第36話 古代の悪魔



◆◆◆



城塞都市ドロナック

城壁周辺


 リリアンの閃光の様な速さの抜刀と共にフィリップの首が地面に転がった。 


「もう一度聞く。

 リッキーリード様は何処にいるか

 知っているか?」


「リッキーリード様は城内に

 アンガス王討伐の為に向かわれた」


「ご苦労。

 お前達はリッキーリード様の

 配下の者か?」


「私はストラスの長

 ヴィクターロウ。

 祖父ジェームズロウが

 リッキーリード様に

 お使えしておりました。」


「ジェームズロウ殿か!

 私が幼い頃にお会いした事がある」


「私達はリッキーリード様の

 御復活を知り

 この度、我らの戦に

 御力をお貸し頂いております」


「なる程。

 やはり本当にリッキーリード様は

 復活なされたようだな!」


 そしてリリアンの背後からフィリップがむくりと起き上がり、頭部が再生を始めリリアンに襲いかかろうとした!


「これよりこれを

 リッキーリード様

 御復活の祝砲とする!」


 リリアンの全身から凄まじい魔力が溢れ輝き出した。


『ランサ・デ・サビオ!』


 リリアンはフィリップに振り返ると全身から30発近くの光の槍を放ちフィリップ王子の肉体は細切れの肉片と化した。


「こいつは…。

 一体何者なんだ…。

 今、この国で何が起こってるんだ?」


 ジェイは目の前で起こっている事に驚愕していた。

 


「さて。

 ここを片付けてリッキーリード様を

 お迎えに上がろう」


 辺りは依然、混沌に包まれていた。

 生み出されたアンデッド達は城壁の警備兵達を吸収し城壁内迄侵入し始めていた。


「リック!デューク!

 アンデッド共を一掃しろ!」


「「はっ!」」


 リリアンの両脇にいた男達はアンデッド達の討伐を開始した。


「レオナ!カイル!

 俺達も行くぞ!」


 キングジェイ傭兵団も加わりアンデッドの討伐を開始した。



 その時、ドロナック城最上階で大爆発が起こりそこから巨体な悪魔とリッキーリードが飛び出して来た。


「見ろ!

 あの神々しい御姿は

 正しくリッキーリード様だ!

 何と美しい御姿だ!

 彼こそが偉大なる我が主!」



◇◇◇


 俺はエクスプロージョンで城の屋根を吹き飛ばしバルバトスとの戦いが始まった。

 

 バルバトスは羽ばたき上空へ飛び出した。

 俺もそれを追いかけた。

 

 よし、飛翔魔法が使える。

 

 俺は飛翔魔法でバルバトスのあとを追った。


「飛翔魔法だと!

 何という奴だ!

 貴様は一体何なんだ!」


「俺はリッキーリードだ!

 世界の破壊の魔王と呼ばれている」


 バルバトスの周りに複数の魔法陣が出現し魔法を放った。


『シャロー・ローロー!』


 爆発しながら増幅増大する火球が俺に飛んで来た。


 俺は右手に魔力を集中した。

 

『フリージング・バレット』


 バルバトスの放った火球は爆炎ごと凍りつき地上に落下した。


「どうした?

 古代悪魔の術式ってのはこんなもんか?」


「お前は…悪魔か?」


「悪魔がそれを言うのか?

 面白い冗談だなおい…」


『ボーアンドアロー』


 俺が放った光の矢がバルバトスの片腕を弾き落とした。


「ええい!

 何でなんだ!

 たかが人間如きに!

 本当に俺の本気が見たいようだな!」


「何だ?ガッカリしてたとこだよ。

 はやくラスボスっぽいところを

 見せてくれよ」


「強がっていられるのも

 今の内だ!

 お前には本物の地獄を見せてやる!」


 バルバトスの肉体は更なる変形を遂げ出した。

 皮膚は剥がれ落ち血液は沸騰蒸発し始め、巨体な魔法陣が背後に現れた。

 

『デラ・ベオローマ』

 

 空が真っ黒に染まりバルバトスから赤いマナが放出され始めた。




        To Be Continued…

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