第14話 結花 昔語り
結花 昔語り
あたし、結花は小学校4年生の時、富山から東京へ移ってきました。
お母さんのナンシーは、富山で農家に嫁入りし、あたしを生んでくれましたが、農作業が嫌で遊びまわっていたそうです。お父さんはお父さんで浮気を繰り返していたそうです。
ある時、お父さんがよく通う飲み屋の女の人が母に「ご主人の子供が出来た。離婚してくれ」と言われたそうです。でっ、あたしをつれて東京に来ました。
小学校5年生の時、お母さんが男の人を連れて帰って来ました。山下 保と言う人です。不動産業をしていると言っていましたが事務所は持っていないそうです。
何人かの人たちとグループで、土地やビルの売買をしていると言っていました。毎回、メンバーが変わるそうです。
おじさんは良くお土産を買ってきてくれました。ショッピングモールであたしの服も買ってくれました。本屋で写真の図鑑も買ってくれました。
ゲームセンターで”アイドル学園”と言うゲームもたくさんさせてくれました。カードもたくさん集めました。カード入れも買ってくれました。
その頃から背が伸び始め、お母さんより大きくなり、胸も大きくなり始めました。
6年生の時、お母さんは仕事で居ない夜遅い時間におじさんが来ました。酔っぱらっていました。
シャワーを浴びて、ビールを飲んでいました。その後、あたしの部屋に来てあたしの横に寝ました。びっくりしました。
「おじさん、何?」
「何でも無いよ。ちょっと悲しくなっただけ、、、暫く一緒に居ても良い?」
「良いよ。いつもありがとうね。」
「おじさんもありがとう。結花は本当に良い子だね。」って言って頭を撫でてくれました。
頭を撫でていた手があたしの胸を触ってきました。「いやっ、くすぐったい」笑っておじさんに言いました。
「おじさん、寂しいし、悲しいし、泣きそうだから、、、ごめんね、ちょっと触らせて、お願い。」
「……うん、ちょっとだけ、、、」いつもおじさんに何か買って貰っていて、お返ししなきゃと思ってたから、くすぐったいけど我慢しました。
その内、手は”おまた”の方へ移って行きました。
「ヤダっ」身体をよじって手の平で”おまた”を隠しました。
「おじさんの事、嫌い?」
「ううん、嫌いじゃない」
「じゃ、ほんのちょっと我慢してくれる?」
「……うん。」
パジャマとパンツを脱がされました。おじさんの頭が”おまた”の方へ行きました。舐められました。
ベチョベチョになるぐらい舐められました。くすぐったかったけど、笑うのを我慢していました。
おじさんはあたしの上の乗っかって来ました。”おまた”におじさんが入って来ました。痛かったです。我慢しました。
おじさんとお母さんが夜していた事を何度も覗いていたので、何をするのかは知っていました。これで子どが出来る事も知っていました。
でも、その時はまだ初潮が来ていなかったので子供は出来ないと思っていました。
おじさんが居なくなった後、トイレに行きました。シャワーのトイレに反対向きに座り”おまた”を洗いました。
痛かったです。血も出ていました。パンツも汚れていたので洗面所で洗いました。
それからおじさんはお母さんが居ない時、家に来るとシャワーを浴び、ビールを飲んだ後、あたしの布団に来ていました。
でも、お母さんの様に声が出ません。お母さんは「キモチイイ」とか「モットモット」とか言っていましたが、全然気持ち良くありませんでした。
6年生の夏休み前、女の子だけ視聴覚教室に集まりビデオを見ました。体育の時間でした。
子供の出来るまでとか、大人の男の人と女の人とかの行為のビデオ。おじさんとお母さんを覗いていたので何とも思いませんでした。
はずかしがる子や、食い入るように見る子とか居ました。先生が話始めました。
「皆さんはまだ、大人になっていません。子どもを育む準備はこれからです。十分大人になってから性行為をしなくては身体が壊れてしましまいます。」
「身体の準備が出来ていないうちの行為は、心も壊してしまいます。モラルが壊れてしましまいます。一度壊れたらなかなか元に戻りません」
「男の人から求められても、断らなくてはいけません。身体と心が壊れてしましまいます。モラルも壊れます。」
ショックでした。モラルという言葉がショックでした。”モラルが壊れる”という言葉が怖くて、身体が震えました。
【モラル、、、モラルの崩壊、、、テレビで見た事がある。高校生が映っていたテレビ、、、お化粧した派手な高校生、、、あの高校生、嫌い、、、】
夏休み、お盆過ぎ、おじさんが来ました。夏休みにずっと来なかったので良かったと思っていたのに。
お母さんが仕事で居ない夜、おじさんはいつもの様にシャワーを浴びて、ビールを飲んでいました。あたしの部屋に来ないでって祈っていたけど、入ってきました。
「イヤっ!来ないでっ!」あたしは叫んで、アパートを飛び出しました。走りました。後ろをおじさんが追いかけてきます。
神社へ来ました。夜中の12時過ぎだったので誰も居ません。手洗い場の陰に隠れました。おじさんが来ました。
おじさんは電気の点いた石段の上に立っています。フラフラしています。酔っぱらっている様です。右手で石段の真ん中にある手すりを持っています。
あたしは、おじさんめがけて走って行きました、手洗い場から一直線に走って行きました。
気がつくと、おじさんは石段の下に倒れています。あたしは石段を下りておじさんを見ました。頭から血が出ています。動きません。首がいつもと違う方を向いています。
公衆電話が隣の公園にありました。赤いボタンを押して救急車を呼びました。暫くして救急車が着ました。
あたしは石段に座って泣いていました。泣きじゃくっていました。
警察の人も着ました。警察へ行きました。お母さんも警察に来ました。話を聞かれました。
あたしは答えました。
「おじさんが夕涼みに行こうと言ったのでついて行きました。神社の石段からの夜景が綺麗だとおじさんは言っていました。
おじさんはお酒を飲んでいたので危ないよって言いましたが、よそ見をしている間におじさんが石段から落ちていました。
直ぐに119番に電話しました。」
みんな、信じてくれました。
火葬場へ行きました。大人の人が何人か一緒でした。お母さんと何やら話していましたが、お母さんはお辞儀をするばっかりでした。
その後、お母さんは携帯で何処かと話していましたが、大きな溜息をついて白い刺繍の入った箱を受け取って、黙ったまま帰りました。
大きなお寺に寄りました。お母さんが知り合いだと言ってたお爺さんが、お経を読んでくれました。
白い箱を預かってくれるそうです。毎月一回手を合わせにおいでと言ってました。
【あ、そうしよう、、、手を合わせよう、、、あたしじゃなきゃイケない。】
あたしはパッと顔を上げこう言いました。「ハイ。来ます。毎月。」小さな声だったけど言いました。
それから毎月20日頃、学校帰りにお寺に寄りました。お母さんが居なくなるまで続けました。
そこにはカッコいいお兄さんが居ました。会えない時とかありましたが、よく庭を掃いてらっしゃいました。
手を振れば手を振ってくれて、笑えば、笑ってくれました。本堂の階段に座って貰ったお菓子を食べながら話もしました。
中学3年生の時、悪い人に乱暴されそうになった時、そのお兄さんに助けてもらいました。嬉しかったです。
お姉さんも居ました。お兄さんの彼女かなって思いました。そのお姉さんはクラスメイトの静香のお姉さんだったそうです。
高校生になった頃から会えなくなりました。お兄さん、大学へ行く為、引っ越されたそうです。さみしくなりました。
多分、それがあたしの初恋です。
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