第2話
ここは地獄の一丁目。その総務部エリアの一室に昨年設立されたばかりの
構成人数は
「んで“傲慢”はなに見てんだにやにやしやがって気持ちワリィな」
確かに“傲慢”主任はさっきからずっと
「エリザベスちゃんですわ」
「なんだそれ、醜いアヒルのオバケみたいなアレか」
「なんです失敬な。我が家で飼っている猫ちゃんですわ。よろしい、特別に皆さんにも見せて差し上げましょう。我が家の美しいエリザベスちゃんを!」
そう言って社内SNSに画像が送られてくる。
それでいて
しかしそれ以上に。
「猫…にしてはでかくないかこれ」
アタシの向かい、つまり“色情”係長の隣に座っていた“強欲”先輩が呟く。
「先月計ったときは体重7kgほどございましたわね」
重いなあ。でも決して太っているわけではなくそういう種類の猫なのだそうだけど、いやあそれにしても大きい。
などと思っている間にも“傲慢”主任が
「さあさあどうぞ心行くまで御覧になってくださいまし。はあ、もう早く帰ってエリザベスちゃん吸いたい」
「「「「「「なんて」」」」」」
本人以外の全員が
「お仕事辛いですわあ、ああ愛しいエリザベスちゃん、あなただけが癒しですのよ。はやくわたくしにそのおなかを晒してくださいまし」
同じ制服を着ていても小物のセンスなどで
アタシ以外の5人も同じ
これはキツい。誰か、誰かなにか言って。アタシは
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