第15話 七夕

――7月7日


一はそっと空を見上げます。

そして言います。


「曇りだね」


それに美姫が答えます。


「これじゃ織姫と彦星が出会えないね」


そして一が言います。


「雲の上は晴れているんじゃないかな?」


「そうなの?」


「きっと邪魔しないでねって言っているんだよ」


「つまりヤりまくっているってことだな」


護がそういうと美姫が怒ります。


「ちょっと!女子の前でそういうこと言わないの!」


「そうですよ。

 彦星さんも織姫さんも生きていたらおじいちゃんとおばあちゃん。

 そんな元気はないですよ」


みさきの言葉に一は少しだけ癒やされます。


「川名さんピュアだね!」


一が微笑みます。


「ピュアですか?」


「うん。

 多分まだ若いと思うよ」


「彦星は10億歳。織姫は3.5億歳。

 もうご年配の域を超えてますよ」


「不老不死なんだよ」


美姫が笑います。

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