気遣い・心づかいは人から人へ
【登場人物】
南澤 翠恋(みなみざわ すいれん)
救急科医師兼看護師で、救急科のエース。他の外来スタッフ に対してイラッとすることは多いが決して顔に出さない。
患者やスタッフに絶対に怒らない。
(愚痴は結構言う)
(鈴縄先生には強いツッコミをする)
鈴村 晴稀(すずむら はるき)
とある離島の診療所で看護師の妻と運営をしている。
離島に住んでいる人の体調を日々管理しているが、自分自身も難病を患っている。
琴葉 澪月 (ことのは みづき)
同じ病院の精神科の看護師と結婚して苗字が変わったが、翠恋には旧姓で呼ばれている。相変わらず色んな病棟から呼ばれてどこにいるかわからない。
湊から晴稀の病状について聞いている。
鈴縄 湊 (すずなわ みなと)
精神科の医局長を務めている。
湊も晴稀のように、たまに毒を吐くようになった。
医局長なったおかげで、ドクターヘリの医師にも復帰できるようになったが、何故だかずっと断っている。
晴稀の妻の元上司
晴稀の病状を知っている。
鈴村 瑠華(すずむら るか)
晴稀の妻で、晴稀と一緒に診療所で看護師として働いてる。
元々は湊の部下だった。
晴稀の難病についてはまだ知らない。
霧島 悠人(きりしま ゆうと)
精神科と救急科を兼用している2年目の新人スタッフ。
よく翠恋と湊の行動を見て勉強している
【役表】
翠恋:♀:
晴稀:♂:
澪月:♀:
湊:♂:
瑠華:♀:
悠人:♂:
(湊役の方は救急科のスタッフ
翠恋役の方は精神科のスタッフの兼用を
お願いします。)
(途中に医療センターの受付役がありますが、誰でも大丈夫です!)
〜診療所〜
〜AM8:05〜
晴稀「さて、今日も頑張るか〜!痛てててて!昨日頑張りすぎたかな」
瑠華「大丈夫?」
晴稀「大丈夫、大丈夫。昨日頑張りすぎて筋肉痛になっただけだよ。」
瑠華「ならいいんだけど...」
晴稀「さて、今日も始めようか。」
瑠華「はい」
〜森戸川医療センター救急科〜
〜AM8:05〜
翠恋「おはようございます。」
澪月「翠恋ちゃん、おはよ。今日は霧島君は、救急科担当だっけ?」
翠恋「そうですね。今日は午前中が救急科で午後が精神科ですね。」
澪月「今日の霧島君の指導は私が担当するね。」
翠恋「いいんですか!? ありがとうございます!」
悠人「おはようございます。」
澪月「霧島くん、おはよ。今日は私がトレーナーになるからね。」
悠人「琴葉先生にトレーナーをしていただけるのは久しぶりですね。南澤先生は何か特別な用事があるんですか?」
翠恋「特別な用事はないよ。今日は私が1日中ヘリ担当だから、琴葉先生にお願いしてあるの。」
悠人「了解です。」
〜AM8:30〜
翠恋「じゃあ朝礼始めましょうか。」
悠人「はい。」
翠恋「今日、琴葉先生は霧島君の専属トレーナーになります。看護師はフライトナース専属スタッフの方にお願いしてあります。足らない場合は他の外来から手配します。以上です。今日もよろしくお願いします」
悠人「お願いします。」
澪月「ただいま。はぁ疲れたぁ。」
翠恋「櫻木先生、おかえりない。どこに行かれていたんですか?」
澪月「精神科にバトンタッチする患者さんがいたから、そのカルテを持ってってたの。なのに精神科は、そんなの聞いてないし〜みたいな対応されて、私が1から説明してきたのよ。」
翠恋「精神科のスタッフって対応が悪いって悪評高いですもんね。医局長はとってもいい人なのに、なんで続いていかないんですかね?」
澪月「医局長がいい人だからって対応が良くなるとは限らないからね。」
翠恋「そうなんですか?」
澪月「そうよ。鈴縄先生はビジバシ指導する人じゃないでしょ?」
翠恋「そうですね。どっちかって言ったら、褒めて伸ばすタイプですね。」
澪月「そうでしょ?たまにはビジバシ言ってもいいのにって私は思ってるんだけどね。そういうところは翠恋ちゃんの方が指導役として似合ってると思うわよ?」
翠恋「あ、ありがとうございます。褒めても何も出ませんよ?w」
澪月「何も欲しくないわよw」
澪月(M)「照れる姿がかわいいw」
翠恋「そろそろ霧島くんが研修朝礼から戻ってくる時間じゃないですか?」
澪月「そうね。いい時間ね」
悠人「戻りました。」
澪月(小声)「噂をすればw 」
澪月「霧島君、早速だけど昨日の復習からしましょうか。」
悠人「はい。」
〜離島の診療所〜
晴稀「瑠華、処置室の準備出来たか?」
瑠華「はい。アナウンスをかけても大丈夫ですか?」
晴稀「あぁ、頼むよ。」
瑠華「おはようございます。今日は〇月〇日〇曜日です。本日も診療所を開けますので、体調が少しでもおかしいと感じた方はお気軽にいらしてください。」
〜森戸川医療センター〜
湊M「今日霧島君は、午後出勤か午前中は救急科か。懐かしいなぁ...ドクターヘリ乗ってたりするのかな...」
ヘリ担当「ドクターヘリ出動要請です。」
翠恋「南澤です。」
ヘリ担当「空閑市消防からです。心タンポナーデ疑いの患者を搬送中。近場の病院は全て断られてしまい、森戸川救急センターに搬送の許可を求められてます。」
翠恋「搬送まで何分ですか?」
