第5話

「後藤さん……」


彼は、本名後藤時という。公園のベンチに、置き去りに、されたうちの月刊誌菊の文庫を、見、これならおれもいけんじゃねと思い、先のうちの班、主催の月例賞に、応募してきたらしい。


「後藤さんこれ、書いたの2回目ですよね……」


「あ……ええ……」


彼は、かすれるような小さな声でうなずいた。


彼は、小説を、それまで、まともに、読んだことがないという。例えば村上春樹?だれそれという感じに……


「ん~後藤さんこれ……もうちょっと練って3ヶ月後にあるうちのデカイ賞に、出してみませんか?たぶん私、行けると思うんですよね……」


「3ヶ月後?……」


後藤さんは、ポツリといった。聞けば後藤さんイケると思い、とうの昔に、会社をやめたらしい……


「わかりました。後藤さん少しここで待っててもらえます。」


私は、この才能を、品定めしてみることに、する。


「あ!もしもしおねぇちゃん」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る