こどもかいけいし
バブみ道日丿宮組
お題:高貴な公認会計士 制限時間:15分
こどもかいけいし
ドラゴン付きといわれた少女は、高貴な身分で何もしなくても生活できるのに会計士という職業を選んだ。
というか、中学生もなってない子どもがなっていいですかね?
「いいこと、あたしがあなたの公認会計士になったんだからしっかりと成果を出しなさいよね!」
住み込みの社員というのか、部屋に住み着いたご令嬢さんは朝からご機嫌がななめ。自分で作った朝食のあまりの不味さにそばにいたシークレットサービスに手伝ってもらって、半泣きだった。
そういうこともあって、俺への圧力が凄い。
「成果っていっても、この分野じゃ発見してからが大変でどうすればいいのかっていうのがね」
「そんな難しいことはあたしにはわからないわ! お金がかかるって話でしょ。なら、あたしに頼りなさい。財閥があなたを支援してるんだもの……ほんとだったらこんやく」
最後に何を言おうとしたのかはわからないが、財閥がバックにいることもあって研究は進んでる。そして彼女の父親が専用の研究棟を作ってるという。
どうして彼女がここまで僕にかまってちゃんなのかはわからない。
どこでどうすれ違って出会ったのか。
運命ってのは研究よりも難しいテーマだと思う。解決策も問題点もあげられないしね。いや、問題点はわからないってことが問題か。
「とりあえず、サンプリングはできたから」
あとは数時間被検体であるマウスがどういう反応を示すか、カメラ等でチェック。
「よし、遊ぶか」
「何よ、あたしに負けたのがそんなに悔しかったの?」
「いや、僕に勝ったのはじゃんけんぐらいで後は僕の圧勝じゃなかったか?」
なによなによと顔を赤くするのは本当に子どもだなって思う。
頭はいいはずなのに、思考は成長しない。
2年目だから、多少おつむはまともになったけど、ちょっと怒りっぽいのは治らないね。そこはきっと彼女の母親譲りだろう。
あれは鬼が何かと間違えるぐらいに怖かったな。
一人娘が家出して僕の部屋に住み着く前に、乗り込んできて刃物突きつけられたんだよな。傷物にしたら殺すとか、泣かせたら首をかっきるとか、手を出してるんなら埋めるとか……。
全部してないって子どもによる説得で仏様のように静かになったけど……いつまたやってくるかわからない。神出鬼没である。
父親のほうは事前にスマホに連絡してくれる。成果はどうかとか、会議に出てみないかと僕には恐れ多い誘いがね。
「じゃぁ、得意なやつか好きなやつでもいいよ。あ、こないだ買ってきたのにするか?」
パッと明るい笑顔になる彼女は、歳相応の少女。というか幼女。
準備を自分でパッパッとすると、彼女の隣に敷かれたクッションがならされる。はよ座れという意味だ。
「はいはい」
彼女のご機嫌取りも僕の仕事のうち……でもあり、研究かもしれない。
こどもかいけいし バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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