ヘリ担当「20分だそうです。」
翠恋「待機時間は?」
ヘリ担当「10分だそうです。」
翠恋(M)「今から来て30分経過だと確実に間に合わない」
翠恋「ヘリ飛べますか?」
ヘリ担当「空閑市方面視界良好、飛べます」
翠恋「分かりました。ドクターヘリ出動します。」
ヘリ担当「ドクターヘリ出動 ドクターヘリ出動」
澪月「」
~離島の診療所~
晴稀「瑠華?」
瑠華「どうしました?」
晴稀「...ごめん、ド忘れした。」
瑠華「最近、疲れてませんか?」
晴稀「そうか?」
瑠華「私にはそう見えますよ?今日は、診療所は午前中だけにしませんか?午後の訪問治療は私が行きますので午後は家に帰って、ゆっくり休んでください。」
晴稀「じゃあ、午後は頼んでもいいか?」
瑠華「はい。午前の診療だけにしますね。今からアナウンスしてくるので10分くらい診療所から離れますね。」
晴稀「わかった。」
晴稀M「いててて、最近妙に肩が痛むんだよなぁ。俺も年なのかなwでも医者は俺しかいないし、頑張らないとな。あ、また目眩が...」
瑠華「ただいまもどりました。先生?先生!先生!」
晴稀「瑠華か...」
瑠華「大丈夫ですか?」
晴稀「あぁ、ちょっと疲れてるだけだ。」
瑠華「でも!」
晴稀「俺は大丈夫だから。やばくなったら、休むから」
瑠華「わかりました。 絶対に無理しないでください!」
~森戸川医療センター~
受付(誰でも大丈夫です)
「お電話、ありがとうございます。森戸川医療センターでございます。」
瑠華「2年前にそちらの病院に医療スタッフとしていた、鈴村晴稀の妻の関口瑠華と申します。精神科の鈴縄先生につないでいただけますか?」
受付「確認いたしますので、お待ちください。」
~精神科~
精神科スタッフ「はい、精神科です。」
受付「鈴縄先生はいらっしゃいますか?」
精神科スタッフ「局長ですか?おまちください。」
コンコンコン
精神科スタッフ「局長失礼致します。」
湊「どうしました?」
精神科スタッフ「局長、受付から局長あてにお電話が」
湊「繋いでいただけますか?」
精神科スタッフ「かしこまりました。」
湊「お電話変わりました、鈴縄です。」
受付「2年前に救急科の医療スタッフとして働いていた、鈴村先生の奥様を名乗る方から、鈴縄先生宛にお電話が来ているのですが、どういたしますか?」
湊「すぐつないでください。」
湊M「鈴村先生の病気が悪化しているのか?でも関口さんには言ってないはず」
瑠華「お久しぶりです。」
湊「関口さん、お久しぶりです。どうしました?」
瑠華「最近、主人の様子がおかしいんです。」
湊「というと?」
瑠華「今日、私が診療所を10分くらい離れて帰ってきたら倒れいたんです。ただ一時的な失神だったみたいで、すぐまた診察室に戻ったんですが、心配で」
湊「関口さんが、診療所にいたときに体が痛いって言ってませんでしたか?」
瑠華「腰と肩が痛いって言ってました、ただ本人はただの筋肉痛だから、大丈夫って言ってたんです。」
湊「なるほど...」
湊M「明らかに病状が進行してるな...」
瑠華「また、主人を診察していただけないませんか?」
湊「わかりました。ただ、現在離島に近いところに別院がないので、いつ行けるかわからないですけど、早めに行けるようにします。」
瑠華「ありがとうございます。」
~通話終了後~
湊「急用ができたので、救急科に行ってきます。何かあったら僕のスマホに連絡ください。」
精神科スタッフ「かしこまりました。」
~救急科~
湊「お疲れ様です。」
悠人「鈴縄先生、お疲れ様です。救急科に用事ですか?」
湊「はい。琴葉先生はいますか?」
悠人「琴葉先生ですか?琴葉先生なら奥で作業をしているはずなので、呼んできましょうか?」
湊「お願いします。」
悠人「琴葉先生、救急科のステーションに鈴縄先生がいらしてて、琴葉先生に用事があるみたいです。」
澪月「わかった、すぐ行くわ。霧島くんこれ全部コピーし終わったら、持ってきてくれる?」
悠人「わかりました。」
澪月「鈴縄先生、どうしました?」
湊「琴葉先生、今日って日勤ですか?」
澪月「日勤ですけど、どうかしました?」
湊「僕もちょうど日勤なんで、一緒に帰りませんか?」
澪月「いいですよ。そんなことなら私のスマホ鳴らしてくれたらいいのにw」
湊「今日とある人からついさっき連絡が来て」
澪月「???」
湊(小声)「鈴村先生の病状について話したいんです。」
澪月「了解です。終わったら、連絡しますね。」
湊「はい。」
悠人「鈴縄先生、休憩終わったら精神科行きます。」
湊「もう、そんな時間ですか?わかりました。前回渡した精神科資料を持ってきてください。」
悠人「わかりました。」
~精神科~
湊「戻りました。」
精神科スタッフ「あっ、鈴縄先生、南澤先生からご伝言があります。」
湊「南澤先生がこちらにいらしたのですか?」
精神科スタッフ「そうではなくて、お電話があり、録音してあります。」
湊「わかりました。録音したものを僕のスマホに送ってください。」
精神科スタッフ「わかりました。」
湊「届きました。ありがとうございます。」
