学校では厳しい才色兼備な義姉が、家だと僕にすごく絡んでくるんだけど！？

第17話

　月曜日。また学校が一週間続く。

「ふぁぁ〜……。ねむ……」

「あら？　お疲れのようですね、大門さん。昨日は何か激しい運動でもしたのですか？」

「ん？　ああ、まあ、運動っちゃ運動だけど、そこまで激しいことをしたわけはないけどね」

「ほほう……。しっかりとお休みを取ることが一番です！　体は正直なんですからね！」

「うん、たしかにそうだね」

　妻夫木さんは僕の顔色を見て察したようだった。この子の洞察力は素晴らしいな。この間も僕の異変にいち早く気づいた子であるため、やはり身の回りのことをよく覚えて、よく見ているのだな。

　妻夫木さんは図書館で借りて来たであろう文庫本を持ちながら、姉さんのことを僕に聞いてくる。

「弟であるあなたに聞くのですが、部長が次に部活に顔を出してくれるのはいつなのでしょうか？」

「ごめん、全く聞いてないや」

「いえ、いいんですよ？　突然部長が来てくれる方が、穂乃果先輩も喜ぶはずですから！」

　姉さんは人気なんだなぁ。少し誇らしかった。実績ある人間は、無意識に発しているオーラによって、周りの人間にも影響するのか。だからこんなに姉さんが来るのを楽しみにしているのか。

　でも多分、これからは滅多に来ないと思う。いや、来る時もあるかもしれないけれど、おそらくもう来ることは少ないだろう。生徒会の仕事、そして新刊の執筆、僕という存在。最後のは正直外してくれても構わないが、一応姉さんの今後のスケジュール内容のところに入れておく。

　昨日、姉さんが話していたことなのだが、これからは色々とこん詰めてすることが多いらしく、あまり時間がないんだとか。とりあえず一連のことが終わらなければ、部活にも行けないし、遊びになんて行くこともできない。だがメリットとして、僕に会わないというのがある。

　僕と姉さんが初めて性行為をした夜中に、少しだけ話し合った。ちなみにその日のうちの二度目の性行為の最中である。その話あったことというのが、学校での接し方であった。家のように僕のことを呼ぶのはダメ。学校でキスはダメ。学校での性行為ももちろんダメ。そういうことだ。

　三番目は当然なのだが、最初の二つは姉さんが本気でやりかねない。そのため念を押して二度伝えた。でも不満もしっかりとあったらしく、姉さんは家ではバレない限り、何度もキスをしてもいいという約束もした。

　だから僕としては、楽しみは変えることになりつつある。あ、でも帰るの遅いのか、姉さん。

「ええ、まあ、そういうことですので！　また部活で……」

「うん……」

　そう言って妻夫木さんは僕の元を離れていった。

　＊＊＊＊

　家に帰ってからのこと。

「和くぅん……。あ、あと……何秒……やれば、いいの……？」

　親は帰りがいつも遅い。十五年も生きていて、父と母が家で出迎えてくれることはほとんどなかった。そのため一番に家に着くのは僕で、その次は姉さんである。どんなに忙しいことがあっても、どんなに生徒会で長引いても、両親が僕たち姉弟よりも先に家にいることなどない。ずっと仕事をしているのだ。

　晩御飯も自分たちで作ることがある。そういう時は滅多にないけれど、今日だけは違った。色々な家事全般をこなして、料理の準備もして、食事をする。そしてその後の少しの自由時間で、両親はその時に大体帰ってくる。

「んっ……。あっ……」

　そう、いつも遅いのだ。だからこうして、堂々と部屋で性行為をしている。僕たち以外には誰もいないし、ちょうどよく姉さんが帰ってきて時間もあった。ちなみに誘惑してきたのは姉さんだ。

「フッ……、フゥッ……」

　姉さんが感じている。真っ赤な顔に、滴る汗。荒い吐息。それのおかげで、僕の興奮は一時的に最高位に達することが出来る。

「んっ……。ね、ねぇ……和くぅん……。もう、いいでしょ……？　腰、疲れた……」

「ああ、ごめん。流石にキツかったよね」

　現在、姉さんが僕に乗っかっている状態。いわゆる騎乗位という体位である。

「うん……。だから……はやくぅ……」

　姉さんがエロすぎて困る。本当は性格の悪い僕だから、少しだけ姉さんにイジワルをしてみたくなった。

　少しだけ、少しだけ、自分の腰を浮かして、奥を責める。

「あっ……！　ヤ、ヤバッ……！」

　ビクン、と大きく揺れる姉さんの体。実にエロい。

「よーし！　今度は僕が動いてあげるからね！　覚悟しておいてね、姉さん！」

「ふ、ふぅー……」

「姉さん？　どうしたの？」

　まさか、まさかとは思ったが、もしかして姉さんは、すでに……。

「あらー……。じゃあもう今日はおしまいだね。もうちょっとヤりたかったなんだけどなー……」

「ち、違う……！　イってない……！　イってないからぁ……！」

「嘘はダメだよ。話し合ったじゃないか、僕たちでさ」

　僕たちはこの前にも話し合った。学校での接し方のことについてだ。僕たちはそれ以外にも色々と話したことがあったのだ。学校でのことはもうすでに決まっているため、その逆のこと。家でのことだ。メインの話し合いは、家での性行為についてだ。大きく分けて二つある。

　一つ目は、避妊をすること。生であっても、生でなくとも、僕たちは避妊をすることを決めた。当然妊娠してしまえば終わりだからだ。そして二つ目。一日に一度でもイけば、もうその日に性行為はしないこと。

　僕は嫌な予感がしたのだ。初めてヤった時、僕はこの先に何度も何度も姉さんとヤってしまうのだろうと、感じてしまったのだ。ズルズルとズルズルと、時間があればヤるかもしれないと思ってしまったのだ。

「やぁだぁ……！　最後まで、最後までヤりたいよぉ……。お願いだよぉ、和くぅん……！」

「う……でも……」

「おねがい……だからぁ……」

　そうやって懇願されると断れない。可愛すぎるからだ。

　結局、僕たちで話し合ったことはあるようでないものになった。後者の方だけだがな。

　これじゃあ話し合った意味がないんだよ、全く。

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　最近投稿頻度がバカほど落ちていてすみません！　色々と忙しくなっているので、ご了承ください！