第23話 うどんクイーン
「あ、ゴマをかけてね」
葉月はそう言ってゴマの袋を開けます。
「美味しいよ♪美味しいよ♪」
葉月はそう言って笑います。
葉月が笑っています。
「先輩……」
一は思いました。
そうつらいのは自分だけじゃない。
「さささ、お二方。
この激辛豆板醤を掛けてみない?
それとも1滴で並だが止まらなくなる唐辛子がいい?」
葉月の目が光ります。
「え?普通のうどんがいいです」
一は言ってしまいました。
言ってはいけないキーワードです。
「よろしい正直者には両方をあげよう!」
「……」
葉月は、うどんの中にニッコリした微笑みを浮かべその2つを全部うどんに入れました。
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