精神科スタッフ「はい、精神科です。」
翠恋「救急科の南澤です。鈴縄先生、いらっしゃいますか?」
精神科スタッフ「今、局長は席を外しております。局長に申し伝えましょうか?」
翠恋「お願いします。」
精神科スタッフ「なんと、伝えたらよろしいでしょうか?」
翠恋「琴葉先生から聞きました。詳細を聞きたいのですが、返答は私のスマホを鳴らしてください。と伝えて頂けますか?」
精神科スタッフ「承知致しました。局長に申し伝えます。」
湊M「南澤先生も琴葉先生から聞いたんだ。南澤先生の休憩時間聞いときゃ良かった。あ、確かちょうど霧島くん今休憩中だった気が...聞いてみるか...」
悠人「はい、霧島です。」
湊「霧島くん、南澤先生の休憩時間ってわかったりしますか?」
悠人「南澤先生の休憩時間ですか?確か今日はヘリ担当だった気がしたので、あと30分後だと思いますよ。」
翠恋M「なんなの!あの看護師!他の外来から来たからって、こっちではあーだったとかうるせーよ!」
悠人「ちょうど南澤先生が来たので変わりますね。」
翠恋「あっ、お疲れ様、霧島くん」
悠人「お疲れ様です。南澤先生、鈴縄先生が南澤先生に用があるみたいで、今ちょうど電話が繋がってるんです。」
翠恋「電話貸してくれる?」
悠人「はい。」
翠恋「お電話変わりました。南澤です。」
湊「お疲れ様です。スタッフから聞きました。今日琴葉先生と一緒に帰る約束をしてるので、南澤先生もし日勤でしたら、一緒に帰りませんか?」
翠恋「ごめんなさい。今日私遅番なんです。」
湊「じゃあ3人で夜ご飯行きませんか?」
翠恋「私はいいですよ!」
湊「じゃあ琴葉先生にも言っておきますね。」
翠恋「私が言っておきますよ?外来一緒ですし。」
湊「じゃあお願いします。」
翠恋「了解です。返答は鈴縄先生のスマホで大丈夫ですか?」
湊「大丈夫です。ただ、午後は忙しくなる可能性があるので、出れなかったら必ず折り返ししますと伝えておいて貰えますか?」
翠恋「わかりました。言っておきますね。」
~通話終了後~
悠人「僕、そろそろ休憩終わるので先に行きます。」
翠恋「あ、霧島くんちょっと待って!」
悠人「はい?」
翠恋「櫻木先生に会ったら、私に声掛けてくださいって言っておいてくれる?」
悠人「櫻木先生ってどなたですか?」
翠恋M「あっ、もう櫻木先生じゃなかった」
翠恋「琴葉先生に言っておいてくれる?」
悠人「わかりました。言っておきます。」
翠恋「ありがとう!」
~救急科~
澪月「お疲れ様、霧島くん」
悠人「琴葉先生、お疲れ様です。南澤先生から伝言で、見かけたら、声をかけてくださいとの事です。」
澪月「わかった。ありがとうね。で霧島くんは午後から精神科だったよね?」
悠人「はい。」
澪月「じゃあ1つ頼み事していい?」
悠人「なんですか?」
澪月「この資料、鈴縄先生に渡してくれる?あっ、中身見ちゃダメだよ?」
悠人「あ、はい。」
澪月「よろしくね。」
悠人「はい、わかりました。」
~精神科~
悠人「お疲れ様です。鈴縄先生はどちらへ?」
精神科スタッフ「霧島先生、お疲れ様です。局長は他の外来に行っているのであと5分くらいで戻ってくると思いますよ」
悠人「わかりました。鈴縄先生が帰ってきたら、僕は研修室にいますと言っていただけますか?」
精神科スタッフ「わかりました。」
~研修室~
悠人「さてと、前回の復習と今回の予習の資料をコピーしないと」
湊「霧島君、おまたせしました。スタッフから研修室にいるから声をかけてほしいって言われたんですけど何か用事ですか?」
悠人「これ、琴葉先生から鈴縄先生に渡して欲しいと言われていた資料です。」
湊「霧島くんありがとうございます。やっと揃った。これで治療の研究の続きができる。」
悠人「鈴縄先生、2つ気になったことがあるんですが、聞いてもいいですか?」
湊「どうぞ?」
悠人「まず、1つめが、その資料はなんですか? 2つめが、治療って誰の治療ですか?」
湊「資料っていうのは、琴葉先生が僕にくれた資料のことですよね?この資料は前にこの病院に勤めていた先生の資料です。2つめ治療というのはその先生が今患ってしまった病気のことについてです。」
悠人「その先生というのは?」
湊「南澤先生や琴葉先生から聞いていないんですか?」
悠人「一切聞いていないです。南澤先生からはこういう話は一切聞いてないですし、琴葉先生はこの資料の中身は見ちゃダメだよってら言われましたし。」
湊「確かにこの資料は個人情報が詰まっているカルテなので、担当医以外の先生に見せる訳には行かないですからね。」
悠人「その先生、そんなに有名な先生だったんですか?」
湊「有名でしたよ。今も当時も」
悠人「スタッフ情報に書いてあるんですか?」
湊「確か書いてありますよ。えーっと鈴村晴稀っと...あ、あった、これです。」
悠人M「鈴村晴稀って専門時代に特別講座をしてくれたあの?...」
湊「霧島君?」
悠人「あっ、すみません。この先生の名前をどこかで聞いたことがあるなと思って」
湊「鈴村先生はこの病院に在籍中に、学会によく出席されていた先生なので、名前を聞いたことあるとしてもおかしくは無いですよ。」
