制作費用を出資する組合。主にメーカーやビデオ会社、音楽会社、グッズ販売の会社が集まって組成されるらしい。

 この中で未経験かつ自分が携われる職は制作進行のようだった。早速検索してみると300件ほどヒットした。

 

 絞れたとはいえどこが良い会社なのかも分からなかったので、とりあえず自宅から近い順に調べていった。

 すると結弦のアパートがある吉祥寺周辺に制作会社が密集していた。これも調べて初めて知ったのだがアニメ制作会社は主に武蔵野市、練馬区、杉並区、中野区に固まっていた。都心より少し郊外の比較的地価の安い西東京が選ばれている理由らしい。

 

 その中から、「スタジオ アストラル」という会社に目星を付けた。自宅アパートから徒歩15分。元請けと呼ばれる企画した会社から直接依頼を受ける会社らしく、年に2~3本程アニメ作品を作る中堅の会社だ。

 会社のホームページには「業務拡大に付き人材募集中!」と書かれてあった。

 代表作である「宇宙少年」という作品も観たことはないが名前を聞いたことがあったので手始めに受けてみることにした。

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