核戦争後の世界

バブみ道日丿宮組

お題:理想的な能力者 制限時間:15分

核戦争後の世界

 産まれた時には能力者。

 それは核戦争で破壊された世界で生き抜くために覚醒した能力。

 とはいっても理想的な能力とはなかなかない。

 不死、不老、透視、遠視などなど、その人が何に目覚めてるのか本人しかわからない。もちろん、攻撃的な能力もある。

 能力の強さはカテゴリーS、A、B、Cと強さが分類されてて、上にいくほど危険なものになってる。いわゆる攻撃系はA以上は確定。他人に危害がほとんどいかないのはCやカテゴリー外になる。

 攻撃系の能力は炎、氷、水、雷、土、雪、光、闇、重力とわかりやすいのはこれぐらいか。

 だからこそ、攻撃的な能力を持った子どもはきちんとした施設で教育されてる……もとい身体に居場所を特定されるチップを埋め込まれる。

 私も瞬間移動はカテゴリーA。危害を加える能力ではないのに、暗殺できるとして施設に送り込まれた。母さんも父さんも私が行くことに拒否しなかった。見えたのは恐怖してる目だった。

 小さい頃には見たこともない、まるで汚物を見るような嫌な視線。どうしてこんな子どもが産まれたんだって訴えかけてるようだった。

 だから……施設にこれたのは良かったのかもしれない。

 瞬間移動は理想的に使いやすい。ものを動かしたり、相手を移動させたり、相手の能力の無効化もできる。応用力に飛んでると思う。

 かといって、カテゴリーSの能力の子供とは戦いたくない。

 不死の能力を持った能力者を実験体にどのようなことができるか傷つける。ただの死なない人殺しをし続ける。

 そんなことをさせる大人も大人だ。

 薬と脳波で制御してるというけれど、同じ空間にいるだけで能力の波動が脳に飛んでくる。

 

 ーー破壊。

 

 どんなものも破壊できる能力。海も空も破壊できる。もちろん、その層が壊れるだけで自然に戻るが文字通りなんでも破壊できる。

 そんな子どもたちを使って大人たちはまた戦争を繰り返そうとしてる。

 能力に目覚めたのはこの国の子どもだけじゃない。他の国でも次々と産まれてる。

 いつ再びまた争いが起こるかわからない。

 私の友だちは未来視ができるのだけど、5年以内に必ず起こると言ってた。そしてブレつつあり、3年になったり、1年になったりと毎日のように変化し続けてるらしい。

 私はそんなことになったら、友だちと一緒に逃げる。

 装置を外せないと大人は思ってるようだけど、所詮機械。どの場所にあるか能力で理解してるから、逃げることは可能。

 だけど、今はダメ。

 カテゴリーSがすぐに追ってにまわって壊されてしまう。

 ただ待つ……それが今できるたった一つの冴えた方法。

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核戦争後の世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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