悠人「その先生の論文を図書室で調べてきてもいいですか?」
湊「いいですよ。図書室行くのであれば、僕も用事があるので一緒に行きますよ。」
悠人「鈴縄先生は、何を調べに行くんですか?」
湊「それは、まだ霧島君には早いので、まだ教えません。」
悠人「えー!!鈴縄先生のケチ!!!」
湊「いずれわかりますよ。」
悠人「じゃあ、ヒントだけ!ヒントだけください!!!」
湊「ヒントですか?いいですよ。じゃあ僕が読んでいる論文を読めたらお教えしますよ。」
悠人「日本語じゃないんですか?」
湊「それは、僕が今日見る論文を僕が見た後に、見てみてください」
悠人「わかりました。ところで琴葉先生はご結婚されてるんですか?」
湊「1年前にご結婚されているはずですが、どうかしました?」
悠人「さっき南澤先生と話した時に琴葉先生の櫻木先生と間違えていたので、もしかして琴葉先生はご結婚されているかなと思って。」
湊「琴葉先生の旧姓が櫻木先生なんですよ。南澤先生は今も琴葉先生のことを櫻木先生と呼んでいるので、普段の呼び方で呼んでしまったんだと思いますよ。」
悠人「そうなんですね。」
~図書室~
湊M「鈴村先生の病気についての論文が確かこの辺に...あっあった。これだ」
悠人M「...これだ。えーっと、鈴村晴稀、医療学会に6回出席、その内4回は最優秀賞を取得。20xx年度の医療学会を無断欠席、その後当医療センターを退職、その後行方が不明。」
悠人M「行方が不明⁉」
湊M「神経脊髄変性症についての論文...これが僕に残してくれた、遺言...いつか使ってねって言われたけど、いつ使えるか正直わからなかった。
だけどやっと使える時が来た...5年の月日が流れたけど、やっと使える。ありがとう彩禰。」
悠人M「この情報、本当かどうか鈴縄先生に聞いてみよ」
翠恋「あれ?霧島君?」
悠人「南澤先生、お疲れ様です。南澤先生も調べものですか?」
翠恋「うん。ちょっとね。霧島君も?」
悠人「はい。鈴村晴稀先生について調べてました。」
翠恋「鈴村晴稀って、その名前どこで聞いたの?」
悠人「鈴縄先生です。」
翠恋「そう。鈴縄先生がね...わかった。ありがとう」
悠人「はい。」
悠人M「もしかして地雷踏んじゃった?」
翠恋「鈴縄先生、少しお話をしたいんですがよろしいですか?」
湊「いいですよ。ただ、ここだとあれなので場所を移動しましょう。」
翠恋「わかりました。」
~談話室~
湊「ここなら話せると思いますよ。話したい内容って何ですか?」
翠恋「霧島君に鈴村先生のことを教えたんですか⁉」
湊「僕がですか?教えてないですよ。」
翠恋「じゃあ、なんで霧島君が鈴村先生の名前を知ってるんですか⁉」
湊「名前は教えましたよ?ただ、それ以外のことは教えてないです。」
翠恋「やっぱり教えたんじゃないですか⁉どうするんですか⁉新人を巻き込んで、大事にでもなったら!!!」
湊「大丈夫ですよ。離島の病院を開院したことも、ご結婚されていることも言ってないので」
翠恋「大丈夫じゃないですよ!!!これは櫻木先生にご報告させていただきます。」
湊「報告してもらって大丈夫ですよ。ところで南澤先生も霧島君の前で琴葉先生のことを櫻木先生で呼んで、霧島君が混乱してましたよ?」
翠恋「それは...ただ間違えただけです!!私は鈴縄先生と違って、ほかの仕事もあるので、これで失礼します!!」
湊「南澤先生、そんなにイライラしてると、余計に疲れちゃいますよ?」
翠恋「べ、別にイライラしてないですよ!」
湊「イライラしてると、霧島君も不安になっちゃうので、2年前みたいにフレッシュな気持ちでお仕事してみてください。」
翠恋「わ、わかりました。」
湊「僕は基本的に精神科にいるので、愚痴りたかったら気軽に来てくださいね。あと夜ご飯は、和食にしませんか?」
翠恋「私は何でもいいので、櫻木先生に聞いてください。」
湊「じゃあ、琴葉先生に伝えておいてくれませんか?」
翠恋「わかりました。」
悠人「鈴縄先生、ここにいらっしゃったんですね。」
湊「勝手に移動してすみません、南澤先生と少しお話していたんです。」
悠人「そうだったんですね。ところで鈴村晴稀先生の行方が不明ってどういうことですか?あんなに優秀な先生が突然にいなくなるって、何かの事故や事件にでも巻き込まれたんですか?」
湊「事件や事故に巻き込まれたわけじゃないです。いずれわかることなので、またいつかお話ししますね。」
悠人「わ、わかりました。」
~救急科~
澪月「翠恋ちゃん、お疲れ様。調べ物は済んだの?」
翠恋「あ...忘れてました。」
澪月「何のために図書室に行ったのよw」
翠恋「それどころじゃないんです!聞いてください櫻木先生!!」
澪月「私は逃げないからゆっくり話しなさいw」
翠恋「鈴縄先生が霧島君に、鈴村先生の名前を教えたんです!!」
澪月「それくらいだったら大丈夫よ。」
翠恋「それだったらいいんですけど...」
澪月「名前を教えただけでしょ?データは失踪する前からは更新されていないんだから、大丈夫よ。
それより鈴村先生の病状が悪化してないか心配。関口さんから何も来ていないといいんだけど...」
