第3話

ドアを開ければ、そこに、満面の笑みの保育園児。


「と~んくん今日もお部屋でがんばって、シコシコですか?えらいねぇ。えらいねぇ。」


「え?……いや……ククちゃんえ?いや……」


「だってねぇクク、おじいちゃんがいってました。と~んは、今日も部屋でシコシコがんばってるっかって……」


あのじじぃ~💢






暁美 乱独らんど


天下の菊の文庫、看板作家にして、文豪界の重鎮。分かりやすくいうと、マンガ界、ジャンプの鳥山明先生のような存在。そして……


「おじゃまします」


「もうおじゃましてんだろうが」


「あ💢」


おれのくそ師匠……


「あれトキくんそのズボン、後ろ前、逆じゃない」


「え……あ、はぁ……いえ……」


暁美 明日香さん……明日香さん……マジこの老害ゴリラ(師匠)の遺伝子を受け継いでいるとは、到底思えない、その女神のような美しさ……


「キゃハハハハハハハハと~んくん後ろ前逆きゃハハハハハハハハ」


暁美 九九ちゃん現在、いつも、元気も真っ盛りの4歳保育園児。これも、あのおれを出世の道具としか、考えていない悪魔の娘とは、到底思えないその純粋無垢の瞳、そして、とろけそうな、薄紅色の淡いほっぺ。マジありえない天使。


「ささ、みんなごはんよ。席について、ついて」


ごはん……おれは、このごはんせいで今、ここにいる。







つい半年前……





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