地獄OL“怠惰”ちゃん
あんころまっくす
第1話
「はぁ~もうつかれたッスわぁ」
デスクに突っ伏して目を閉じるとひんやり冷たい感触が頬に気持ちいい。
「おい“怠惰”まだ定時にもなってねえぞ。デスクで寝んのは昼休みだけにしろ」
デスクに足を乗せて椅子を傾け退屈そうにしている“憤怒”課長が
どこ吹く風のアタシが“怠惰”だ。
ぶっちゃけ
「寝てたいっス課長~」
「ア゛ア゛!?」
おっと。
「じゃなかった寝てないっス課長~、これはですねえ、デスクで涼をとってるんスよぉ、ほらほら目が開いてます、ぱっちり」
「半分閉じてんじゃねえかボケ」
デスクに頬ずりしながら
そうでなくても
「課長汚いので止めてください。あとあんまり大声や物音を立てるとまた隣室からクレームがきますので止めてください」
お誕生日席で怒っている“憤怒”課長の右前の席に座る美人、“色情”係長がまったく関心なさそうに、
では彼女がなにを見ているかと言えば、デスクに置かれた化粧鏡だ。
ちなみに家にあるやつは
いや引くわ。
「ハァ?だったらまず係長のオメェが注意しろってんだよナメてんのか。向かいの席だろうが鏡ばっか見てんじゃねえぞ」
次いで“憤怒”課長はその向かい、彼女の左手に座る“傲慢”主任に
「おい“傲慢”オメェもだぞ。
しかし当の“傲慢”主任は
「まことに残念ですけれど、わたくしのお目ん玉は真横が見えるところには付いておりませんわね」
“傲慢”主任のあまりの返事に“憤怒”課長が大きな溜息を吐いた。
「どんな減らず口だよこっちがビビるわ」
“憤怒”も一瞬萎えるほどの
「ビビったら負けでしてよ課長」
さらに追い打ちをかける“傲慢”主任マジ半端ない。
しかし
ただ、与えられた仕事は完璧以上にこなすが
絶望的に管理職に向いてない。
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