翠恋「関口さんって、確か鈴村先生の奥様でしたっけ?」
澪月「そう。鈴村先生が離島の診療所の院長にスカウトされて、離島に行くことになったの。本当は鈴村先生が単身赴任で行ったんだけど、後々奥さんが看護師ってことが離島の診療所の院長さんが知って、奥さんもスカウトされて、2人で移住することになったらしいの。」
翠恋「そんな出来事が...あったんですね。私は鈴村先生が単身赴任で離島に行くことしか聞いていなかったので、まさか奥さんも行ってたなんて知らなかったです。
しかも鈴村先生がこの病院を辞める日は私休みだったので、見送りができなかったんです。」
澪月「そうね、そういえば翠恋ちゃんいなかったわね。」
翠恋「そうです。休みだったので」
当直スタッフ(誰でもOKです)「お疲れ様です。」
澪月「お疲れ様です。あら?もうこんな時間だったのね。さて、私はお先に失礼するわね。翠恋ちゃん、またあとでね」
翠恋「はい。」
~仕事終了後~
湊「お疲れ様です。」
澪月「お疲れ様、さてごはん屋さん行きましょ~?今日はおなか減っちゃった!」
翠恋「私もおなか減りました~!!早く行きましょ?」
湊「2人ともそんなに早くいかなくてもwごはん屋は逃げないですよ?w」
澪月「ごはん屋さんは逃げないかもしれないけど、私たちのおなかの減り具合は変わるんだもん、早くしないとおなか一杯になっちゃうもん!w」
翠恋「美味しそうなメニューがいっぱい!何がいいかなぁ...」
澪月「鈴縄先生はいつも雰囲気がいいお店探してくれるわよね。どうやって探してるの?」
湊「食べログとかRettyとかの星が高いお店を選んでるだけですよ?」
澪月「ほんとぉ?こんなおしゃれなお店ってお高いイメージだけど、値段も手軽だし、ほんとに食べログで見つけたの?」
翠恋「もしかして彩禰さんから教えてもらったとか?」
湊「違いますよwこのお店は前にこの辺を通りかかっていいお店だなって思っていたんです。」
澪月「なるほどね。翠恋ちゃん決まった?」
翠恋「はい!決まりました!鈴縄先生と櫻木先生はもう決まってるんですか?」
澪月「私は店頭のポスターで書いてあったメニューにする。鈴縄先生は?」
湊「僕もポスターに書いてあったメニューにします。」
翠恋「さてと今日の食事会は、もしかして鈴村先生のことですか?」
湊「その通りです。昼間に話を終わらそうと思ったんですけど、霧島君がいたので仕事終わりに食事でもしながら3人で話せないかなって急遽食事会を開いたんです。」
澪月「なるほどね...確かに霧島君の前では鈴村先生のことは話しにくいわよね...翠恋ちゃんから霧島君は鈴村先生のことを憧れてるって聞いたし」
翠恋「霧島君は、大事な研修医なんですから。霧島くん、私がトレーナーをしている時から鈴村先生がかっこいいってずっと言ってるんです。だから今の鈴村先生の状態を聞いたらショック受けちゃうんじゃないかって思って」
湊「そうですよね。今日の午後に一緒に図書館にに行くときに鈴村先生の名前を出したときに神妙な顔してて多分どこかであったりしてるかもしれないです。」
澪月「そうかもね。今日、私が救急科で研修していた時に、鈴村先生のお話をちょこっとしたのよ。」
翠恋「そうなんですか⁉ いわれてみれば、私がトレーナーの時も鈴村先生のこと聞いてきたんです。ただなんでそんなこと知ってるの?っていう質問してきたんです!」
澪月「どんな質問だったの?」
翠恋「確か、鈴村先生は専門学校とか大学とかで講演をしていますか?みたいな質問をしてきたんです。」
澪月「確か鈴村先生が卒業した専門校の後輩だったような気がする。」
湊「霧島君が卒業した専門校は、鈴村先生が卒業した専門校と一緒ですよ。だから多分あったことあるんじゃないかなって思ってます。」
~2年前の回想~
湊M「ついにこの日が来たか...これが夢だったらいいのにな」
澪月M「この救急科からエース2人がいなくなる日が来ちゃったのね...」
晴稀M「今日の午後の便で離島に向かう、俺1人で」
瑠華M「本当は私も行きたかった。なのに晴稀がお前は来るなって言われちゃった...私って役立たずなのかな...」
~救急科~
澪月「とうとう鈴村先生と鈴縄先生がいなくなっちゃうのね。エース級の同期が2人もいなくなるなんて、悲しいわ。」
湊「鈴村先生は離島に行っちゃうので、次いつ会えるかわからないですけど、僕は科が違うだけでこの病院にはいるのでそんなに悲しまないでくださいよ?w」
晴稀「俺は離島に行っちゃいますけど、帰ってこれるときはできるだけ帰ってきますから。しかも妻はこの病院に残りますし、そんなに寂しがらないでくださいよw」
瑠華「離島に着いたら連絡ちょうだいね。」
晴稀「それはもちろんするよ。」
晴稀「俺は飛行機の時間もあるので、そろそろ行きますね。」
湊「僕もそろそろ精神科から連絡が来そうなので、行きますね。」
澪月「2人とも2年間ありがとうね。一緒に働けて良かったわ。」
晴稀「俺もです。櫻木先生と鈴縄先生と働けて良かったです!いい勉強をさせていただきました。」
