電気信号
バブみ道日丿宮組
お題:マイナーな過ち 制限時間:15分
電気信号
赤信号は止まる。青信号は進む。黄信号は注意して進む。
ぎりぎりかわる信号のライン。頻繁に起きる事故は黄信号、および点滅しだしてからだ。
それならいっそのこと、赤と青で問答無用に轢き殺すのが正しいのではないだろうか。
人間は忙しい動物だ。
進めないなら停止させる。それでいいと私は考える。
電車で考えると、停止した人間は線路に飛び込む。それは過ちなのか? いや、自ら死へと進んだ。勇敢な好意である。
一番愚かな人間は社会のルールを一般常識だと認識して生きてるものたちだ。
善意は当然ながら、悪意はある。
それを制御するのが理性という概念。
だが、所詮電気信号だ。
日々の疲れが信号を破壊することもある。
ならば、電気信号を破壊しないようにする研究が一番大事である。
青信号は強制的に進む、赤信号は止まる、あるいは近い方に進む。
人間の概念は生きる上で必要ない。
生きるために他の動物を殺す種族に生きる資格はない。食べられるために豚や、牛、魚たちは養殖される。その中に人間が入るだけだ。
これで過ちはなくなる。
人間は他の人間によって処理される。
増えすぎた人間を削除するには、電気信号で制御するのが一番だとやはり思う。
「君たちが第一号だ」
外を歩いてる暇そうな学生たちを複数人集めて、脳内の電気信号を書き換える。人間は人間のルールなんて守らなくていい。
世界というルールを守れと、だが善意と悪意の判別は判断しろと。
第一号が世に放たれて、数日が経つとかなりの事件が起こった。しかし、裁判所では精神鑑定で無罪となる。
そう……小さい存在だが電気信号が悪意ということを認識してないなら、それは過ちと認識してない。逆になんであのこは死んでしまったのだろうかと逆に問い詰められる結果となった。
そうして第一号たちは、世の中に再度解き放たれた。
世間は恐怖に支配された。
悪魔が外に出たと。
今まで動物たちに行ってきた非道な行為を知っておきながら酷いいいようだ。
ならばと、第二号、第三号と改良を加えた。
人間の悪意を排除する電気信号を埋め込んだものと、人間の善意だけをする電気信号という形だ。
これは非常に面白い結果が生まれた。
逮捕されたのは人間の善意をする電気信号を埋め込んだ人間たちだ。悪意を排除する電気信号たちは誰も捕まってない。
思わず爆笑してしまうほどだった。
世界に正義はない。
殺し殺される社会がこの世界の真実だという結果を作り上げた。
研究結果はある程度集まった。
これ以上、人間のクソさ加減をみるのは嫌になるので私は自らの脳神経を電気へとかえ、文字通り電気信号となった。
あとは簡単だった。
ウィルスでもない、ただの信号はセキュリティを破壊する。
世界の秘密、個人の秘密。
全てをさらけ出した。
慌てる人間。いや、獣たちはもう数は少なくなった。
電気信号 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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