6 ケータイ小説の好きなところ②

ケータイ小説が出てきたとき、まず思ったのが、


ケータイの画面でまで、小説を読みたい人がいるとはどういうことなの?


ということだったのですけど。あと、


パケ代???大丈夫???


ということも考えたかな。当時はパケ死、て言葉もありましたし。


後者のパケ代の問題は、ケータイ小説成立の歴史にも関わっているようで、何度も登場しますが「国文学」2008年4月号でも、パソコン、ケータイ双方の定額プランの登場がケータイ小説を可能にしたことについて指摘されていて(七沢潔「“愛情砂漠”の幻か、オアシスか~ケータイ小説流行の背景を考える~」)、そうだったなあ、と思い出したのでした。


そんなこんなで今に至るわけですけど……


今は、縦書きも可能になって、「紙の本みたいなこと」ができるわけですが、立ち止まると、デジタル環境での読者にとって、「縦書き」の意味って、多分紙の本しかなかった頃と違ってるんじゃないかと思うんですけど、どうなんですかね。←ちょっと脱線。


話を戻して振り返ると、あのガラケーで読むこと前提の、文章短めにして読みやすくし、短めにした分、改行を多くして余韻とリズムを作って、の、「ケータイ小説文体」って、なんだかんだ言われながら、なんとなくのんびりして好きでしたし、今でも好きです。


ガラケーからスマートフォンに切り替わっていく時期、はじめてガラケー以外の画面でケータイ小説読んだときの「なんか違うものになった?」感は忘れられないんですけど……


それも数年経過してみれば、今でもケータイ小説っぽい書き方が合っている作品、というものは存在していますし、スタイルとしては残っていると言えるのかなあ、歴史だなあ、と思います。読む媒体が表現のしかたを変えていくの、面白いですね。


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