湊「お礼を言うのは僕のほうですよ。精神科と救急科との両立の件の相談に一番乗っていただいたのは、鈴村先生と櫻木先生とだったので、すごく心強かったです。」
晴稀「2年間、お世話になりました。ありがとうございました」
湊「2年間、いい勉強をさせてもらいました。ありがとうございました。」
湊「鈴村先生、体調が悪くなったら、すぐ連絡くださいね、飛んでいきますから。」
晴稀「わかりました。鈴縄先生、妻をよろしくお願いします。」
湊「その件はお任せください。」
~回想終了~
~次の日~
翠恋「もし、鈴村先生からSOSが来たら櫻木先生は行くんですか?」
澪月「できるだけ行きたいけど、仕事もあるし旦那にも心配かけちゃうしどうしようかなって考えてるのよ。ただ」
翠恋「ただ?」
湊「お疲れ様です。」
翠恋「鈴縄先生、お疲れ様です。何か用ですか?」
湊「救急科に用事というか、琴葉先生と南澤先生に用事があって」
澪月「私と翠恋ちゃんに?どうしたの?」
湊「鈴村先生の件で」
澪月「もしかして鈴村先生から連絡来たの?」
湊「鈴村先生本人から出ないんですけど、連絡は来ました。」
澪月「鈴村先生本人じゃないってまさか⁉」
翠恋「関口さんでしたっけ?鈴村先生って確か奥さんがいらっしゃったような。」
湊「南澤先生の言う通り、関口さんから直接僕に来ました。」
澪月「関口さんはなんて言ってたの?」
湊「鈴村先生の様子が最近おかしいといわれました。」
澪月「具体的にはなんて?」
湊「最近、ずっと腰痛と肩こりがひどいらしいんです。プラス一時的な失神もあったとか。」
澪月「腰痛と肩こりはPC作業もあるからその可能性があるとして、失神は何かの病気が陰に隠れてる可能性が高いから、今月中には診療所にはいったほうがいいとおもうわ。ただ」
翠恋「鈴縄先生は精神科の管理もあるしなかなか行けないんじゃ?」
湊「僕の場合は大丈夫ですよ。今週中には飛べるので」
澪月「鈴縄先生だけじゃ、心もとないでしょ?翠恋ちゃん、鈴縄先生と一緒に行ってあげて。」
翠恋「私ですか⁉私が行ってもただの役立たずですよ?」
澪月「大丈夫よ。翠恋ちゃんは医師免許のほかに看護師の免許も持ってるじゃない。医師2人よりも医師と看護師のコンビのほうがいいと思うわよ。だし私の自慢の部下だしね」
翠恋「櫻木先生がそこまで言うなら...わかりました。鈴縄先生と行きます。」
湊「南澤先生が来てくれるのは、すごくありがたいです。では今週の土曜日に行きませんか?」
翠恋「4日後ですね。わかりました。」
~救急科医局室~
コンコンコン
翠恋「医局長失礼します。」
医局長「南澤先生、どうしました?」
翠恋「3日後から2ヶ月休暇を頂きたく、申請に来ました。」
医局長「急ですね、何なありましたか?」
翠恋「私の大切な友人の治療に専念したいんです。」
医局長「友人の方ですか?それは南澤先生には関係ないと思うですが...」
翠恋(食い気味に)「これ以上医局長に伝えることはないので、とっとと2ヶ月休暇をください。」
医局長「とっととって、私はあなたの上司ですよ?言葉遣いを考えたらいかがですか?」
翠恋「上司って、笑わせないでくださいます?親が医療センターの院長でそのコネで医局長になった方ですよね?現場のことをなんにも知らないくせに2ヶ月休暇の許可を下ろさないのは何か問題でもあるんですか?」
医局長「問題はありますよ!」
翠恋「例えば?」
医局長「現場の人が足りなくなる、現場指揮者がいなくなるって言う問題が発生します。」
翠恋「現場の人は救急科には人いっぱいいるじゃないですか?育てなくても良いっていう指示はあなたでしたよ?それに私が引き継ぎ無しで休暇を取ると思いました?先程局長は現場指揮者が居ないという問題が発生すると仰っていましたが、現場指揮者ができるのは私や琴葉先生以外にも沢山いらっしゃいます。」
湊「でいきましょうか。」
翠恋「そうですね。」
澪月「救急科のことは私に任せなさい。あと霧島君のこともね。」
翠恋「櫻木先生、ありがとうございます。」
澪月「行ってらっしゃい。」
翠恋・湊「行ってきます」(そろえなくてOKです)
翠恋M「そして私と鈴縄先生は、離島に飛んだ。」
翠恋「ここが、鈴村先生の住んでる離島ですか?」
湊「そうですよ。それにしても...」
翠恋「人がいない!」
湊「とりあえず、診療所に向かいましょう。」
翠恋「はい。」
~診療所~
瑠華「こんにちは、今日はどうしました?」
翠恋「私、患者じゃなくて」
瑠華「え?」
湊「関口さん、お久しぶりですね。」
瑠華「鈴縄先生!お久しぶりです。」
湊「鈴村先生はどこにいらっしゃいますか?」
瑠華「診察室にいますよ。案内しますね。」
~診察室~
瑠華「先生、お客様がいらっしゃいましたが、ご案内してもいいですか?」
晴稀「お客様?診察室に案内してくれ。」
湊「失礼します。お久しぶりですね。鈴村先生。」
晴稀「え?鈴縄先生に南澤先生!?どうしたんですか?」
翠恋「どうしたんですか?じゃないですよ!体調が悪化したら呼んでくださいって言ったじゃないですか!!!」
晴稀「俺は平気ですよ?」
翠恋「何が平気ですか⁉前よりあざが増えてるじゃないですか!」
