第7話 ロリ先生の買い物と授業の開始
翌日の朝、いつも通り俺は7時に起きた。7時ちょうどに目覚まし時計で起きるという生活を、助けてもらった日からだから...12年?続けていたら、目覚まし時計を使わなくても7時ちょうどに起きれるようになったので、2年ぐらい前から目覚ましは設定しないようになった。
あくびをしながら階段を下りると、彼女はキッチンで朝ごはんを作ってくれていた。
「おはよう」
笑顔で声をかける。
朝起きて自分以外の人がいるというのは、ずいぶんと久しぶりだった。
「おはよう。昨日は聞きそびれてしまったけれど、食物アレルギーは何かあるかしら?」
「いや、無いよ」
「なら良かった。朝食は、ハムエッグよ」
ハムエッグということは、卵アレルギーが無いか心配したということか、なんて考えながらテレビをつけ、チャンネルを回したのだが、昨夜のようなバラエティ番組はなく、どのチャンネルも情報番組だった。その中から良さそうなのを適当に選ぶと、彼女が朝ごはんを持ってきてくれた。
自分の分も持って来ようとキッチンへ向かう彼女に、
「朝からご飯作らせちゃって、ごめんね」
と言うと、彼女は自分の分を持って来ながら、
「いえ、今まで知識ばかり蓄えていて、あまり実際に作ったことが無かったから、作らせてくれて、逆に感謝してるわ。おかげで家事は楽しめてるから、申し訳ないなんて思わないで」
と言った。俺は改めて、彼女は本当に良い嫁になるんだろうなと思った。
「いただきま~す」
と言って卵に醤油をかけ、口に入れると、やっぱりおいしかった。と、俺は、昨日の買い物で卵とハムは買っていなかったということに気付き、
「そういえば、昨日の買い物で、卵とハムは買ってないよね?
…まさか、冷蔵庫に長年眠ってたやつを使ったりした?」
と冗談で聞くと、
「そんな訳ないでしょ?! 昨日の夜、朝食の材料を買っていないことに気付いて、近くのコンビニで買ってきたの。玄関に置いてあった鍵を使わせてもらったわ」
と言われた。ん? 昨日の夜というのは、俺が寝た後のことか? だとすると、かなり遅い時間のため、彼女の歳と顔的にとても危険だ。彼女はそれを分かっているはずなので、深夜には出かけないはずだ。
おそらく、彼女の風呂掃除中の俺が寝ていたタイミングか、俺が風呂に入っていたタイミングに行ってきたのだろう。しかし、心配だったので、
「何時頃に行ったの?」
と一応聞くと、
「12時過ぎくらいだったかしら」
と彼女は答えた。なので俺は、
「先生は狙われやすいんだろうから、あんまり夜の外出はしないようにしてよ?」
と言った。すると彼女は、
「ごめんなさい。昨日は緊急だったからつい...今後は気を付けるわ」
と、申し訳なさそうに言った。
「でも、12時に買いに行ったって、かなり遅くまで起きてたんだね。何時に寝たの?」
「あぁ、昨日は寝てないわ。寝れない、が正しいけど。私、不眠症なの」
なんと、5歳で潔癖症と不眠症を併発とは。彼女だからこそ、(へぇ~)で済んでしまうものの、他の5歳児だったら相当な問題なんだろう。
「え、そうなの? それは大変だね」
「ええ、まぁね。でも、疲れた日は普通に寝られるから、そこまで深刻なわけじゃないの」
すると、(では今日の占いです。)という声が聞こえたため、俺はテレビを見る。「1位 しし座」と書かれていた。
「やった、しし座1位だ」
と俺が言うと、彼女もテレビを見た。画面が2~4位の画面に切り替わった。
「みずがめ座は2位よ。ラッキーポイントは、買い物ですって! 今日は買い物に行かなくちゃね。あなたのラッキーポイントはなんだったの?」
と聞かれたので、
「え、そんなの書いてあるの? 残念ながらそこまでは見てないや」
と答えた。彼女はふ~んと言ってご飯を食べ始めたのだが、俺は実は見ていた。
(ラッキーパーソン:年下の人)という文字を。
単純ながら、占いというものも、信じてみるもんだなぁと、彼女を見ながら思った。
朝ごはんを食べ終えると、昨日と同様、皿は俺が洗った。皿洗いを終えてリビングに戻ると、彼女が張り切った様子で、
「じゃあ、今日1日の流れを発表するわ」
と言った。
「まず、9時前には家を出て、13時までお買い物よ。リップクリームが無くなりそうだし、この家のシャンプーが髪に合わないから新しいのを買いたいし、夜ご飯と明日の朝ごはんの材料も買いたいし...で、その間のどこかで昼食を摂る。そして家に帰って2時まで休憩よ。2時からはロリコン教育...つまり授業をするからそのつもりで。はい、準備!」
