お高い体液

バブみ道日丿宮組

お題:高い液体 制限時間:15分

お高い体液

 封印する聖水なんかは高価なもので一般兵士には買うことができない。なので、幼女の体液を使って死霊を退ける方法を取るしかない。

「もうロリコンでいいや」

「犯罪行為はやめてね? これでもあたしは貴族の娘なんだから」

 体液を提供してくれる幼女は見てくれは小さいがもう元服した立派な大人である。だが、俺との約束を守って成長できないように禁断の果実を食べてくれた。

「貴族の娘は悪いことしないんじゃねーのか、一般的に」

「約束は約束でしょ? あたしがゲームに負けた」

 ゲームに負けたからって一生を棒に振る行為をするとは貴族とはとても真似できない志を立ててるものだな。

「それにね、死霊に襲われる世界ってのも気に食わないし、あたしもこれでも戦えるようになってきたし楽しいのよ」

「ずいぶんと破天荒なご令嬢で」

 ふふふと彼女は笑い、

「子供の頃、色んな場所に連れ回ったあんたがいけないのよ? 冒険グセというか館というのがちっぽけに見える世界を見せてもらえたのだもの」

「あの館も大分広いけどな」

 親を説得するのも大変だったな。果実を食べた後だからどうしようもないってことで……跡取りとして育てると、がむしゃらにいろいろと教え込まれたな。

 一緒に学んでる彼女は元々やってたから伸びが俺より良かったのが癇に障ったけど、狩人として外に出られるようになれば、もうそんなことは関係なしだ。

「ロリコンっていってもね。本当に幼女の体液を使う狩人なんているの?」

「そりゃ売り物として扱う商人もいるよ。生きるためにみんな必死なのさ。死霊に襲われるから満足に外に出歩けない状態だ。幼女にすがりつきたくもなるさ」

 それでロリコン大国となったというのも嫌な話だが、しかたないのさ。

 俺はロリコンではないけど、ロリコンにしか見られない。

 最近知り合いの幼女も増えたしな。彼女と話があうらしく、街にいる時は頻繁にあってる。果実を食べるかは親と相談中らしい。あと使える騎士も募集中って笑顔で見られた時はさすがにドキってしたね。

 後ろから見てるだろう彼女の視線が痛いこと痛いこと。

 複数の体液を扱うのは戦法としては間違ってない。それぞれ効力が違う。人間のDNAと同じで体液もまた当たり前だが癖がある。

「ふーん、じゃぁ買い物はこれくらいにして、仕事に行きましょう」

「あぁそうだな。同じ場所を住処にされても困るし、結界も今度は構築しよう」

 結界という言葉を聞いて、途端に嫌そうな表情を見せる彼女。

「……最悪だわ。最悪最悪最悪最悪最悪!」

「諦めろ、できるだけ見ないでやるから、静かにするんだぞ」

 思いっきり腕に彼女が噛みついた状態で俺たちは街をあとにした。


 ちなみに結界を作るには儀式がいる。

 それに必要なのは、大量な体液。手早く済ますにはもちろん、あれしかない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お高い体液 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る