湊「南澤先生、お説教はそこまでにして、鈴村先生の診察が先です。」
翠恋「あっ、すみません。」
晴稀「俺の診察ですか?」
湊「はい。実は関口さんから僕にお電話をしてくださったんです。鈴村先生の体調が日に日に悪化してると。だから南澤先生とここに来たんです。」
晴稀「そう...だったんですか...でも午後も訪問診療があって今診察受けるにはいかないんです。」
翠恋「そういうと思って2ヶ月間特別欠勤を申し出てきました。だから大丈夫ですよ。」
湊「僕も2ヶ月間特別欠勤を申し出てきました。」
晴稀「でも、診療所は俺がやらないと...」
瑠華「診療所は鈴縄先生と南澤先生と私に任せてゆっくり休んでください。」
晴稀「でもこの離島の中に医師は俺しかいないんです」
翠恋「大丈夫です。その件は関口さんがやってくれてるので!」
晴稀「え?」
瑠華「昨日のうちに今日の午後から診療する先生がしばらく変わりますというチラシを配ってあるんです。」
晴稀「瑠華は、相変わらず仕事が早いな...」
晴稀が倒れる
翠恋「鈴村先生⁉」
湊「とりあえず、ベットに移動させましょう。」
瑠華・翠恋「はい!」(そろえなくてOKです)
~1日後~
晴稀「あれ???またか...」
翠恋「鈴村先生、気づきました?」
晴稀「南澤、なんでここに?」
翠恋「とりあえず、鈴縄先生呼んできますね。」
湊「鈴村先生、気づきました?」
晴稀「鈴縄先生もなんでここに?」
湊「鈴村先生、お久しぶりですね。でも昨日からいるんです。」
晴稀「え?でも昨日は午後は休診して家に帰って疲れすぎて寝た気がしますけど...」
湊M「やっぱりか...進行してるな...」
翠恋「鈴村先生、今どこにいるかわかりますか?」
晴稀「あれ?診療所?俺昨日家に帰ってなかったのか?」
湊「鈴村先生、森戸川医療センターで精密検査受けませんか?」
晴稀「大丈夫ですよ!どうせ持病の一過性全健忘ですから。俺は今から訪問診療に行かないと...」
晴稀は立った瞬間ふらつく
湊「おっと、鈴村先生これも持病の影響だと思います?」
晴稀「これはただの疲れすぎですよ。大丈夫大丈夫!いててて」
瑠華「大丈夫!?」
晴稀「ああ、大丈夫だこのくらい。ただ頭が痛いだけだから。」
瑠華「晴稀、お願い。精密検査受けて?私、晴稀が死んじゃうのだけはいやなの...
だから...(泣きそうになってる)」
晴稀「瑠華...わかった...精密検査受ける。ただ条件が1つあります。」
翠恋「その条件っていうのは?」
晴稀「この診療所を続けていてほしいんです。この島にはこの診療所がここしかないので。」
湊「わかりました。」
翠恋「それは私と鈴縄先生と関口さんにお任せください。」
瑠華「この診療所は私はつぶす気はないので、安心して検査受けてきてください。」
晴稀「ありがとう。でも検査行く日までは診療を続けるよ。」
瑠華「その件は、鈴縄先生がやってくれるので、ゆっくり休んでください。」
晴稀「何から何まですみません。」
湊「大丈夫ですよ。訪問診療は南澤先生と関口さんで行ってもらえますか?」
翠恋「わかりました。ただ私も専門外が出てきてしまうのでその時は鈴縄先生お願いします。」
湊「わかりました。南澤先生、琴葉先生に連絡しもらえますか?」
翠恋「櫻木先生ですか?わかりました。」
澪月M「こんな時間に電話?」
澪月「はい、琴葉です。」
翠恋「お疲れ様です。南澤です。」
澪月「翠恋ちゃん!こんな時間にかけてきてどうしたの⁉」
湊「お疲れ様です。琴葉先生。」
澪月「わお、鈴縄先生じゃない!翠恋ちゃんの携帯からかけてきてどうしたの?」
湊「琴葉先生に頼みごとがあって。」
澪月「頼み事?私できることなら。」
湊「救急科と精神科の入院用ベットを1つずつ空けといてほしいんです。」
澪月「救急科のベットは空けておくことはできるけど、私精神科担当じゃないから精神科のベットを空けることはできないかも。」
湊「ちなみに今って霧島君います?」
澪月「いるわよ。代わる?」
湊「お願いします。」
澪月「ちょっと待ってて。」
悠人「お電話代わりました。霧島です。」
湊「お疲れ様です。霧島君。」
悠人「鈴縄先生、お疲れ様です。精神科のベットのことですよね。」
湊「もしかして琴葉先生から聞きました?」
悠人「はい。精神科のベットはまだ空きがあると思うので今のうちにオーダーに入れておきます。誰の名前でオーダーしますか?」
湊「僕の名前で大丈夫です。救急科のベットは南澤先生の名前でオーダーをお願いします。」
悠人「わかりました。オーダーしておきます。」
湊「ありがとうございます。琴葉先生に代わってもらえますか?」
澪月「隣にいるわよ。」
湊「じゃあ、話が早いですね。琴葉先生と霧島君のどちらか離島に来ていただけますか?」
澪月「私はいけるけど、そうすると霧島君の指導者がいなくなっちゃうのよ。」
湊「精神科の指導者は?」
澪月「いないわよ。だから今は救急科専属になってるのよ。」
湊「精神科の指導者がいない⁉引継ぎはしておいたはずですが?」
