第24話 涙の理由
「さぁ!食べましょ!」
葉月はそう言ってみさきのうどんにも豆板醤と唐辛子を沢山ふりかけました。
そのあと自分のところにも沢山ふりかけました。
「え?」
一は驚きの目で葉月の方を見ます。
「沢山食べよう!
いい?私はうどんを食べて泣くから!」
葉月はそう言ってうどんをすすります。
「あ……」
みさきも思わず声を出します。
「からい!!!」
葉月はそう言って目に涙を浮かべます。
そして涙を流します。
「一!がんばった!」
葉月のひとことで一はなにかを悟ります。
「でも、ひとりで抱え込むな!」
葉月の言葉が続きます。
「……先輩」
「君には友だちがいる!
私もみさきちゃんも!
これからだって沢山できる!」
「でも僕はジンクスがあって……」
「そんなものはティッシュにくるんででしまえ!」
「え?」
「神さまはジンクスって呪いをかけたかもしれない。
だけどなにも禁止なんかしていない。
自由なの!」
「……はい」
「泣きたいときは泣いていいの!
泣かずに生まれた人なんていないんだから!」
一は覚悟を込めてうどんをすすります。
みさきも覚悟を決めてうどんをすすります。
そしてふたりは涙を浮かべて言います。
「からい」
そして3人で涙を流しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます