第2話 実行されていた作戦
アリスのゲームが動き出す。
「さて、僕は王、宿将…中立」
このゲームはアリスにとって一番の脅威は天理、未来、そして忠誠心の高い海利である。ただし、その三人の誰かがアリスの王、または宿将、またはアリス自身中立の可能性ももちろんある。アリスに焦りの表情はない。余裕の表情を浮かべている。
そんな時、アリスの前に一人の人物が現れた。その人物はアリスに何かを告げる。
「ふむ、いいカードを引いたね、望むところだ」
アリスとその人物で何かが始まった。
アリスに脅威扱いされている天理。ただしゲームに関心は示さない。
「今回の鍵はあのカードか…中立陣営同士潰しあうのも手だな」
天理は何を考えているのかわからない。天理は中立なのだろうか、それともどこかの陣営なのだろうか。
未来は最初のゲーム、悟りゲームや前に似たようなゲームで勝ったためかアリスから警戒されていることを知らない。未来に自信のある顔はない。しかし、アリスが一生懸命作ったゲームに手加減など失礼だ。もちろん、敗者は殺害されるなど恐ろしいルールなら未来は勝ちにはいかないだろう。自ら負けを選択するだろう。しかしルールは平和だ、ならば本気で戦わなければいけない。未来はそう決意するのである。
忠誠心が高いことでアリスに警戒されている海利、その海利は…中立、海利は中立の立場だった。だからこそ王を探す。交渉を持つものが王なのだから、海利はその王に従うだろう。忠誠心が高いからこそ海利は中立という立場においては最強の武器となる。海利を仲間に引き入れたものこそこのゲームを支配したと言ってもいいだろう。
礼はゲームに参加しながらも友達と遊んでいた。9時の二時間後、指定の11時に補充ポイントに向かえばいいのだから。礼に焦りはない。それだけ礼は自信のあるカードを持っているのだろう。
黒龍は自分のカードを見る。
「このゲーム、陣営で仲間にされる前に中立を片っ端から潰していくのが楽しそうだな、つっても前は天理と未来にやられたからな、天理から潰すか」
黒龍は天理を探し始める。
「ふむ、これは安心感があるね」
明智は安心の色を染め、自分のカードを見る。さくらか天理、どちらかが仲間なのだろうか、それとも中立だから好きに選べて安心をしているということなのだろうか?
さくらは自分のカードを確認する。
「私にとってはお似合いかなー」
それは陣営がなのだろうか、それともカードなのだろうか、まださくらは何もわからない。
朱音はカードを確認していると黒龍にあった。
「あ、黒龍さん」
「おう、朱音か、お前天理見なかったか?」
「黒龍さんは天理ちゃんの仲間?」
「いや、俺は天理から潰しに行く」
「そういえばこのゲームって敵味方中立関係なく同意があれば攻撃カードも見てよかったんだよね?」
「そうだな、だが俺は見せねぇぜ」
「そう簡単には見せてくれないよね」
「朱音はまさか中立か?」
「それはいえない」
「まあいい、天理を探すか」
朱音は黒龍の強気な態度に相当強いカードを持っていると踏んだ。
黒龍はアリスと遭遇。
「なんだアリスか、お前より怖いのは天理と未来だ、海利と礼に関しては知らねぇがお前はその次だな」
アリスは悲しそうに言う。
「僕では天理と未来の上の存在にはなれないという意味だね…いいさ、僕が証明してやる、絶対に勝つと」
「ふん、それはこっちのセリフだ」
悲しそうにアリスは去っていく。
「ちょっと言いすぎたか」
礼はとある人物を見つけた。
「確かあの赤い子参加者だったわねぇ、交渉してみようかしら」
交渉、その言葉は礼は王、または中立を意味する。宿将の線は消えた。
「えっと、誰だったかしらねぇ」
「天理ですけど…勝負ですか…?」
礼は恐らく交渉か中立カードを見せた。しかし天理は
「結構です」
と断った。
「なんなのよ生意気ね」
礼は王なのか中立なのか。
「あまり出さないほうがよさそうですね」
とそこにガサっと物音が聞こえた。その相手は中立を示した海利だった。
「海利さん?中立ですか?」
「そうよ未来、あなたどっちよ」
「交渉ということでいいんですね?」
「あなたが王ならね」
未来は交渉カードを出した。海利は忠誠心が高いため信用に値する人物。このゲームの要ともいえる人物ともいえる人物でもある。その人物と交渉できたのだ。
「いいわよ、交渉成立よ」
未来は何者かの王、そして海利は未来の配下して加わったことになる。
「ところで未来、相方は誰?私が忠誠心強いのはあのゲームで理解してるから聞いてもいいわよね?仲間だし」
「そうですね、カードを含めて教えておきましょう」
未来は自分のカードと相方のカードを教えた。そして未来の宿将を伝えるのである。
「明智香さんです」
未来陣営
王 未来 交渉 ??? ???
宿将 明智 ??? ??? ???