悠人「鈴縄先生がいなくなってすぐはいたんですけど、最近精神科が急に忙しくなって、研修医を見る余裕がなくなって、鈴縄先生が戻ってくるまでは救急科専属で言われてしまって。」
湊「そうなんですね。じゃあ2人で来てもらってもいいですか?」
澪月「わかったわ。何日に来てほしいとかってある?」
湊「できるだけ早くお願いします。」
悠人「わかりました。僕は今日最終便で行きます。」
澪月「私は引継ぎとかあるから、早くて明後日かもしれない。できるだけ早く行くから。」
湊「了解です。待ってます。」
そして霧島君が先に来てくれた。
翠恋「霧島君、来てくれてありがとう。」
悠人「琴葉先生はわかりますけど、なんで僕まで呼んだんですかね?」
翠恋「さぁ?私にはわからない。多分指導者がいなくなるからじゃない?」
悠人「そんな理由⁉」
翠恋「そういう理由でしか呼ばないでしょ?ところで精神科の指導者がいないってどういうこと?」
悠人「鈴縄先生との電話聞いてたんですか?」
翠恋「うん。でも作業をしてたから声は出せてなかったけど。」
悠人「精神科の指導者の先生が急に別院の精神科の管理者になって、引継ぎもやらずに行っちゃったらしくて、そこからバタバタしてて研修医を見る余裕がないからって僕を含めた研修医全員、別の科に行かされることになったんです。」
翠恋「何それ⁉そんなことある⁉」
悠人「森戸川ではなかったんですか?」
翠恋「私が働き始めてからは1度もなかったかな。でも琴葉先生は何回かあった気がするけど...」
悠人「琴葉先生は、日帰りで帰ってきたんですか?」
翠恋「うん。いつも16時前までには帰ってきてたよ。」
悠人「精神科って出入り多いんですかね。」
翠恋「確か今年、精神科の管理者が変わって、方針が変わったって聞いたけど」
悠人「精神科の管理者って鈴縄先生じゃないんですか?」
翠恋「鈴縄先生は、精神科医局長でしょ?精神科管理者とはまた別なの。」
悠人「方針って具体的に何が変わったんですか?」
翠恋「それは鈴縄先生から聞いて。」
悠人「はい。」
翠恋「ここが診療所。」
翠恋「鈴縄先生、霧島君来ました。」
湊「南澤先生、お疲れ様です。」
翠恋「鈴縄先生、鈴村先生は?」
湊「今は、鎮痛剤で抑えてるので点滴管理お願いしてもいいですか?」
翠恋「わかりました。導入剤は?」
湊「それもお願いします。」
翠恋「わかりました。関口さん、Wチェックお願いしてもいいですか?」
瑠華「はい。今行きますね。」
悠人M「医療センターより忙しそう...」
湊「おっと...霧島君、お疲れ様です。」
悠人「鈴縄先生、お疲れ様です。そちらの方は?」
瑠華「関口瑠華と申します。以前鈴縄先生と一緒に働いていたんです。」
湊「関口さんは僕の元部下で、今は鈴縄先生の奥様です。」
悠人「鈴縄先生って、もしかしてあの?」
湊「そうですよ。霧島君が調べていた方です。」
悠人M「伝説の先生についに会える...!」
湊「霧島君、鈴縄先生のことは今は期待しないほうがいいですよ。」
悠人「あ、はい。」
翠恋「霧島くん、鈴村先生に会ってみる?」
悠人「会ってみたいです。」
湊「鈴村先生に、期待はしないでくださいね。」
悠人「わかりました。」
晴稀「瑠華、お茶をくれないか?」
瑠華「今、持っていきますね」
悠人M「あのベッドにいる人が鈴村先生?」
湊「鈴村先生、紹介したい方がいるんですけどいいですか?」
晴稀「いいですよ。」
湊「霧島君、来ていいですよ」
悠人「初めまして。霧島悠人と申します。」
晴稀「もしかして、研修医?」
悠人「医者1年目です。」
晴稀「南澤先生が泣き虫だったころを思い出すw」
翠恋「鈴村先生、や、やめて下さい(照)もうあれから2年も経つんですから」
湊「いいじゃないですかw南澤先生にまだ初々しさがあった頃なんですからw」
翠恋「もう私に初々しさがない!みたいなこと言わないでください!てか霧島君が話についていけてないですよ。」
湊「おっと、失礼しました。こちらが霧島君が会いたがってた鈴村晴稀先生ですよ。」
晴稀「自己紹介が遅れてしまってすみません。鈴村晴稀と申します。鈴縄先生と同期で櫻木先生の2コ後輩です。」
悠人「櫻木先生?」
湊「鈴村先生、実は櫻木先生はご結婚されて琴葉先生になったんですよ。」
晴稀「そうなんですか⁉櫻木先生のあの美貌だったらそろそろご結婚されるんじゃないかって思ってましたねwこの話は南澤先生にはまだ早かったですかね?w」
翠恋「早くないですよ!私だって早く結婚したいですよ!」
悠人「かっこいい」
晴稀「うれしいw」
瑠華「珍しいw晴稀さんが照れてるw」
晴稀「俺だって、照れることぐらいあるよ!」
翠恋「雑談はこれくらいにして、点滴の速度調整しないと」
湊「霧島君、治療の手伝いをしてくれませんか?」
悠人「もちろんです。そのために来たので。」
湊「では、準備をしましょう。 2時間後の点滴を」
悠人「2時間後ですか⁉ 12時間後じゃなくて?」
湊「2時間後です。」
悠人「早くないですか?」
湊「それで調整してください。」
悠人「わかりました。」
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