137 小学館文庫の思い出 追記

136 横道にそれる。小学館文庫の思い出

https://kakuyomu.jp/works/16816452221508425967/episodes/16817330650217604088


前回、青切様よりコメントを頂戴しまして、やり取りするうちによき情報をいただけましたので今回は横道にそれた話のさらに補遺です。ネットのよいところ全開の展開、まことに青切様、ありがとうございます。


『萩尾望都のSF世界』

https://matogrosso.jp/serial/sf_sf_03/


やっぱり〈小説に見せかけたい〉意識、あったんですねえ。


でも、この小学館文庫の10年後くらいには、氷室冴子先生で言えば『なぎさボーイ』(1984)みたいなマンガの表紙絵が出て、新井素子先生の作品にしても『星へ行く船』(1981~1994)シリーズは竹宮惠子先生の表紙なんですよね。

こちらはSFと少女マンガの盛り上がりからの竹宮惠子先生かなあ、と想像しますが、こういうところから少しずつマンガ絵の表紙に抵抗がなくなっていったのかなあ。吉本ばなな先生デビュー(1987)からの、小説と少女マンガについてのあれこれの論争やなんやらもなつかしく思い出されます。


あと、ガンダムのノベライズがスニーカー文庫から出始めるのが1987年で、元々SF読み物はアニメーター出身の画家の表紙が多かったですけど、これはきっぱりガンダムが表紙です。


1980年代って、子供の頃からマンガ、アニメに接してきた世代が抵抗なくマンガ、アニメの絵にお金を払うくらいの経済力がついてきた時期でもあるのかな。


あと、イラストみたいな絵柄の漫画家もこの時期たくさんご活躍されていまして、高野文子先生、橋本治先生の表紙でしたね。(『桃尻娘』文庫版1981年)

橋本先生はマンガ評論も書いて、さらにイラストレーターでもあるので、なんかこれはそのへんのセンスかなあ。


1980年代の、マンガ、アニメ、イラストレーションのそれぞれの盛り上がり、読者の変化が、現在の絵師=だいたいアニメ、マンガ系列の絵柄、の基盤になっていたのかもしれません。

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