第2話

おれの名前は、後藤 トキ、年齢26歳、職業小説家。


「…………くそ胃がキリキリする……」




-おおきな川の見えるとある街の高層マンション-





………………


「無理だ……おれには、もうむりだ……なんでできる?なんで毎日、毎日、この精神の暗闇の中にいられる?おれには、おれには、もうむりだっ!もうムリだよ朝倉!?」


「はいはいはいストレス発散は、もう終わった?さぁまずは、部屋の明かりを着けよう。そして、空気の入れ替え!ただでさえこの部屋は、イカ……」


「…………」


「ああ……ごめんごめんほらみんな大好きミスタードーナッツ」


「…………」


こいつは、おれには、ミスタードーナッツさえあたえていればどうにかなると思っていやがる…………師匠には、毎回、虎屋の羊羮なのに……


「あーーーーーもーーーーーーうムリっっ!!今のおれには、ミスタードーナッツの甘さじゃもーーーーーーうムリっ!虎屋の羊羮よりもっと高い羊羮持ってこい!世界一高い甘い物持ってこい!!!」


………………


ミスタードーナッツのふたをあければそこに、高級風俗の割り引き券。おれは、そっと机に、向かいペンを走らせはじめる……







2時間後……







「後藤くん今日は、もう大丈夫そうね……じゃ私、会社戻るから。なにかあったらラインしてね!じゃがんばって……」


「…………」


そういうと悪魔は、そそくさとおれの部屋から出ていきやがる……女の、残り香だけをおれの部屋に、のこして……


「くそ」


……おれは、その言葉を聞くと、いつもどこかなにかひとりそこに、取り残されたような気がして、いっきに、さめるように、やる気を失う。


「…………」


ミスタードーナッツのイチゴチョコのかけらがやけに、ういているように、感じる……


よし1発抜こう!


その時だった


ドンドンどん!ピンポーンピンポーン


ビクッとなるおれ


けただましくなる部屋のドア音。そしてチャイム音。


「と~んく~んご~は~ん~だ~よ」


「くくちゃん!?」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る