第878話
「マルコイよ‥。何が特に問題ないのだ?一番最後に一番大きな爆弾を落としよってからに‥」
え?
それはアキーエさんの問題を超えると言う事ですか!?
いたたたた。
アキーエさんの視線が物理的に刺さってる気がする。
そうか‥
スキル【創造士】が一番の問題なのか‥
普通に使ってて、便利がよかったのですっかり忘れてた。
「マルコイ‥そうだな‥エッケンが言った通り、マルコイだから仕方のない事なのであろうな‥ところでマルコイ。お主の事だ。そのスキルで作れるのは武具だけではあるまい?」
「そうですね。武具以外にも魔道具なんかも作れますが、創造する時にかなりの魔力を必要とするので大きい物や複雑な物なら結構日数がかかりますけど
ね。」
「作れないとは言わないのだな‥まったく‥国家転覆より、他国の破壊よりもマルコイのスキルの方が驚いたわ。」
そうかな?
確かに使い勝手はいいけど、魔力の消費が激しくてコストは悪いんだよな。
多分魔力消費なんかは統合する前の【スードゥクリエイター】の方がよかったような気がするくらいだ。
まあただその代わり今まで諦めていたような物まで作る事が出来るんだけどな。
「まあいい。お主に何を言っても今更であろう。ワシとしてはお主がこの国で活動して、国に利益をもたらしてくれるのであれば問題ない。ホット商会もそうであるが、マルコイ個人の影響も多大なものがあるよってな。」
ふむ。
ならば魔道具作りで自制する必要はないと‥?
「お主がやりたいようにやればよい。そして量産した物でいいから国に卸してもらえばありがとい。そうすれば我が国はもっと強くなれるであろう。」
「わかりました。ありがとうございます。獣王様の期待に応えるべく、面白い‥げふんげふん‥役に立つものを作って見せます。」
危なかった。
つい本音が出る所だった。
「お主今面白いと‥」
「何を言ってるんですか獣王様!俺がそんな事を考えるはずがないじゃないですか!俺は勇者やみんなの役に立てる素敵な魔道具を作りたいだけです!」
「素敵なの部分に、何か含みがあるように感じるが‥まあいい。頼んだぞ。」
「承知いたしました。」
よし!
これで国公認の実験だ!
「王よ‥マルコイに実験させると国が吹っ飛ぶやもしれません。せめて危険な実験については郊外でやらせるのが得策かと。」
エッケンさん実験って言ってるやん。
失礼極まりないな!
ちゃんとした創作活動だというのに。
「そ、そうじゃな。マルコイよ。お主の魔道具は、ちと危険な物もあるようなので、危険な物というか何かを作る時は郊外でしてもらうと助かる。ちゃんと場所も提供するよってな。」
ちっ!
一部国公認になってしまったか。
さすがエッケンさん。
鋭いな‥
危険な物なんて作りませんよ、とは言えない。
何故なら爆発こそ珠玉であるからな。
「わかりました。ちょっと人体実‥試運転が必要な魔道具などは、街から離れた場所でいたします。」
「今、人体って‥‥‥まあよい。とにかく頼んだぞ。」
「承知いたしました。」
何か獣王様とエッケンさんの俺に対する認識について釈然としないものがあるけど、まあいいとしよう。
「それではこれで退席いたします。何かあれば呼んでいただければ伺いますので。」
俺は獣王様とエッケンさんに挨拶をして席を外す。
「うむ。マルコイよ。くれぐれも街の中での実験はほどほどにしてもらうようお願いするぞ。将来お主の国になるかもしれぬのだからな。」
「はい‥‥‥はい?」
「いや、なんでもない。報告助かった。また何かあれば連絡しよう。」
「はあ‥」
何か最後の方に不吉な事を言った気がするんだけど‥
まあいい。
これで獣王様への報告も終わった。
これで俺は自由だ!
待ってろよ、正人にラケッツさん!
君たち勇者に相応しい武具を作ってやるからな!
そしてあの日から会っていない、彼の武具も作れたらいいな。
会えるかどうかわからないけど、誰よりも勇者に相応しい彼にも武具を作っておく事にしよう。
王様への報告が終わり自宅に戻ってきた。
模擬戦バカたちもひと段落したのか、剣戟の音はしない。
ただ無視したくても出来ないような物が玄関前に置いてある。
肉だ。
馬鹿デカい肉が吊るされている。
そうだよな‥
確か取ってきますとか言ってたもんな‥
「あ!マルコイさんおかえりなさいですぅ!」
「ただいまミミウ。これは‥ミミウが取ってきたんだよな?」
「はいですぅ!ちょっと離れた山の中にいたけど、頑張って取ってきたですぅ!」
だよな。
というか地竜ってこんなに簡単に取れる物なのか?
もちろんミミウが地竜を狩る事自体は心配してないし、問題ないだろう。
でもこんなにホイホイ地竜がいる事自体が問題だと思うのだが‥
もしかして匂いとかでわかるのかな‥?
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