第9話 葉月先輩
――翌日
「指、どうしたんだ?」
ホームルームのあと護が一に尋ねます。
「ギターを弾こうとしたら弦が切れてね」
「そうか」
「うん」
「一のギター、久しぶりに聴きたいなー」
美姫がみさきと共に現れます。
「えー」
一はみさきの方を見ます。
「私も聴きたいです」
「う……」
みさきの言葉に一の心が揺らぎます。
「じゃ、授業が終わったら軽音部に集合だね!」
おっとりした声が響きます。
「って葉月先輩?」
「えへ、近くに寄ったから来ちゃった」
そういって笑ったのは南 葉月。
一より1学年上の先輩です。
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