と、簡単に今日の流れが説明された。授業、という響きに、懐かしさを憶える。計画的なのも、実に彼女らしい。
俺はまず、洗面所に向かった。歯ブラシ置きには、もちろん彼女の歯ブラシは無かった。よっぽど信用ないな~と思いながら歯を磨き、顔を洗い、ひげを剃って寝癖を軽く直した。
洗面所から出ると、彼女は白いバックの中身を整理していた。
「洗面所空いたよー」
と言うと、彼女は
「分かったわ」
と言って、歯ブラシとくしを持って洗面所へ向かった。
開いていた彼女の白いバックの中身をこっそり見ると、鏡やリップクリーム、髪留めにハンドクリーム、大量の一万円札などが入っていて、ひったくりとかに気を付けないとな~と思いながら、俺は着替えた。
彼女の準備がもうしばらくかかると思った俺は、財布にこれで足りるだろうと諭吉さんを3枚入れ、何気なくテレビをつけた。そしたら(3万円入ったバック ひったくり 男逃走中)なんてニュースがやってたもんだから、俺はビックリしてチャンネルを変えた。
しばらくテレビを見ていると、彼女が洗面所から出てきて、
「もう少しかかるわ」
と言った。そして、キャリーバックから服を取ると、そのまま2階へ行った。やはり女子の準備は時間がかかるらしい。
またしばらく時間が経ち、
「お待たせ」
と着替えを終えた彼女が言ったのが、8時半ぐらいだった。
「じゃあ、行こっか」
彼女は頷くと、身の周りの最終確認をして、家を出発した。
今日の彼女は、白いワンピースにピンク色の上着を着て、下には膝までのタイツをはいていた。握っている手には、白い手袋がはめられている。率直に、可愛い。当然ながら、可愛い。
「10月なのに、ワンピースとタイツだけなんて、足寒そうだね」
と言うと、
「いいえ、中にショートパンツをはいているから平気よ」
と彼女は言った。どうやら、ワンピースの下にショーパンをはいているらしい。
「そういえば、今からどこに行くの?」
「薬局よ。歩いて20分で着くわ」
彼女の手を、当たり前のように握れていることにささやかな幸せを感じながら歩いて行くと、薬局に着いた。
開店まで少し待ってから入店し、その薬局では、リップクリームやシャンプー、服用洗剤に飲料水などを買った。
次に本屋へ行き、彼女は本を5冊買った。暇な夜中の時間に読むらしい。内容は、経済学、恋愛小説、ミステリー小説など様々だった。
次に百貨店へ行き、店内を一時間ほどかけ、くまなく見て回ったのだが、結局彼女は箸しか買わなかった。今のって意味あった? と聞くと、女子は商品を見て歩くだけで楽しいものなのよ? と言われた。俺には到底理解できない。
あっという間に、時刻は11時半を過ぎていた。
「そろそろお昼ご飯にしましょう。近くのフードコートでいい?」
と聞かれ、俺が頷くと、近いというフードコートへ向かって歩いた。
そこで俺は牛丼、彼女はそばを頼み、食べたのだが、彼女の手料理を食べたせいか、あまりおいしく感じなかった。
その後、昨日と同じスーパーで今日の夜ご飯と明日の朝ごはんの材料を買った。今日の帰り道もかなり荷物が重かったが、昨日に比べれば肩はずいぶん楽だった。
家に着くと、俺はソファにドサッと深く腰かけた。彼女は上着を脱いでたたみ終えると、
「じゃあ、ちょっと授業で使うものを持ってくるわね」
と言って外に出ていった。何を持ってくるんだろう、ということから発展して俺は、ロリコン教育の授業とは、一体何をするのだろうか、ということを考えた。
ロリへの正しい対応って言ってたよな...ロリへの近づき方? 話し方? それとも触り方? ヤり方?
入れ方とか、行為に伴う痛みとか? と、俺は考えれば考えるほど下ネタに走ってしまった。ただひたすらロリを愛でる時間でもいいな、という考えが出た時、彼女が帰ってきた。リビングに入ってきた彼女の腕には、マネキンが抱えられている。子どもサイズのマネキンだ。まさか本当にヤり方講座?!と思って目を輝かせると、それが彼女に伝わったのか、
「安心して。今日の授業に下(下ネタの略)はほとんど出てこないから」
と言われてしまい、俺は分かりやすくテンションが下がった。
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