第5話 去るは一難
スィオネ:「もう大丈夫ですよ。二人が倒してくれましたので」
GM:「あなたも魔法でしっかり活躍していたじゃない。謙遜することはないわよ。今日はもうアゼルの街に戻りましょうか」
そう言って、帰路につくことにします。とはいえ、そこまで遠く離れていなかったので、すぐに到着しました。
サク:家まで送り届ける感じ?
GM:いえ、そうですね、《希望の架け橋亭》までで大丈夫です。到着するとハリエットは言います。
「ありがとう。ドキドキしたけど、あなたたちに頼んでよかったわ。報酬はもう預けてあるからあとで支部長から受け取ってちょうだい」
スィオネ:「不注意で怪我をさせてしまってごめんなさい」
GM:「平気よ。あなたがすぐに治療してくれたもの。……それにしても町の近くに蛮族が罠を張っているなんて、ちょっと心配だわ」
サク:「あの場所もやつらの縄張りになっとるということじゃろ? 冒険者が多い街とはいえ、危険じゃな。蛮族どもは全て滅ぼさんと……」
ボラフ:「私たちが言うのも何ですが、我々冒険者は一人ひとりの戦闘力では騎士たちに並ぶこともあるかもしれませんが、組織的な行動をとることには向いていません。街の責任者に掛け合って、早急に手を打つ必要があるのではないでしょうか?」
GM:「……やっぱりあの遺跡を狙って――」
ハリエットは皆さんの話を聞いておらず、自分の世界に入っているようです。
スィオネ:「遺跡? そういえば探索依頼が出ていましたね」
ならば無理やり入っていきましょうw
GM:「あ! ううん、なんでもないわ。またお仕事を依頼するかもしれないから、そのときはよろしくね」
と、あなたたちに別れを告げた後で、虚空に向かって彼女は言います。
「ルーク、来ているんでしょう? 帰るわよ」
するとどこからともなくスッとルーク・カイエンが現れます。屋敷にいなかったので、《希望の架け橋亭》に様子を見に来ていたようですね。
ルークはあなたたちに一礼すると、ハリエットと共に《希望の架け橋亭》を後にしました。
サク:結局、ハリエットさんの目的は達成できたんかの? 強力な蛮族が出てきたから目的未達成でも身を引いたんじゃろか。
GM:さて、支部長から一人800Gの報酬を得ます。
更に経験点チット(黄)が2個と、「フラグチットB」を獲得します。
スィオネ:あら、この間はフラグAでしたよね。もしかして順番通りにフラグを回収している?
前回のガスト事件と合わせると、アゼルの街を侵攻するために蛮族が着々と準備を整えている感じがしますね。
ボラフ:さらっと流されてしまったけど、もし、ハリエットちゃんが噂通りリルバーン子爵の娘なのだとしたら、リルバーン子爵が領主そのものではなくても、それと取次ができるくらいの有力貴族のように思えるね。
サク:考えたくはないけど、リルバーン子爵かあるいは領主がアゼルの街を蛮族に売ろうとしていて、蛮族が近づいていることが分かる状態だったから、彼女に過保護に接していたとか?
ボラフ:何にせよ、今後とも注目した方が良さそうだね。他の人物のことも気になるけど、そっちは違う冒険者たちにお任せして、僕たちはこちらに専念するとか。
スィオネ:……まあ、先のことは置いておきましょう。ところで今回で経験点チットが6個になったから、全員技能Lvも成長かな?
魔法使いは、レンジャー技能を持つA系統と、純粋に魔法に特化するB系統に分岐するみたい。不器用だし、B系統でいきます。
ボラフ:密偵もセージ技能かエンハンサー技能かの分岐があるけど、セージ技能は
スィオネ様にお任せするのでいいでしょう。練技は……うーん、【ビートルスキン】を取ろうか。避け損なったときのダメージが痛すぎるから……
サク:魔法戦士は、魔法に寄るか戦士に寄るかの分岐みたいスね。もちろん、戦士寄りのAタイプっス。冒険者Lvも3に上がったっス。新しい戦闘特技は《挑発攻撃I》を習得。これでタンク役の本領発揮っス!
GM:はい、分かりました。これからの冒険も楽しみになってきましたね。それではお買い物に関しては、次回の初めに報告してください。お疲れさまでした!
第三回:狙われし街(ソード・ワールド2.5 RPGビルディングBOXリプレイ) 彩柳 @slry_fi
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