第7話 やくそく

夏の蝉は七年間土の中にいると言われています。

そして一週間鳴き続け。

そして死にます。

そんな毎日を繰り返しながら一は歩きます。

見覚えのある少女を見つけて手を振ります。

少女が近づいてきて言います。


「あの、もしかしてお兄さん、私に手を振りました?」


そして一は気づきます。


「あ、知り合いに似ていたもので……」


「そ、そうですか」


一は幼き頃、一緒によく遊んでいた女の子のことを思い出していました。


その女の子とはひとつの約束をしていました。


「私を見つけたら手を振ってね」


そう言い残し女の子は消えました。

一はその言葉を信じ今日も手を振ってしまいました。

もう彼女は来ないと感じながらも……

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