配下 海利 中立 反逆 ???
???陣営
?? 朱音 ??? ??? ???
?? 黒龍 ??? ??? ???
?? アリス ??? ??? ???
?? 天理 ??? ??? ???
?? さくら ??? ??? ???
?? 礼 ??? ??? ???
「そうか、それでいい、次の補充までに時間があるな、補充までに再起不能にするんだ」
アリスは何者かに命令している。
「ターゲットは決まった、僕の創り上げたゲームだ、本来僕が勝たなければいけないんだ」
動き出すアリス。
礼はアリスに遭遇した、この際試してみようとアリスに仕掛ける。
「ふむ、なるほど、本当にいいのかい?僕は君みたいな人間にさんざんされてきたからあまり信用できないからね」
「昨日の光景見ればわかるわ、ならこのゲームで仲直りと行かないかしら?貴方、前のゲームではわたしを散々してくれたけどわたしと貴方が組めば最強ペアじゃない?」
「裏切るとも限らないからね」
「いいわよ、わたしをあんないじめっ子たちと一緒にされるくらいなら次の補充で裏切りの反逆も中立も捨てて戦力になってやるわよ」
そう、アリスは王、礼は中立だったのだ。
「でも本当かわからないな、次の補充まで信用はできない、本当に捨てるとも限らないからね。相方と僕のカードはまだ言わないでおくよ」
「いいわよ、わたしは次の補充時間になったら貴方の宿将よりも強い存在になるわ。一枚引けて、反逆、中立も捨てて追加で二枚引けるわよ」
「なら期待しているよ」
アリスと礼は繋がった。
黒龍は天理を見つけていた。
「よお、見つけたぜ天理、勝負しようぜ」
「はぁ…どっちにしろ断れないか…カードがない」
「随分あっけなかったな、じゃあな、天理」
黒龍は破壊、天理は脱落した。
「最悪のカードだ…二回殺しか…」
破壊カードは出した時点で相手に盗人を使われようと一枚カードを捨てなければならない、つまり破壊で天理は死体蹴りされたことになる。天理は一体誰と戦っていたのだろうか。
「アリスを潰してもいいが、まずは未来だな」
そんな未来はさくらと遭遇した。
「あ、未来さん勝負しましょう」
今回の勝負は断れない、さくらは躊躇なく防御カード、未来は手札を選ぶ、盗人カードで防御カードを盗んだ。
しかし、もし未来が破壊、逆襲、瞬殺を持っていたらどうしていたのだろうか?さくらの陣営にすべて持っている人間がいるのだろうか?またはさくらは犠牲の一手、裏で復活カードを持っている人間がいるのかもしれない。
さらにさくらは勝負を仕掛けてくる。
「第二回戦です」
未来は断れない。さくらが出したカードは瞬殺カード、未来はこれを出すしかなかった。相殺カード、これにより相殺カードは瞬殺カードに変わり相打ち、するだけしたさくらは未来の元から去ってしまった。
その様子を見ていた黒龍。
「さくらと未来は敵同士か、なんであんな躊躇なく防御カードなんて出せる?さくらを裏で操ってるのは誰だ?アリスか?礼か?朱音か?礼か?海利か?」
黒龍は未来つぶしを一旦保留にした、さくらを裏で操る人物こそこのゲームを掌握している。だが、未来にも話しかけておく。
「おう未来、お前はなんだ?王か?宿将か?中立か?」
「黒龍さんこそなんですか?」
「条件だ、さくらを裏で動かしている人物、そいつをまずやったほうがいい、俺に手持ちはねぇよ」
黒龍が見せたのは中立。
「中立なのに一人で誰かと戦ってたんですか?」
「天理を潰してきたぜ、お前の仲間だったか?」
「いえ、交渉成立するなら仲間は教えますよ」
「俺はいいぜ、まずカードがねぇからな」
「では交渉成立です、では仲間を教えますね、私が王ということになっていて、宿将が明智さん、配下が海利さんです」
「なるほどな、明智と海利は白か、海利は確か忠誠心が高かったらしいな」
「そうですね、もう少しで補充時間ですね」
「おう、俺はやられちまったら戦力にならねぇから裏切るつもりだったが中立カードと反逆カード捨てるか」
未来陣営
王 未来 交渉 防御(盗人) 相殺(使用済み)
宿将 明智 ??? ??? ???
配下 海利 中立 反逆 ???
配下 黒龍 破壊(使用済み) 反逆 中立
アリス陣営
?? アリス 交渉 ??? ???
?? 礼 反逆 中立 ???
???陣営
?? 朱音 ??? ??? ???
?? 天理 ??? ??? ???(脱落)
?? さくら 防御(未来に盗まれる) 瞬殺 ???
そして補充時、脱落していたはずの天理が復活していた。何者かが復活カードを使ったのだろう。
アリスは呟くのである。
「くっ、未来を見つけきれなかったか、だがまだいい、これで未来は落ちたな、このゲームは僕により掌握された、僕の勝ちだ」
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